[こっそり月見雑文祭分析]

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001望月おきかげ&けい
[赤ずきんちゃん★BREAK DOWN]
686・トップバッターにこうも鮮やかなヒットを決められては、二番以降がやりにくいこと。月見雑文祭のイチロー。[下条]
002月見餅ねぎ
[万能ねぎ]
1446・子供の描写がうまい。やはり子持ちさんなのでしょうか。[下条]
003二人の王子くらり
[くらりね]
1395・どっから出てきたんだよーこの発想。最初はひろゆきと切込隊長を風刺した話かと思いました。そのうちモナーとかギコも登場するのでしょうか。[下条]
004流れよわが涙、とヒーローは言った綾倉聡
[エレメンタルノート]
1174・やっぱり戦隊ものが出てこないと雑文祭らしくなりませんな。桃満レンジャーのモデルが誰なのかちょっと気になります。ピザ満レンジャーはイタリアからの助っ人。[下条]
・題名、懐かしのフィリップ・K・ディックでございましょうか。[STMile]
005満月効果Mi-Chi
[べっ、べつに泣いてへんわ]
902・空手だけに突き。剣道でもいいけど、竹刀を持ち歩く女性とはちょっとおつきあいしたくない。相撲なら突き落としか。相撲だけにダンゴ、いやアンコ型。でもやっぱりまわしを締めている女性とは。[下条]
006団子坂綺譚曠野反次郎
[題未定]
1482・うさぎが物を食うところって、じっと見ているとかなり不気味なんですよね。しかし怪談によくある二段オチ。きっと主人公は失神から目覚めた後、覗き込んだ鏡に見る自分の目が赤いことに気づき、耳も伸びていることに気づき、ああこの顔は一族の遺伝だったのか、うううインスマウスの影。[下条]
007月見三戒ふるかわとおる
[とおるメモ]
646・三るな運動がいい。支払わずに外に出たらもっと殺伐となります。[下条]
008満月の小学生ともたった
[ともたったWEB]
2370・姉と弟の雰囲気がいいのですね。むかし、おがんさんが書いていた文章を思い出しました。[下条]
009月の輝く夜に西崎達史
[人生裏目ばっかりよ]
1784・シリーズ物なんだけどこれだけで独立できてるのはさすが。それにしても西崎さん、このごろ平穏でささやかな幸福ってやつを望んでませんか。[下条]
010月に願いを ― 恋のボージョボー人形 ―いずみ
[幸福な人生WayOverYonder]
890・流れのよい文章でいい話なんだけれど、ごめんなさい、団子の消化のしかたで少し笑ってしまいました。雑文祭でいい文章というのは、縛りの消化のしかたが面白い文章と、縛りがないほうがむしろ望ましい文章があると思うのですが、これは後者のような。[下条]
011望んだ世界へテンジ
[無限の足跡]
878・夜空のマラソン。月へ。42.195kmどころじゃない。地上からの解放と郷愁。[おきかげ&けい]
012月に代わっておしおきよ!uemura
[NEWS]
1277・既におしおき済みみたいなので、タイトル見て憤る必要なし。内容への同情の必要もなしだが。[おきかげ&けい]
013ウサギ男あのころ
[ノーブラ主義♂]
296・ネズミ男みたいなのを想像してしまいましたが。かなり短文でお題クリア。これが難しいんですよ![おきかげ&けい]
014満月の下でyadon
[広島で考えた?]
828・雑文祭の傾向と対策を押さえた、キーワード縛り解消法。携帯カメラで演出した文末縛りもナイス。[おきかげ&けい]
015月とすっぽん伊達 田吾作
[-ゴーグル-]
1125・タイトルのことわざとウサギと亀の競争を絡めてお話風に。構成がかっちりしてて好み。結末前の間もいいですね。[おきかげ&けい]
016ぎざぎざの月abi
[midnight lunch]
2129・緊迫感ある物語進行。タイトルと文末縛りの上手い絡み。ススキノによる縛りクリアは道人の特権です。[おきかげ&けい]
017アルテミスの矢しゃあ
[Oasis in the desert]
1452・過去形の連なりで切ない雰囲気。映画予告のモノローグみたい。企画立てご苦労様です![おきかげ&けい]
018月の欠けたることもなしと思えばヤマグチ
[寝ぼけ屋]
1232・小さなくすぐりをちりばめて徒然。最初の流れだと、狼男か月の魔力の話にいっても面白そうですね。[おきかげ&けい]
019満ちる月と欠ける心雨宮春秋
[あまみ屋@本舗]
1320・文末がよくわからなかったですけど、カレーの匂いがする文章には文句つけません。タイトル秀逸![おきかげ&けい]
020月からの贈りもの
[青春狂走曲]
496・甘い甘い恋愛描写の後には、ブラックなオチを期待してしまいます。是非、血とか出しましょうよ!(←勝手な意見です。無視しましょう)月下の二人のワンシーン。[おきかげ&けい]
021月明かりの下の恋人相田しおん
[しおん日々想]
913・うーん。淫靡な匂いがしますねえ。惚れたら負けよ、という言葉を思い出しました。それにしても不思議なのは、どうして若くて奇麗な女性に限って、冴えない中年オヤジに惚れるのでしょう。理解に苦しむところです。[酒崎]
022月と狼千代田
[苔むす]
3773・幼少時代のぼくとおばあちゃんの思い出。これは実体験に基づいた話なのでしょうか。誰もが、子供の頃はおじいちゃん、おばあちゃんとの時間を持っていますよね。ある程度成長すると、その頃を懐かしんだりして。そういった大切な何かが、折りに触れ思い出されるというのはとても素敵なことだと思います。[酒崎]
023月に願いをkasumi
[裏しま倶楽部]
2291・一体、何を願っているのでしょうか。謎は深まるばかりです。うーむ、怪しい。怪しすぎる。本人のキャラもあいまって(失礼な)、さらに謎は深まります。もしかして、世界制覇とか考えているのでしょうか?[酒崎]
024竹の子STMile
[消失点より]
1700・寓話をモチーフにした雑文です。妻でなく、娘にしたところが良い感じです。娘を子供に持ったお父さんはみな、こういった悩みを抱えているのでしょうか。離れても家族の絆は切れないと言います。それがきっと拠り所になるのでしょう。[酒崎]
025高速にょろにょろ家電屋小助
[家電に靴を入れず]
1677・この人のテキストは前から読んでいたのですが、どうにもこうにも理解の範疇を超えています。言葉の魔術師とでも言ったらよいのか、文章の詐欺師とでも言ったら良いのか。ただ、一筋縄ではいかない感じです。嵌まる人はドツボに嵌まり、理解出来ない人は、一生分かり合えないような気もします。無論、誉め言葉です。[酒崎]
026うさぎの夢1096
[GAIKOTSUDO]
634・誰もが、夢や希望を持ちながら生きてます。その夢が叶えばいいのに。そう思わずにはいられません。うさぎさんの持つささやかな夢、それは私たち、小市民が持つ夢と変らないのかもしれません。そして、この作品は自虐縛りがあります。うん、なんで雑文祭に参加する人はそうやって自分を追い込むのが好きなんでしょうね。[酒崎]
027満月の夜に踊ろう茶川
[茶川庵]
2662・うーん。上手いなあ。それが正直な感想です。いわゆる月見や秋といった部分から離れて、きっちりと縛りを消化し、一つの話を作っている。こういった参加作品があると、「やるな、お主!」といった気分になりますね。ところで、やっぱりネット界の和田アキコなんですか?[酒崎]
028追憶の月、沙漠の追求サワラ
[スペルワカリマセン]
2170・こちらも実力者のサワラさんの作品。やっぱり、素直に月見系で来ないだろうなと思ったら、案の定。全然関係ない歌謡界の話にスライドさせています。そうやって話を転がすのが上手い。やられた、といった感じですね。[酒崎]
029研究室ディスカッション-中秋の名月編-Mi-Chi
[べっ、べつに泣いてへんわ]
1011・アメリカ在住のMi-Chiさんの投稿です。日本人とアメリカ人の文化の違い、そう言ってしまえば一言で済むのですが、やはりそれで済まないのが人間ですな。日本人の持つ風情という単語に、アメリカ人は気付いてくれるのでしょうか。あるいは、日本人がアメリカ的、オールオッケーに染まってしまう日のほうが近いのか?[酒崎]
・ほったて小屋には受けました。あの後、知り合いに聞いたら本当なんですねー!いやもう、想像と違ってびっくりしました。た、確かにほったて小屋で作ったものには乗りたくないです。こわ〜〜(苦笑)[しゃあ]
030うさぎとかめ我孫子マッド海上
[偽灰]
608・うさぎの肉は美味いらしいですね。徳川時代も、うさぎ鍋を食ったなんて話はよく聞くし。確かに、生き物の毛や羽をむしるのは、ちょっと辛い気がします。我々はもう、その動物本来の形をしてない切り身や肉の固まりを食するのが当たり前ですし。いやあ、羽むしるのは自分も駄目だな。[酒崎]
031それはなんだったのか若林
[YOMUKA]
1473・行間を読むことを要求される文章ですが、イイ。萩原朔太郎の「よっぱらひの死」を引用して隠微な雰囲気を演出して、上手にラストへもっていっています。やっぱり丸かった、の配置が絶妙でいいですね。そんなに飲んでもできるのか、という疑問もアレですが。[まさと]
032MOON上山達郎
[それはただの気分さ]
4507・ちょっといい話系のように読めてしまいますがよく読んでみるともっと深いテーマのお話です。月光の持つ残酷で凛とした力。凛として生きることを要求するのが「残虐」なんでしょうか。[まさと]
033促進rouge
[奇啓示]
1180・はじめにキーワードだけが読めたので、随分かわったスタイルだなぁと思ってしまいましたが、文字を反転させて納得。ふたつの文節に掛かるように分けられたキーワードを見せるためには上手な方法だと感心しました。話の内容は、まあ嫌いな部類ではないのですが。なぜ、こういう方がダイエットなど気にするのか、などといらんツッコミをしてみたり。[まさと]
034月見る人、月見ぬ人下条
[くだらな随想]
1733・「月見ぬ人」の隠喩がまぁアレですね。それが最後につながるわけですが。そもそも女性の体と月の周期が一致しているのも進化上の理由なのかもしれませんが、まぁ不思議なもんです。やっぱり丸勝だ、で終わらせないところに余裕を見せつけられた思いです。[まさと]
035月のうさぎのリドル圭斗稀一
[かげろふ]
1947・そんな名前はやっぱりちょっと苦しいと思います。正直すぎて笑っちゃいましたが。シュールで、うすた京介のぴゅーと吹くジャガーの世界みたいでした。[まさと]
・題名、内田善美でございましょうか。[STMile]
036天守閣顛末工場鳥
[テキストアイアンワークス]
2067・お宝って、お宝って。もっと金目のものもありそうなのに。両手に持てるだけってのがどのくらいなんでしょう。リアルに想像すると笑ってしまいます。[まさと]
037すべては月のせいはらぐろまお
[消防署の方から来ました。]
1357・月の満ち欠けで狼男になっちゃう人もいれば、血を吸いたくなる人もいるわけで、きっとすべては月のせいなのでしょう。まぁ鏡に姿が写ったのでしたら、あなたは人間ですから、とりあえず安心しても良いでしょうが。「ウサギさんニンジンあげようか?」ってまぁ。そういう所でうけている自分もアレですな。[まさと]
038さざ波おはちう
[流れてゐるのでありました]
466・短く綺麗にまとめています。文末しばりが「丸かった」だったので、苦労されたのでしょうか。「やっぱり丸いのでした」となる方が似合うような感じでした。言うなれば、アンデルセンの絵の無い絵本の世界というか。[まさと]
040少年F麻草
[節足動物園]
1804・こういう世界を構築して見せる力量が凄いです。最初の一文からばっちり決まっていて、楽しく読めました。新井素子の小説の持つようなダークな部分もあります。すべての生き物はすべからくどこかへ飛んで生きたいという願望を持つものなのでしょうか。[まさと]
041どこから見ても丸い上野
[ゆらり。]
1681・破綻しているようで、実は破綻していなくて、現実から解離しているようで、実はそうでもなくて。かと言って本当にそのようなことがあるわけでもなく。[まさと]
042Memories朝倉海人
[漸]
1163・彼氏の友達である「僕」と散歩しても、一歩だけリードして歩いている美幸さん、カッコいいんだけど。辛いよね、惚れてる相手にそういった相談されたら。[まさと]
043my honey咲黒
[ピンクレモネード]
424・ジャイロスコープになっている独楽、あれ、なんていうんでしたっけ。宇宙独楽? あれのまん中に座って世界を眺めているような文章で、ぐらぐらと世界が揺らいでいるような感じがします。[まさと]
044十五夜の夢Mayo
[Graffiti of Sky]
1066・晴れの月夜の母兎がとても艶っぽい。古代の卑弥呼の統治していた世の中って、きっとそんな感じだったのかなぁ、などと思ってみたり。[まさと]
045トンデモ女子高生亜里寿の日記。ウラモモ
[PRIAPUS]
1846・亜里寿は、アリスですよね、アリジュじゃなくて。それじゃススキがジュスキになってしまう〜。ま、とにかく一番キーワードをたくさん盛り込んでくれたのがこの日記じゃないでしょうか。とにかくお疲れさまというか。敬意を表したいです。[まさと]
046うどんの女帝たち(9月16日)下条
[くだらな日記]
811・内情を伺いしることのできる人達にはきっともの凄く面白くて、そうでないひとには今一つ判らないのかも。まぁ某パステル日記の言葉をお借りすれば雑文祭など「内容に関してはエログロ他人弄り時事風俗嘘ハッタリ楽屋落ちうちわうけなんでもあり、ただ筆者がすべての責任を持つ」ということで、うちわうけマンセー、第3者がいろいろいうなやゴルァ、ということで。でも、麺ラルダスには無理がありません?[まさと]
047かぐやもっち
[PLEASURE HOME]
4702・月夜にならばどんな不思議なこともきっと起こり得る、そんな気にさせられる物語。もし竹取物語のかぐやが、あのとき月に帰れなかったのなら、そんな想像をしながら読んでしまいました。[まさと]
048湯殿の名月瑠架
[あんぷれ]
380・豆乳のように白いなめらかな湯の中にいる白いやははだの女は、竹下夢二の美人画のようであります。多用した漢字がうまく活きていると思います。[まさと]
049四角い月saw
[東京ピュア連盟]
318・そんな月ありえない、とタイトルを見て思う。けれどそんなことがあっても…いや、あったらいいなあ、なんて思ってしまう。ね、いつか幸せになれるといいね。[まさと]
050遭遇確率約15万分の1徳田雨窓
[雨谷の庵]
4631・半茶さんしばり(と勝手に命名)をこなしています。また、掛詞しばりも、ほかより一段高いレベルでクリア。ボーパル・バニーは500年前(つまり、今?)のRPG系のゲームのキャラのようで、ゲーム世界に詳しい人なら、こういったコネタをもっと堪能できるかもしれないけれど、そうでない人でもきっと楽しめるかな、と。[まさと]
・地球が滅びる日はいつなのか。どうして人を殺してはいけないのか。その答えは……多分……ないのでしょうか。いろんな意味でちょっと考えさせられる作品でした。[through]
051The world is mine上智
[エニグマのマリオネット]
?????・タイトル元は新井英樹(もしくはくるり)ですね。某超有名漫画のアナザーストーリー。話の展開がちょっと早すぎるのではないかと気になりました。[ピガ****]
052丸いの1匹桐島
[アナザーマッド]
846・眠れない夜のお話。文体がすっきりとしていて読みやすいです。登場するちょっと変わったイメージをもっと突き進めたら面白い情景が見れそう。[ピガ****]
053ムーンライト刑事アンジェリス
[かたはらいたし]
1007・麻薬の取り引き現場を押さえようと張りこむ観月刑事と望月刑事。オチが強引ですねー。[ピガ****]
054秋の夜長に
[それは毒だね。]
998・満月の夜に孤独な青年。内向的な雰囲気は嫌いじゃないですが、オチがちょっとベタかな。[ピガ****]
055同じ空水谷
[君と僕]
2299・漂流譚。シンプルな文体で凄惨なことを書くのってハマると怖いですね。心情描写が少ない言葉で定型のイメージを呼び起こすのは巧いと思います。[ピガ****]
056研究室ディスカッション -概日時計編-Mi-Chi
[べっ、べつに泣いてへんわ]
1220・他のと全然違う雰囲気に最初戸惑いましたが、好きですこういうの。理系エッセイって形態の幻想的なお話。[ピガ****]
057今も思い出すあの月東雲 彩紫
[漢魂<>]
1974・北海道でのツーリングの思い出。印象的なシーンを冒頭に持ってくると興味をそそられますね。「あの頃は俺たちも若かったよなあ」といった雰囲気。[ピガ****]
058武蔵野一色
[雨天の彼女]
1937・「満月の夜に起こったことですからまぁ仕方がないと諦めてくださいよ。」書き出しが魅力的。細かい小物の演出効果が良い。この雰囲気、気に入りました。[ピガ****]
059突いて突かれてツキツキ挽歌電磁ロボ
[酒海肉森]
854・ふざけててテンポのいい文体、過剰な単語。あまり見ないスタイルだと思う。乱暴なイメージ展開が小気味よくて気持ちいい。好きです。[ピガ****]
061紫苑
[おきらくごくらく]
720・主人公の月への思いと、主人公の置かれた現状との対比が朦朧とした陰影となって読む人の心を揺らします。微妙な、そして比喩的な心情表現もバランス良く好感。文間に込められた叙情的な薄靄に浸りたい方にお勧め。[徳田]
062満月の夜にまさと
[今朝方見た夢]
2205・散文的な情景の中で切々と語られる敗北者の想い。しかしそれは序段の内に炎多留的な展開へと堕落し、物語は瞬時に喜劇とも悲劇ともつかない禁断の世界へ。半茶さん縛りも違和感無く消化しています。流石。[徳田]
063よくある話りょ
[POPCORN cafe]
1192・満月の妖しい光に、人は幻想のような一夜を過ごすこともあるのでしょうか。よくある話というものも、月明かりに照らされて語られると、どことなく艶かしくしっとりとした面持ちに見えるのかもしれません。そして始まる恋もある。ちょっぴり大人びた、けれど若い二人の一時を楽しみたい貴方へ。[徳田]
064☆ジュンのパステルお月見日記☆cloud
[on cloud nine]
1652・パステル連鎖とお月見の、混乱と狂喜の交差作文。文章の乱れっぷりと主人公の勘違いっぷり、そして乱れ飛ぶどうしようも無い顔文字の群れが読み手の思考をかき混ぜます。眩暈を覚えつつも読後に何気な笑みが浮かぶのは、やはり根底に流れる文章の骨太さに拠るものでしょうか。[徳田]
065路地裏満月工場鳥
[テキストアイアンワークス]
579・ふと目に止まった小さな自然が、どうしようもなく郷愁を沸き返らせる。そんな止め処もない情感を飾らない素朴な描写のみで一気に綴り切った一文散文。疲れた貴方に一服の清涼剤をどうぞ。[徳田]
066月夜に光る八戸
[鯛流!]
1190・うさぎに誘われて旅立つのはファンタジックな邂逅か、それとも魔女達の饗宴か。うさぎ達の個性豊かな台詞回しが、物語の結末の瞬発力を弾き出していることをまざまざと思い知らされることになります。ていうかキング、カッコイイよお前。[徳田]
067鐘の音、部屋川崎
[冬の日]
729・取り返しのつかない思い出は、なぜいつも満月と共に夜空を巡るのでしょう。哀愁漂う結末の予感を徐々に引きずりながら、しかし淡々とした語り口が読み手の指先に染み込むかのようです。すすきの隙間を吹き抜ける寂しげな秋風。そんな読後感。[徳田]
068月と酔っ払いとノスタルジー水月
[淡冷辛口]
969・日常的な風景の中、いつも繰り返されていそうな愚痴じみた考察。しかしそれも見上げる月の中に溶けていくのか、語り手の鬱屈した思いはいつしか昔懐かしい光景へと誘われる。日常語りを月見のテーマと調和させたバランスの取れた読み物をどうぞ。[徳田]
069長月長月
[トライアンフ]
662・冒頭から起承転結の転を繰り返し、読み手を瞬時に非日常な場に引きずり込んでしまいます。次々と流れ去る展開の中でしかし、親父のどっしりとした存在感がこの不思議な雰囲気を締め上げ、読み応えとなって印象に残るでしょう。っていうか親父、何故死なない。そんな突っ込みもなんということはなく抑え込んでしまう。豪腕文。[徳田]
070満ちて光る月みゆこ
[Que Sera Sera]
1189・何処にも向けようのなく、怒りとも嘆きともつかない、ただ荒れ狂うだけの感情を抱えたとき、人は一体どうすれば良いのでしょう。そこで行われる傍目には狂気としか思えない行動言動もまた、月の膝元では妖しく青白く光るだけなのかも知れません。結末で明かされる小さな小さな事実、それが読み手に何かを残して終わります。[徳田]
071JarreauX-10
[Royal Scam]
1552・Al JarreauはアダルトコンテンポラリーやR&Bの分野でも有名なシンガー。ともすると、「彼はホンマにジャズシンガーなのか?」という危うい意見も出てきそうだが、二転三転と転がる危ういストーリー展開を反映している点で効果的な人選かと。ただ彼が非常にレベルの高いシンガーであることは事実であって、この辺が文末の美しさにうまく重なりあっていると思う。[Mi-Chi]
072人狼と少女といがらし
[WEBSITE]
1283・人が生きるためには誰かを傷つけ、何かを失うことが必須であって、生きることに対する、やるせなさや悲しみをを痛切に伝えている。作品の最後で主人公、ヤリスの瞳からあふれた涙は、悲しみなのか、苦しみなのか、安堵なのか、恐怖なのか...人として生きる業の重さをテーマとした奥深い作品。私的には物凄く絶賛。[Mi-Chi]
073満月の決心TOMOMI
[トモミックス]
1900・愛しい娘の晴れ姿は屈辱的な幕切れだったが、美しい親子愛が心にしみる作品。でも、TOMOMIさん。もしかしてプロレスをほんとに格闘技だと思っていませんか?...試合中、タッグチームのパートナーがレフリーの注意を引いている間に、もうひとりが隠し持っていたスタンガンで相手を気絶させる...そして、すばやくスタンガンを隠し気絶している相手からスリーカウント。こんなときプロレスを知らない客たちはスタンガンを隠した場所を一斉に指差してこう叫ぶんですよ。「レフリー、そこを調べろー」。[Mi-Chi]
074十五の夜サダオカ
[ToNaKye]
2480・美人のススキノさんの取り乱し方が、人間ばなれしていて笑える...ああ、人間じゃないのか。  対する主人公はザトペックで応戦。極め付けが張りぼてアダムスキー型UFO...なぜ張りぼて。小技による面白さを追求した作品。ちなみに盗んだバイクで走り出したりは、しなかったみたい。笑えた。[Mi-Chi]
075月色の石かなみ
[だきまくら]
1689・無能な私には非常に解釈の難しかった作品。永遠に歳を取らない人魚の憂鬱と、気の遠くなるような時間の流れを、とても不思議な描写で表現している。人魚が何を思い、何を感じて少年に自分の涙を授けたのか?美しい月色の石の真意を感じることが出来れば、この作品をもっと深く味わうことが出来るはず。[Mi-Chi]
076小さな月モトミ
[ネムリヤ]
761・恐いです。恐すぎて嫌です(悪い意味ではありません)。中途半端な情景描写がなおさらそうさせてます(悪い意味ではありません)。怒りも激情もなく、静かにやってくる恋の終わりと死...。ナイフや、銃を用いて感情むき出しでやってくるそのパターンよりも、むしろ、現実に近いものなのかもしれないと思うと、夜もおちおち眠れない。←これ、男の意見。[Mi-Chi]
077毎日、月見てます♪
[鴉明太子]
191・実は短い文章を書くほうが、長い文章を書くことよりも難しいことが多い。その場合、最も大切なのは、より面白い状況設定と、そつのないオチをつくることにある。さらに雑文祭特有の「縛りの消化」が加味されると、もはや誰にでも出来るものでは無くなるといえよう。そういった観点から見ても、本作品は非常にレベルが高い。月のうさぎは地球を見ながら月見する...この発想が常人離れしている。筆者は天才?秀才?それともちょっとラリってる?[Mi-Chi]
078告白
[一行日記]
45・まあ、ここまで短いと、お題もろくに消化できなくなってしまう。これ常人。普通の人。[Mi-Chi]
079高原の観光台で
[常在祭中〜じょうざいさいちゅう〜]
684・普通っぽい日常から切り出してきたワンシーン。ただ、満月には星が見えないと言う事実を知らなければ、そんな普通っぽい日常すら書き綴ることはできない。「月見でも良いや」と割り切れてしまうところも、平和な日常ゆえの良さであり、ほのぼのとした印象が心地よい作品。[Mi-Chi]
080天体観測ふじぽん
[プロジェクトF]
1737・実は私、以前から、ふじぽんさんの隠れファンである。普段から活字中毒を読みながら、「んだ、んだ!」と深く同意しているのだが、このような創作系の作文に関してもすぐれた能力があることをあらためて実感。ただ、既出作品「今も思い出すあの月」(漢魂<>東雲 彩紫様)とやや、オチがかぶってしまっているのが非常に残念。後発作品だけにインパクトは薄くなってしまう。ただし、ストーリー展開や文章のまとめ方はすばらしいと思う。[Mi-Chi]
081月見うどんyadon
[広島で考えた?]
951・月見そばとセットで読むのが良いでしょう。月見うどんやカレーうどんは食べたことありますが、月見カレーうどんはたべたことない。確かにカレーうどんを綺麗に食べるのは難しいですよね。焼き肉やさんの紙エプロンみたいなのをして食べるとか。<そこまでしないって。ちなみに、ぼくは寒くても蕎麦はモリかザル派です。[まさと]
082たまごとーや
[秩序なき脳細胞]
765・やっぱりあったんですね、たまご。さて、何が生まれるんでしょう。僕なら恐竜に生まれて欲しいのですが、爬虫類を産むのはちょっとイヤかも。その点、モアはいいですよね。鳥だし、名前からしてあったかそうだし。でも、あまり大きなたまごだと産むのが大変だったりして。[まさと]
083たわけ者の記憶。タクヤ
[BELL BOTTOM BLUES]
1039・嫌なことでもなかなか嫌だって言い出せなかったことって、たしかにありました。それで、ふとしたきっかけで泣かせてしまって。共感できるなぁと思って読んだです。あと、思い出すと今でも電柱に頭を打ち付けたくなるような類の恥ずかしさ、って表現もよくわかるです。[まさと]
084スパイの月見しゃあ
[Oasis in the desert]
3535・じつは実話なんだそうです。いろいろな意味ですごいぞ。でも、やけ食い(野望)が駅そばとあんぱん(3個)とは。あんまり無理しないでくださいね〜。あれ?なんだか感想文じゃないような気もするが、いっか。最後にしゃあさんのところの掲示板でくらりさんが書いていたのをちょっと引用『うさぎも実話!? ひょえー♪』(byDAKARA)[まさと]
085ウサギがすっぽんぽん●○いわい○●
[●○美人(べっぴん)感○●]
501・ススキウサギ、本当にできたら可愛いんでしょうか。どちらかというと、僕はずっとオトナにならない子猫ちゃんを開発して欲しいです。<いや、動物の、ですよ。ところで「足組みかえる系の美人」って、氷の微笑系ですよね。ただ、こういう文章の中にあると、もしかして「足組み蛙系の美人」だったらどうしよう、と要らぬ心配をしてしまったり。[まさと]
086小野蒼三郎
[IN THE RYE]
1332・徳田さんの「ものすごく丸い」( http://amado.acz.jp/amado/?0290 )を思い出してしまいました。どちらも、満たされて丸くなるお話ですから。欲望をすべてかなえてしまった状態というのは、果たして幸せなのかな、なんてことも、ついでに思ってみたり。[まさと]
087かぐや姫ワカサベ
[ギャング]
1339・満月の夜に彼女に死の宣告をするところから始まる物語。たとえるなら O.ヘンリーの短編小説のように、ちょっと哀しい。最後から2つめのパラグラフがとてもきれい。ひとりの人間なんて、とても無力だけれど、記憶というとても大きな容れ物をもっている。[まさと]
088白い幻龍成
[D-Point]
1832・彼という三人称を、僕という一人称に置き換えて読んでしまいましたが。子供からオトナになることで失うものがあるのを知りながら、それを赦せない自分がいます。あの頃にかえりたい、というのは人類に共通する呪文のようなものなのかもしれないです。[まさと]
089月齢団子まゆ
[行きつ戻りつ陸の上で暮らす魚]
1414・氷下魚(こまい)は北海道の名産でしたっけ。最初の描写で日本酒が欲しくなってしまいました。ねぇ、うさぎのくいもんより酒、酒。そして、いつも通り楽しく酔って目が覚めてみたら、ソレ。ええ、笑いますとも。いいなぁ、この二人と一緒にお酒のみたいです。[まさと]
090鴨川恭介
[儚FREEZE]
1240・昔通い慣れた道に、なんの気無しに迷い込んでしまってから、はっとする。逢いたいけれど、逢いたくない。秋のものさびしい雰囲気がよくでていて、こういう話に共感する人って多いんじゃないかと思います。全然感想じゃないけど、なんか最近、紅葉饅頭ばりにいろんな味の生八つ橋がでていて変な感じですが、一番のお気に入りはプレーンの奴(餡のはいっていないやつ)です。団子みたいな生八つ橋で「おまん」という商品があったと思うのですが、今はないのかな? たしかあれは、やっぱり、丸かった。[まさと]
091すやの栗きんとん。あーのるど。
[スキトキメキトキス]
557・郊外道路の、両脇に延々となにも見るべきものがない景色は嫌いではありません。そういう漠然とした風景の中に一つだけ訪れるべき場所があるっていうのも好きな感覚です。[おきかげ&けい]
092最後の逢瀬シンゴ
[29 x THE PAIN]
804・この頃になると、「満月の夜に」のあと「恋人」とか出てくると、正直くじけそうになります。でも、これは月下の逢瀬と、ゼロ戦から見下ろす場面の対照的な構図が印象的した。前半に後半の世界観が被っていなくて、やや唐突な展開に戸惑いましたが。[おきかげ&けい]
093渚のシンドバッドクニ
[重力]
1654・タイトルで超好感もちましたが、ケイちゃんももミーちゃんも出てこない上に、その歌詞違うじゃん。なにそれ。(←勝手なご意見)内容が若干かぶっていたため、一つ前の雰囲気を引きずって読んでしまって、しばらく波長が合いませんでした。シリアスに読んでたら「うそーーん」とか言われるし。[おきかげ&けい]
094月下奇譚むしまる
[筆先三寸]
3325・老婆によるあやしの語り。うまい。見事。[おきかげ&けい]
095延命堂旅日記ぎっしゅ
[百万虚空]
1700・常日頃から下半身ネタしか書かないという縛りを課しているっぽい方の月見雑文なので、ある意味、人よりも厳しいルールで書いてます。本人が解説しているとおり、確かに下品ですが、エロの魅力は感じません。[おきかげ&けい]
096満月の理由工場鳥
[テキストアイアンワークス]
570・追加縛り入りで、納得のショートエッセイ。確かに、ワビサビの日本人好みは三日月っていう気がします。もう一つ、三日月団子と満月団子を並べられたとき、そりゃ、満月団子を買うよな。お得感が違うもん。という消費者側の理由もあると思うが如何に。[おきかげ&けい]
097望郷大神少尉
[罫線引きの銭失い]
430・実に面白いモチーフです。ここでは、スパッと短くまとめて、アイディアをメインにした文章になっていますが、その後の顛末も想像すると楽しいですよね!関係ないけど、今回の雑文祭のお題はテーマとあわせて、あまりにまとまっていて、逆に工夫の余地がない気もしました。[おきかげ&けい]
098輪廻ラビット〔問題篇〕ピガ****
[ピガ****の象使い入門]
10024・解答編とセットの挑戦型ミステリー作品。のようです。ごめん、謎解きやるだけの余裕はないので、ここではこれくらいに。誰か!代わって感想を!しゃあさん!主催![おきかげ&けい]
099さようならみドり
[芸妓魂]
306・改行にこだわりが見られる、詩的なリズムの文章。雑文読みで思考の均衡を欠いた私は、思わず文頭を読んでしまいました。一見、別れの予感漂う感傷的なモノローグですが、場面を想像すると別れた直後、イキナリ団子を捏ねているわけです。ギャップが可笑しい。[おきかげ&けい]
100乳房X-10
[Royal Scam]
858・タイトルどおり、オッパイの描写で縛り消化なわけです。月下の恋人の静かな描写ですが、あちこちに謎をちりばめたような書き方で、なにか基になる設定があるのでしょうか?[おきかげ&けい]
101月夜に流した涙の訳瑠架
[あんぷれ]
2022・タイトルの悲壮感に騙されて、改まって読んでしまいました。お題のウサギは何匹も消化されていたし、随所でくすぐりが入るのも楽しかったです。確かに救急車にバリアフリーないよな。怪我人じゃなくてもも一度乗ってみたいものだ。[おきかげ&けい]
102月のあれこれココロ社
[ココロ社]
1084・おしい!機は熟した「。」だよなー。でも、いいね!一文縛り。納得できる接続詞でどこまでお題を消化できるか。こういう仕掛けをつくるテキストは好きです。[おきかげ&けい]
103たったひとりの祝勝会川野太一
[9/2の空]
1343・語られるシーンの背後に見える設定が、すこし古めの良質なマンガの題材みたいな雰囲気でとても魅力ありました。筆者は野球好きな方なのでしょうか。ちなみに、私的には、月=ユエさんはカードキャプターの方でおなじみなので、なんか、感想に異物が入ったかもしんない。[おきかげ&けい]
104ペドフィリア・ロマンティカ フネコ
[あばら骨心中未遂]
1499・冷徹などす黒さ、いやどす黒い状況を素っ気無く語る奇形の魅力というものは確かにあります。魅力っていうか、インパクトっていうか。要は作品の濃さ。月の物狂いっぽいニュアンス。[おきかげ&けい]
105ボタントツカ
[インベンティブマニア]
485・殺人現場で月見。現場検証を日常にしている男達の、現場を前にしたシラケた雰囲気が漂ってきます。これ辺のニュアンスが面白いので、その後のストーリーがお題解消に終始してるのが残念。[おきかげ&けい]
106丸い、月。豊田いすず
[774]
1463・一瞬、すわ、世紀末の地球SFものか!と思ったけどちょっと違いました。伏線がそれっぽくうまいのでドキドキ読めます。行き着く先が分からない面白さ。そのドキドキ感の期待も外れませんでした。あと、先生は何の授業を教えていたんだろう。[おきかげ&けい]
・語られる光景を読み進めるうち、なぞが沸き起こり、それが解決すると同時に、ストーリーが終わる。ストーリーを読み終えて、美しい花火を見たような感覚を覚えました。締めである、丸い月も、縛りであることすら感じさせず、とても美しく感じました。[フェネック]
107since成生行人
[成生書店]
813・何気ないヒトコマの描写ですが、雰囲気あって好きです。個人的に前半がいいね!って感じでした。タイトルのつけ方などもセンスありますよね。それにしても、今回の縛りで「団子」というのは結構バリエーションあります。[おきかげ&けい]
108キッスは目にして…谷村
[波乗り吾郎]
1308・つまり、”僕が幼女趣味に走る理由”というテーマなのでしょうか。一人称で惨いいじめ体験を語っていますが、ストーリー性はないのでイメージ重視という感じです。[おきかげ&けい]
109FOOL ON THE HILLハイジ
[自慰]
1654・札幌から函館。300キロ強。タクシーですか?なんか微妙に体験が入っていそうな内容でしたが。たまに、すすきのに幻想を抱いている方が下りますが、値段以外については東京の方が上だと聞きます。[おきかげ&けい]
110月は紅に輝いてkasumi
[裏しま倶楽部]
2082・覚醒前の吸血姫美夕じゃないけど、なにやら漫画の連載第一弾みたいなお話です。人物の名前の付け方なんかも、それ系なんじゃないの?とにかく、私の中では、垣野内成美のイメージでした。[おきかげ&けい]
111彼方へジャッキー大西
[大西科学]
2249・前作に続き、一瞬、ひかわきょうこのマンガを思い出しましたが、古典的な匂いのするSF短編でした。シチュエーションは作文なんでしょうか。作りこまれていて、雰囲気ありました。いいね![おきかげ&けい]
112書割の満月ひろし
[れんらくちょう]
2642・タイトルにシニカルな意味合いがあるのでしょうか?でも、私の感想は、幸せな家族の肖像、です。たまにストーリーにどう絡んでるのか分からない思考描写が入るのが不思議です。ところで、いくらんんでも、うどんとそばっていう注文は変じゃないか?[おきかげ&けい]
113月見そばyadon
[広島で考えた?]
1103・ポンポンポンっと軽快な語り口で、コミカルな一幕。面白いです。まさに月がたくさん。この辺のセンスも遊び心あってよいですね。ところで、乱視の私は、両目で月を見ると10個くらい見えます。[おきかげ&けい]
114月を捕りに雨沢夕子
[Frozen Rain Drop]
6098・静かな幻想。こういう雰囲気を維持しつつお題消化っていうのが、雑文祭の色ですよねぇ。マイペース。そして上質!←必読!いくつかの作品がところどころ繋がってきて、frozen rain dropの世界ができつつあるようでイイ感じです。はかない幻想世界ですが。[おきかげ&けい]
115仇(かたき)射ちにて候。Doctor T
[開業医の一日]
2402・そう、満月の背景が似合う場面としてはそういうのもありますよね!講談っぽい語りで、ストレートな母子による仇討ちの一幕。15、6歳で女児っていうのに違和感ありましたが、冒頭の場面には女児がマッチしますね。[おきかげ&けい]
116兎の丸い…ろう
[しょうもな文]
1186・ちょっとした用事でちょっとばかり家庭を離れてちょっぴり羽を伸ばすサラリーマン。しかしそこには予想だにしない罠が。文章の行間から滲み出る、妻への愛情が微笑ましい、そんな風景でした。ていうか恐妻家なんですね?[徳田]
117お月見の思い出桜樹とも
[さんぽみち]
3717・子供であったときの、子供なりの思い出というものには、何処か切なさを覚えるのは私だけでしょうか。子供なりに思い出を再現しようとするそのいじましさが、淡々とした語り口調で読み手を引き込みます。私が父なら、間違いなく泣いていることでしょう。[徳田]
・桜樹父様の後姿にほろりとしてしまいました。[茶川]
118天敵うねうね
[うねうね]
1680・自分にとって苦手な人というのは何処にでもいるものですが、その苦手な人の意外な一面の発見はいつでも楽しい小話なのかも知れません。何処となく愚痴っぽくもある日常語りは、しかし嫌味なく読み手の笑みを誘います。ともあれ恋する乙女に敵う者なしということで。[徳田]
119某国につき、日方和
[esquisse]
3665・某国視点による日本観(と一部の人々の間で言われているもの)を逆手に取って、辛味のジョークに仕上げています。それにしても某国の口調を良くもまあここまで再現したものだと、正直感嘆させられました。いや、まじで信じてしまいそうです。月見日本陰謀説。[徳田]
120まんげつ
[田舎の雑居ビルディング]
678・風情のある男と女の関係は、朧月の夜にはより一層艶やかに思えます。淡々としたそっけない文体が二人のシンプルな関係を冷静に描き、それはどこか影絵芝居のような様式美を思わせます。それにしてもどうして着物女性のあの尻のラインはあんなにも我々男性を魅了するのでしょうね。[徳田]
121イドの満ち引きろう
[しょうもな文]
189・印象的な風景描写を用いた叙情と思わせておいて、最後のオチで読み手を嘲笑います。個人的な文頭縛り&文字数縛り、そんな制約の中でありながらネタをきっちり消化する力量に脱帽です。ていうか、マゾですね?[徳田]
122馬鹿ウサギと俺 〜前編〜ザル
[ザル記]
900・身近であればあるほど、その価値の大きさを失ってから思い知らされる、そんな経験は誰にでもあるのでしょう。シュールな状況に対する、しかしどことなく冷静な主人公の突っ込み加減が、読み手を飽きさせることなく物語に誘います。そして物語は後編へ。[徳田]
123馬鹿ジジイと俺 〜後編〜ザル
[ザル記]
902・前編で自身の真の気持ちに気付いた主人公に、心強い味方が現れます。しかしそれはちょっとした勘違いでした。前編に引き続き小気味良いテンポで、今度は爺の魅力が炸裂です。心和むハッピーエンドは秀逸。[徳田]
124恋する惑星広島
[アクメ]
540・心構えをする暇もなく、読み手は瞬時に未知なる非日常の世界に叩き落されます。有無を言わせない極太の文章と、次から次へと繰り出される妙味な展開とで、物語は最後まで緊張感を持続したまま突っ走ります。先輩への愛を語り切ったその豪腕ぶりに喝采を。[徳田]
125小さな袋きだ
[さすらい万歳日記パート2]
4324・父親のやり場の無い愛情は、憎しみとなって月夜をさ迷うしか無いのかも知れません。前半で語られた娘への想いが中盤の急展開で断ち切られたとき、この物語は解き放たれた一本の矢のように読み手を駆け抜けます。謎めいた冒頭が、読後は物悲しくも猛々しい情景に彩られます。[徳田]
126月のうさこthrough
[through and through]
5789・若い二人の間に流れる小さな物語の甘酸っぱさにいつも混じっているほろ苦さは、若さゆえのスパイスなのでしょうか。主人公の素直な日常視点が捉える、うさこの心の微妙な起伏が、読み手の心にじれったさを伴って染み渡ります。二人のその後が、それぞれに幸福であったことを、祈りたくなる。そんな小風景。[徳田]
127月に向かって打て尚江
[鉛飴]
718・題名はそのまま内容を言い表していますが、そこに込められた世界は何故かSF的でもあり非日常的でもあります。主人公の放つすっとぼけた球音が、この何処かしらコミカルな空間を和ませます。そんな風景を見守る彼女の人の心優しさには、人としての強さを見たような気がします。[徳田]
128月夜は踊る、そして饗宴りゅうふい
[Leftovers of SUN]
2073・魅力的な登場人物の、しかし何処と無く日常離れした会話が面白おかしく読み手の笑いを誘います。テンポの良い会話文は、トントン拍子に物語を展開させ、あらぬ方向に向かわせます。ていうか主人公、モテモテですな。[徳田]
129月と魔法とあなたと笑顔篠原和泉
[風の舞う丘亭]
1962・可愛い動物達がメルヘンを演じます。恋するうさぎの優しさは、悲しみに暮れる少女の笑顔を取り戻せるのでしょうか。童話然としたシンプルな記述の積み重ねが、月夜に染まった幻想的な風景にほのぼのとした生命を吹き込んでいるかのようです。読後、貴方は知らず知らずのうちに微笑んでいることでしょう。[徳田]
130Wolf尋 深耶美
[目指せ!世界征服!]
2857・鋭い眼光をギラギラとさせた獣達がハードボイルドを演じます。満月の夜の孤独を背負って立つことはできるのでしょうか。不遇な境遇からの脱出、仲間や恋人との出会い、そして自立への道。渋くそして冷たく、満月は彼の未来を照らしているのかも知れません。[徳田]
131月夜の罪人kageto
[About Iksar Life]
2924・日常的な風景から話は季節外れの怪談へと発展し、とうとう最後にはSF的に展開します。様々な要素をバランス良く盛り込んだ構成が、読んでいて飽きさせません。個人的には友人のその後が無事だったのかどうかが気にはなっています。[徳田]
132月の見えぬ間にはらぐろまお
[消防署の方から来ました。]
4332・プロット破綻雑文祭とお月見のお題との両方に同時に挑んだ意欲作。なんにしても脱獄を防ぐための手段に関するアイデアが秀逸です。そのアイデアを上手く利用した脚色と、一見荒唐無稽なオチとが読み応えある物語を演出しています。[徳田]
133帝都半茶
[半茶]
217・「縛り全部が反則」という縛りで挑んでおります、という著者の言葉がこの作品の全てを物語っていると言っても良いかも知れません。常に良い意味で読者の期待を裏切り続ける、そのサービス精神には脱帽です。古文調の文体が演出する古風さは、しかし子供の台詞の残酷さとあいまって微妙な滑稽さを感じさせます。[徳田]
134月見ごく
[プラスチックガーデン]
719・無理が通れば道理が引っ込むという諺を思わず思い起こしてしまいそうな、そんな内容でした。事実の大筋だけを無感情に書き上げるスタイルが、その子供の空虚で無邪気な心情であるかのように、読み手を捕らえて放しません。行間から滲む悲しいその喜劇は、どこか切ない思いを抱かせます。[徳田]
135同じ月fim
[河よりも長くゆるやかに]
691・月を見上げてこの一年を振り帰ると、そこに見えるのは過去の反省と新たな決意なのでしょうか。飾り気のない独り語りは淀み無く、するすると読み手の心に流れ込んできます。去年とは違う自分と、去年と変わらぬ月。その対比の陰影に思いが滲んでいるかのようです。[徳田]
136ヒゲとボインの日々田中
[ROCKMAN]
1217・月夜には、過去との再会が似合います。主人公の抱くそこはかとない無力感と渇望が、秋風に吹かれているかのように寒々と綴られます。再会で得られたものは、探し求めていた安らぎなのでしょうか。それとも、更なる絶望だったのでしょうか。[徳田]
137帰宅大坪五郎
[大坪家の書庫]
1268・気だるい夕下がりの職場、やる気もなくぶつぶつと独り言をつぶやくその姿は、悲しくもあり滑稽でもあります。脈絡も特には無いような、そして何処かしら思考の破綻したようなそんな独り語りが、それでいてごくごく平凡な日常を描き出しているところに妙味を感じます。それはともかく、天然ボケの才能は偉大ですね。[徳田]
138大神少尉
[罫線引きの銭失い]
659・切ない想いに心も身体も翻弄されながら、しかしどこかしら冷静な自分との自問自答を繰り返した末の決着は、一体どこに行き着くのでしょうか。細やかな指先の動きの描写が、主人公の心の機微の映し鏡となって読み手の生唾を誘います。月の青白い光に揺れる湯面に咲く、その華の真意は語られぬままに物語は幕切れます。[徳田]
139川本
[花式]
5298・狂気を呼び込む満月が沈まぬものとなったとき、男の運命は決まってしまっていたのかも知れません。偏執的に繰り返し繰り返し書き殴られる満月の囁き声が、この一種幻想的な風景を、病的な色合いで塗り込めます。最後の一夜、男の見たものは果たして幻覚だったのか。それとも恐るべき真実だったのか。[徳田]
140思ひ出あくあ
[A PIECE OF CAKE]
989・赤い月にまつわるお話から膨らんだ少年時代の妄想は、その後の人生に影響を与えていたり与えていなかったりと様々でしょうか。小ネタを軽快にさらりと書き流しつつ、しかし何時の間にか話の本末が転倒しています。少年のちょっぴり錯乱気味の思考回路はどこかしら読み手の笑みを誘います。[徳田]
141月当番大神少尉
[罫線引きの銭失い]
1608・何の気無しに引き受けてしまったちょっとした仕事のつもりのものが、実は大きな冒険への第一歩だった。そんな大げさなものでは無いですが、日常的な風景からあっという間にSF的に話が飛躍する展開力が見事です。縛りの消化を、大いなる勘違いネタとして物語のツボに据えるところなど、細かな仕掛けが流石です。[徳田]
142満月の夜に。えぞ鹿
[左を向いたらサヨウナラ]
6563・欠けたものを心に秘めた者が、欠けのない満月を見上げたときに抱くのは、果たしてどんな想いなのでしょうか。叙情的に切々と語られるそれぞれの思いが、小出しにされる断片的な事実に重ねられて、読み手の心を引きこみます。そして冒頭の幻想的な情景は、いつしか悲しみと慈愛に満ちた祈りの風景として月光の中に焼き付くでしょう。力作。[徳田]
143爆撃機XBX−36Doctor T
[開業医の一日]
2629・プロは冷静にかつ正確に、自身の役務を遂行する。細かな描写と整然とした文体が、そんなプロの心意気を飾り気なしに綴ります。何を語るわけでもなく、しかし不思議と読み飽きない。骨太の文章をお好みの貴方に。[徳田]
144旅立ちの日に まさと
[今朝方見た夢]
1312・サンゴの産卵のエピソードから語られる、海と夜空の類似性についての考察は、何時しか旅立ちへの決意として昇華します。悠々とした文体は飾り過ぎることなく、しかし淡々とし過ぎているわけでもなく、バランス良く語り続けます。SFモノですが、どことなくその叙情的な雰囲気が詩を思わせます。[徳田]
145茂みの中でぼさ
[ぞうはな]
1154・異国での思わぬ出会いが、今後の人生に大きく影響する。そんな予感を思わせます。ある意味直球勝負、ぶっきらぼうな俺語り口調が肉欲のおもむくままを綴ります。さてこの後の二人、一体どうなるのでしょう。[徳田]
146まあるい よるわいわい
[@がけっぷち]
961・月に誘われるようにして歩く鴨川の夜は、色々な妄想を去来させるのかも知れません。軽快な口調で時に暴走しつつ、散歩道の思考はふらりふらりと右往左往します。くだらない物思い、それこそが風流の最たるものだと私的には思うのですがどうでしょう。[徳田]
147うさぎの贈り物フェネック
[白いシーツ]
3871・辛い出来事の直後、落ち込みがちな自分を励ますのはやはり他人の温かな心遣いなのでしょう。現と夢とのエピソードを交互に綴りながら、主人公の心情の徐々の変化が丁寧に書き上げられています。現で貰った贈り物と、夢で貰った贈り物と。心温まる小風景。[徳田]
148たおやかな月まりりん
[TM−CAT倶楽部]
517・独り静かに満月と語り合う、そんな一時こそが豊さというものなのかも知れません。詩的な表現で言葉少なに、主人公の物思いを紡いでいます。点から満月へ。それは幸せの軌跡なのでしょうか。[徳田]
149僕たちの旅立ちまゆ
[行きつ戻りつ陸の上で暮らす魚]
1222・旅立ちの間際には、これからへの不安と新しい世界への希望とが入り混じり、独特の色合いをそのひとときに添えるのでしょう。旅立ちの風景を丁寧な記述で叙情的に書き綴りつつ、しかし微妙な違和感が結末への伏線としてオチを引き立てます。まさとさんの「旅立ちの日に」と併せて読むと不思議な情景が響き合うかのようです。なんとも絶妙なシンクロニシティ。[徳田]
150spiral ensembleヨザ
[smile 100hectare]
2049・過去となった友人に怯え、過去からの使者に怯え、主人公の苛立ちにも似た感情の吐露はやり場無く物語に充満します。表現を変え何度も何度も繰り返し吐き捨てられる叙情が、読み手の胸を次第にきりきりと締め上げるでしょう。そして緊張の度合いは高まったまま、物語は予言通りに唐突な終わりへ突入します。[徳田]
151まる
[The lunar orbit]
20464・戦争と陰謀とクーデターと。そんな苦しみに満ちた世界にたった独りだけ存在するその彼女の能力は、世界を変える唯一の可能性だったのでしょうか。恐らく参加作品中ではもっとも長い物語。多彩な人間関係の一コマ一コマを逐一描きながら、やがて一つのテーマに結実します。受け継がれた能力と、仲間達の意思。それらは可能性の両輪。[徳田]
152月子まりりん
[TM−CAT倶楽部]
1282・母と二人きりの生活が当たり前と思っていた、そんな日常がゆるゆるといつまでも続くと思っていた。平易で飾りの無い文章で小さな風景を描きつつ、そこに込められた彼女たちの思いを細やかに浮き彫りにしています。すれ違いかけた二人の気持ちを繋いだのは、やはり月の魔力だったと思ってもいいのでしょうか。[徳田]
153いつものドジが起こした小さな事件Bun
[Bunのお部屋]
3204・一つのことに熱中すると他のあらゆる全てを忘れてしまうというのは、ちょっとしたエピソードにはもってこいの特技でしょう。昔の自身の思い出を振りかえりながら書き綴られる光景は、どこかしら馴染みのある懐かしい情景となって思い浮かびます。それにしても全く、ドジもここまでくればかなり立派です。[徳田]
154月玉上田雅目
[next gate]
4645・不思議な不思議な月玉のその正体は、存在意義は一体なんなのでしょうか。そんな読み手の興味をじりじりと引き伸ばしつつ、話の規模は月玉と一緒にどんどん膨らんでいきます。ラストの仕掛け的な伏線を効果的に用いたオチもイイ感じに決まっています。[徳田]
155覚醒巻河
[モコマ]
2416・ふと目に入った月の光に誘われるようにして、独りきりの月見を始めてしまう。孤独が孤独であるためには何かを基準にせざるを得ないとでも言えばよいのでしょうか、そんなふわふわとした感覚が、唐揚げの影にこもります。しんみりとした、しかしどことなく自嘲じみた滑稽さに彩られたひととき。[徳田]
156女友達しゃあ
[Oasis in the desert]
3169・親友といえば月並みですが、心の友と言い切ってしまえばそれは何故か泥臭い。なんのことは無い、何処にでもあるような二人の会話の端々から、書き切れないであろう感謝の思いが滲みます。日常に様々な人の感謝が満ちているかのような、そんな小風景。[徳田]
157月灯りふんわり落ちてくる夜は安東昼彦
[Daily Hiruandon]
2402・父親になって初めて味わう思いは子供たちの上に注がれる愛情の大きさと等価なのかも知れません。日常的な風景の中に細々と詰め込まれたささやかな幸福感が、読み手を次第に和ませるかのようです。思えば年を取ったものだ。しかしまだまだ、年を取り続けるこれから。[徳田]
158采女(うねめ)さんの実力は疑問だ兼子鐡史
[ひよこ牧場]
2009・采女神社にまつわる話からその御利益(?)の解説、そして采女祭の雑感へと続き、最後は綺麗に落としています。雑学的な読み物としても、ちょっとした小話としてもまとまりがよく好感。それにしても采女神社の御利益、なんとも胡散臭いですね。[徳田]
159鬼のいぬ間になにする?かの
[かのの日常茶飯事]
1471・お月見とはまったく関係のない内容に意表をつかれますが、それでも笑いを誘われながら読み切れてしまいます。日常語りで、某社の製品へのツッコミを、容赦なく書き散らしつつ強引に切り結びます。ていうか、何故に洗濯機?いや、面白いからいいんですが。[徳田]
160「踊るぽんぽこりん」〜性懲りもなくくだらな締め雑文〜しゃあ
[こっそり月見雑文祭]
1168・何かが終わるということは、それが例えどんなに些細な物事であったとしても何がしかの感慨をもたらさずにはいられないものなのでしょう。こっそり月見雑文祭の総括、悲喜こもごもの謝辞がこんこんと綴られています。1ヶ月間お疲れ様でした。[徳田]
登録総数158総文字数285380