雨谷の庵

[0384] 戦争ゲームやろうぜ (2003/11/01)


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引き続きゲーム談義。

ということでゲーム内での戦争について考察してみよう。
戦争とは言ってもゲームの話な訳で、ゲームの中でプレイヤーがリアル死することはない訳で、
どちらかというとルールに則ったスポーツのようなものだと思って頂いた方が正確ではある。
もちろん、リアルでの戦争との類似点などからある程度の戦争に関する知見を得ることは
できるだろうが、そういった論議が真剣に出来る程にシミュレーション性が高いわけでもないと
いった感じであり、そういう意味も込めて前回は戦争のことを「大規模対人戦闘」と称して
みたりもした次第ではある。
これについて、もうちょっと詳しく私見を掘り下げてみよう。

まずは大規模対人戦闘の、ゲームとしての位置づけをはっきりさせておきたい。
非対人戦闘といえばコンピュータとの対戦であり、普通のご家庭用ゲームで一般的でもあり
馴染みも深いだろう。
小規模対人戦闘というと、ストリートファイター2やバーチャファイターなどのいわゆる
格闘ゲームや、各種レースゲーム、野球ゲームなどでの対人モードなどが既にあるわけで、
こちらはゲームセンターなどで一時期隆盛を誇ったりもしていた訳である。
また、つい最近まで流行っていたカードゲームでの対戦も、小規模対人戦闘に含むべき
ものであると言ってよいと思う。
これらに対して大規模対人戦闘というジャンルがあるとすれば、それはネットで繋がった
ゲーム空間の中で行われるもの以外にはありえない。
もちろん、ネットでのゲームにも対人戦闘の存在しないお子様向けのものも存在するわけで、
それは大規模非対人戦闘ゲームと呼称しても良いわけだが、現状を見渡す限りだとそういった
ゲームはキャラクター育成機能付きチャットソフトといった域を出ないようでもある。
そうしたゲームではアイテムもレベル上げもモンスターもすべて話題とネタの為に存在し、
ゲーム内でのチャットを盛り上げるための要素でしかない。
ポストペットというものが一時期存在したが、特性や楽しみ方はアレとほぼ同等である。

以上見てきたように、大規模対人戦闘ゲームは既存のゲームとは別種の特性と楽しみを
提供し得るものであるわけだが、それを特徴付ける要素とも言うべきものが6つあると
私は考えるようになった。

1. 役割分担

 ゲーム内のキャラクターの戦闘性能に種類がある場合、それをどう活かすかが戦時に
 問われる場合がある。
 戦時には攻め手、守り手、搦め手、偵察などの役割分化が考え得るわけだが、それが
 どの程度はっきりしたものになっているかということが、そのゲームでの楽しみ方の
 基本にあるのではないかと思う。

 役割分担:高→様々な楽しみ方があり奥が深いが、役割によっては面白みが薄れる可能性有。
 役割分担:低→楽しみ方は均一になりやすく飽きが早いが、みんなで同じように楽しめる。

2. 戦線復帰

 ゲーム内で死亡した場合に戦線復帰するにはどうすれば良いかという問題は、非常に重要で
 ある。戦線に簡単に復帰できてしまうと死亡という状態が全く戦況に影響しなくなるので、
 死亡状態には戦争状況に対して何らかのペナルティが課せられる必要があるだろう。
 また、戦線復帰は同時に戦力の新規供給を意味するから、戦線復帰の方法によって戦闘拠点の
 あり方がかなり影響を受けるようだ。
 もし、戦線復帰が不可能なルールであればそうした問題は無くなるのだが、それはゲームと
 しては問題があるようにも思う。
 ゲームでの大規模対人戦闘がスポーツに近い様相となるのは、戦線復帰が可能であるから
 こそということでもある。

3. 勝利条件

 勝利条件が無ければ勝敗を決することが出来ないわけで、またどのような条件かでどう戦うかが
 決まってくるわけで、これまた重要な要素であると言うべきだろう。
 勝利条件には大きく分けて「得点条件」と「時間制限」の二つの要素が組み合わさる。
 得点条件とは、どうすれば自軍がアドバンテージを得るかということを取り決めたもので、
 例えば敵軍の特定地点を破壊するとか、ある地域を一定時間占拠するなどがそれに当たる。
 この得点条件の複雑さは、逆転可能性と関係してくるようだ。

 得点条件:複雑→逆転の可能性が残りやすく、戦況が緊迫する。ただし、戦局が複雑化しやすい。
 得点条件:単純→目的がはっきりしており戦いやすいが、一度決した戦局を覆すのが困難になる。

 これに時間制限があるかどうかで戦争の色合いが決定付けられるようだ。
 時間制限ありの場合には、よりスポーツ的な色合いが強くなる。時間制限なしの殲滅戦の方が
 実際の戦争に近くはなるが、戦力が拮抗した場合に何時間も戦い続けることになってしまう。
 まあ、これは好みの問題かも知れない。

4. 地形効果

 リアルの戦闘では地形効果が戦術に大きな影響を与えるわけだが、ゲームでもそれは同様である。
 地形には山や川などの「自然的要素」と建物による「人工的要素」の二種類に大別でき、それらの
 効果は主に「高低差」と「侵入不可」といった形で局地的に影響すると考えて良いだろう。

 自然的要素の効果:高→地形の有利不利を考慮した戦術を採らなくてはならなくなる。
 人工的要素の効果:高→建設などの役割をいかに活用するかが戦局を左右する。

5. 移動手段

 ゲームにおける移動手段で特に問題となるのは、ワープの有無である。戦時中に形成されるであろう
 拠点間の距離は、大局に大きな影響を与えるはずであるが、このワープが存在するとその色合いは
 薄れてしまうからである。

 ワープ:有→大局的な戦略は不要となり、戦術的な楽しみ方がメインとなる。
 ワープ:無→大局的な戦力移動が戦局に大きく影響するため、戦略的な楽しみも加味される。

6. 拠点形成

 戦力を投入すべき地点には自然と人が集まるため、そこは戦略上の拠点となる。拠点には、勝利
 条件上の必要性から自然と発生するものや、地形的な有利さから発生するもの、復帰方法から
 自然と形成されるものの、だいたい三種類に分類してよいだろう。
 拠点形成の原因が多様であれば多様であるほど、戦局は流動的で変化に富むものになり、逆に
 拠点形成の理由が希薄で単純なものであれば、戦局は硬直的なものになるようである。

それでは、これらのポイントに沿って、私の経験したゲーム内戦争の特徴を比較してみることにする。

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[ヘルブレス(全面戦争)]

役割分担:低(ほぼ誰でも様々な役割をこなせる)
戦線復帰:死亡の場合、自陣に強制送還され、5分間は出陣できない(その間は防衛に専念)。
勝利条件:得点条件の複雑さ中。時間制限なし。
地形効果:自然的要素無し、人工的要素有り(戦時の建築ルール有り)
移動手段:ワープ有り
拠点形成:勝利条件上の拠点、地形的拠点(建物)

ヘルブレスの戦争の特徴はなんと言っても戦時の建設ルールだろう。ワープ有りのため大局的な
戦略要素が薄く、戦局は戦術的な勝敗にかなり左右される訳だが、建物はその戦術に非常に大きく
影響するからだ。
戦術メインのルールで役割分担があまりないということは、個人個人のキャラクター操作の上達度が
戦局に与える影響がかなり大きいとも言える。勝利条件の複雑さも程々なので、不利になっても
最後まで逆転を狙って緊迫した戦いが繰り広げられることが多い。
時間制限も無いので、勝敗が決するまで一人一人が必死に戦わなければならない、非常に疲れる
戦争であると言えるだろう。
ただ、拠点形成の面で多様性が低く(勝利条件上の拠点と地形的拠点は一致していることが多い)、
役割分担の低さとあいまって、戦況がマンネリ化し易いという特徴もあると言える。
それでもまあ、あまり難しいことを考えずに目の前の敵をぬっころすことだけに専念できるので、
そうした殺伐とした状況を楽しむというのが正しい態度なのかも知れない。

結論:ヘルブレスの戦争は殺伐系。でも凄く疲れる。

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[ドラゴンラジャ(局地戦)]

役割分担:中(職業により攻め手と守り手がはっきり分かれる)
戦線復帰:死亡の場合、特定職業(僧侶)に復活してもらうまでは幽霊状態(戦線非参加)となる。
勝利条件:得点条件の複雑さ高。時間制限あり。
地形効果:自然的要素、人工的要素ともに無し
移動手段:ワープ無し(システム上は存在するがユーザ間合意で禁じ手とされている)
拠点形成:勝利条件上の拠点、復活拠点(僧侶)

ドラゴンラジャの戦争の特徴は、三国三つ巴という勝利条件の複雑さに加え、特定職業(僧侶)が
復活を行うということから来る拠点形成の多様さにあると言えるだろう。
また、ワープが無いために大局的な戦力移動を管理しなければならず、拠点を何処に置き、そこに
どれだけの戦力を集中させるかが非常に戦局を左右することになる。
勝利条件の複雑さから、最後まで勝敗の分からない緊迫した状況となるが、時間制限があるために
短時間に集中して戦略を行使することができる。
また時間制限があることと、地形効果が無いことが影響しているのだろうか、ドラゴンラジャの
戦争は非常にスポーツ的であると感じることが多い。
職業ごとにある程度の役割分担があるため、戦争における楽しみ方も人それぞれである。
ただその分、状況によって個人の努力では全く戦局に影響を与えられないということも起こり
得るため、無力さを感じることもあるようだ。
それでもまあ、あまり個人プレーの上手い下手を気にせず戦略的な駆け引きを楽しむのが、
正しい態度なのだろう。

結論:ドラゴンラジャの戦争はスポーツ系。でも時々自分の無力さが虚しくなる。

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[シャドウベイン(ギルド戦)]

役割分担:高(搦め手専門の職業があるなど、多様な役割への特化が可能)
戦線復帰:死亡の場合は自陣に強制送還され、一定時間、戦闘能力が制限される。
勝利条件:得点条件の複雑さ低。時間制限なし。
地形効果:自然的要素有り(高低差)、人工的要素有り(通常時、戦時の建築ルール有り)
移動手段:ワープ有り
拠点形成:勝利条件上の拠点、地形的拠点(自然、建物いずれも)

シャドウベインの戦争の特徴は、職業ごとの役割分担の多様さと、建物建設も含めた地形効果の
多様さにあると言えるだろう。地形に応じた戦術を、役割ごとに緻密にこなすという連携プレーが
非常に重要となってくるというわけだ。
また建物は戦時以前に日常的に準備するものなので、戦争に向けての日々の活動が活発になり
やすいという特徴もあるようだ。日頃からこつこつと積み重ねてきた努力が、戦時に局地的な
有利さとなって戦局を決定付けるということも有り得るのである。
ワープがあるため大局的な要素が薄く、戦時は局地的な駆け引きに集中することになるだろう。
ただ勝利条件が単純であるため一度決した戦況を覆すことが難しく、敗色濃厚になった場合には
無駄な戦闘を繰り返すだけになってしまうこともあるようだ。拠点形成も固定的であるので、
戦局はマンネリ化し易く、逆転の可能性を見出すのは難しいようだ。
それでもまあ、戦術的な要素が非常に多様なわけで、勝敗はあまり気にせずにチームの連携と
巧妙な策略を楽しむのが正しい態度なのかも知れない。

結論:シャドウベインの戦争はお祭り系。でも負けそうになるとどうしようもない。

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とまあ、以上見てきたように、それぞれのゲームのそれぞれの戦争にはそれぞれの楽しみ方が
あると言えると思う。
ヘルブレスは個人プレーを、ドラゴンラジャは戦略的駆け引きを、シャドウベインは戦術的な
連係プレーを楽しめば良いのである。
個人的には、ドラゴンラジャのルールに建築ルールが加わればほぼ満足なのだが、それもまあ
バランスの問題などもあるだろうし一概に導入しさえすれば面白くなるというものでも
無いのだろう。拠点の流動性が魅力の一部なのかも知れないわけだし。

長々と書いたが結局何が言いたいかというと「何でも良いからみんな戦争ゲームやろうぜ」
ということだったりするだけである。
でもまあ、ヘルブレスは国際サーバでないと戦争実装されて無いし、しかもその課金手段に
問題があるからだめか。シャドウベインはすでに有料化されていて過疎化も始まっているらしいし
いまさら気軽にお勧めするわけにもいかないか。ドラゴンラジャは今の時点では無料だし、
日本サーバもまだ結構賑わってるけど、いつ過疎化してもおかしくないわけで、来年には
もう有料になっちゃうかも知れないし、問答無用でお勧めするわけにもいかないな。

戦争ゲームをやるときは自己責任でどうぞ。<だめじゃん。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓