雨谷の庵

[0339] 制限ぎりぎりの建物を (2003/04/09)


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前回の答えは「Bを購入」ということで一つ。

首都圏では土地の値段が他の地域に比べて異様に高いということは周知の事実であるが、
そのことが住宅事情に与えている影響というものは、思いの外大きいことに、今更ながら
気付かされたりもする次第である。

例えば、2世帯住宅というものがある。
これは親世代の持ち家であった場所に、子世代も一緒に住めるような形式の家を新築すると
いうようなものであるが、昔のような大家族的な間取りにはせず、世代ごとに個人空間を
確保出来るようなし切りになっているものが主流のようである。
都心の住宅街などでは玄関が2つあるようなやや大きめの住宅を目にすることが多いが、
それはほぼみな、二世帯住宅の類であると思って間違いない。
二世帯住宅には子世代の金銭的負担の軽減や税金対策、相続問題の生前措置などの色々な
メリットもあるが、人間関係のこじれが生じた場合のデメリットは意外と大きいものだと
いう話も耳にしたりして、そういった点はやはり色々と話のネタの尽きないものであるらしい。

一方では、土地をなるべく有効利用しようという発想もある。
その代表的なものはマンションであろう。一つの土地区画を共有するような形で集合住宅を
建築し、土地に関わる費用を分担することで安く上げようという手法である。
マンションと土地の関係にも幾つか種類があるようで、詳しくは知らないが所有権を共有と
いう形で所持するものや、所有権ではなく土地に関してだけは賃借権であるもの、または
地上権という別途の形式を採ったものなど、それぞれ負うべき義務などが異なってくるらしく、
もしもマンションの購入を考えているのであればそこのところは十分に検討するべきであると
いうことのようであるらしい。
ちなみに私が相談を持ち掛けた住宅業者の人が言うには、マンションを購入するのであれば
出来るだけ巨大なマンションを選択した方が良いとのことであった。
そもそもマンションは土地を共有することでより安い価格でより好条件の立地を手に入れる事を
主眼においた住宅形式であり、どうせ共有するのであれば少ない人数で共有するよりも
多人数で共有する方が規模のメリットでお得になるからと言うのである。
また、小さなマンション(20戸程度)だと、管理に掛かる費用のそれぞれの分担が本当は
馬鹿にならないはずで、それが額面上割安になっているところは、管理そのものがずさんか、
もしくは別料金で高額を徴収しているか、もしくは管理者の持ち出しでやりくりしているかの
いずれかになるわけで、いずれにしても注意が必要であるのだという。
住宅業者の目から見ると、やはり大きな駅前の巨大な高層マンションというのは設備も
しっかりしているし、管理も行き届いており、しかもお値段も相応な札がついているとの
ことであった。
まあ、だからといって全ての小さなマンションが悪いと言う訳ではなく、そういうところは
管理者の人柄や財政事情といった個人的な面についても十分検討し、委細を納得した上で
購入することをお勧めするということのようだ。

さて、マンションという選択肢以外で最近増えているのが、狭い土地に三階建ての住宅を
建てるという手法である。
こういったタイプのものは大抵、税法上の利点の分かれ目となる51平方mぎりぎりの土地区画に、
建築基準法で定められる制限ぎりぎりの建物を建てることで、土地を有効利用しようという
ものであり、その結果として三階建ての3LDK、床面積100平方m弱という構造のものに
なってしまうようだ。
こういった建物を建てる際に引っかかってくる建築基準法上の主な制限としては、建ぺい率
(敷地面積に対する建築面積の割合)と容積率(建物の床面積の敷地面積に対する割合)の
二つがある。
この二つは土地の種類(住宅用なのか、商用なのかなど)によって決められていて、これらの
値によって、土地の広さに対する建物の大きさが規定されることになる。
これらに加えて、斜線制限や日影制限といったものや、角地に対する優遇措置など様々な
条件があるようだが、そういったことは家を建てる際にプロの方に任せてしまった方が
いいかも知れない。
最近首都圏近郊ではこうした住宅を目にすることが増えたが、それはここ数年の建築基準法の
改正で容積率などの制限が緩和されたことも関係していることはもちろん、建築技術や
建物に対する監査制度の充実で住宅の強度そのものがかなり向上した結果、比較的安価に
木造三階建てを建てることが可能になったという背景もあるようだ。

ちなみに、私の新居というのはその「狭い土地に三階建て」というタイプである。
その新居については建ぺい率60%、容積率200%に加えて都市計画法上の高さ制限である
20mちょっとという条件もあったようで、それに斜線制限などを加味した結果なのか、
屋根の形がかなり複雑なことになっていた。
実際に見てみると三階部分の構造はちょっと「頑張った」感じになっていて、施工業者の
方々の苦心の作といった様相があちらこちらに見て取れる。
紹介してくれた業者の人も、そういった点をしきりに気にしていて、何か問題があれば
購入を取り止めてもいいというような事を言っていたが、とりあえず彼女の人も別に
問題ないようだったので気にしないことにした。

 徳田「ところで、外壁も内壁もまだ作業中のようですが、何時頃できますか?」
 業者の人「ええとですね、それはお客様の指示を頂ければ2週間後には完成します」
 徳田「へ?指示と言うと、壁の外観とかそういうことですか?」
 業者の人「ええ。外壁の色や模様、内壁の壁紙などはお選び頂けますよ」

なんと。それは予想外であった。
業者の建売住宅なので、てっきり壁の色などは選べないだろうと勝手に思い込んでいたが、
どうやらある程度まで自由に選ぶことが出来るらしい。
もちろん、面倒臭ければ業者の人にお任せということでも良いらしいのだが、折角なので
ここは一つ、我々の好みのままに選んでみたいと思った次第である。

ていうか、既に私の隣で彼女の人が「青とか〜緑とか〜」と何やら不穏な言葉をぶつぶつと
呟き始めている。
どうやら、やる気満々のようだ。

(続く)

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓