雨谷の庵

[0336] 家探しのポイント (2003/03/25)


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Road to my house.

要するに一軒家である。一軒家を買えばよいのである。
それに思い至らなかったのは私の不明の致すところとしても、そういう可能性に全く思い
至らなかったのは「家を買う」という事柄が、私の心の中ではかなりの割合でもって
非現実的な選択肢に分類されていたからに他ならないであろう。
彼女の人が一軒家に執着するその理由についてはその後みっちりとした講釈を受けもし、
一応一通りに渡ってその内容については理解しもしたのだが、彼女の人が今回、新居に
一軒家を所望するのには別の理由もあったようである。
実は、彼女の人の自宅の近くの家が売りに出されていたらしいのである。そしてその家は、
彼女の人の感覚からするとお手頃価格なのであるらしい。
実際に私もその物件の広告を見てみたのだが、確かにお手頃である。
付近の物件に比べると、2割引といった感じもしないではない。
中古の一軒家なので実際にモノを見てみないと即断は出来ないが、とりあえず一度、業者に
足を運んでみるというのはアリであろう。

「あ〜、その物件ですか…いや〜、もう、買い手がついちゃってまして…」
業者の人は申し訳無さそうに私の前で頭を下げた。
どうやらその物件は、元の持ち主が借金の返済のために売りに出したものであるらしく、
やはりその近辺の物件にしてはかなりお手頃なお値段で買い手を捜していたものであるらしい。
実際、その物件は売りに出すやいなや買い手がついてしまったそうで、私たちが出向いた
時にはすでに遅しとかそういうことであった。
世の中、そんなに上手くは出来ていないようである。
ともあれ、せっかく相談にのってもらえる場所に来ているのであるから、これを機会に
色々聞いておくのが筋というものであろう。
私は自分が新居を探しているということを伝え、業者の人に相談することにした。

業者の人が言うにはこうである。
家探しのポイントは、住む人にとって住み良い環境にあるかどうかということだそうである。
例えば、川べりに住んでいた人というのはやはり、同じような川べりに住むのが落ち着くで
あろうし、街中に住んでいた人は街中に、田舎に住んでいた人は田舎にと、
それぞれの慣れ親しんだ環境に合わせて家を探す方が良いとのことだった。
それ以外の、通勤条件であるとかお値段であるとかいうものはいってみれば後から付いてくる
類のものであるし、本気になって探しさえすれば見つかるものだが、住環境というものは
場所によってかなりの部分が決まってくるので、まず最初にきっちりとしたイメージを
組み立てておくべきものなのだそうである。
今回の場合、彼女の人の実家の近辺という条件がそもそもあるわけだし、一軒家というのも
彼女の人の要望からくるものであるから、その点については事前にまとまっていたと
いうべきであるのかも知れない。
もちろん私にとって住みやすい環境というのも考慮してしかるべきではあるのだが、
「私の実家は岡山でして…」と業者の人に話してみたところ「それは…横浜近辺では
無理ですね…」と苦笑いされてしまったので、諦めることにした。

次に問題となるのは、やはりお値段である。
家の値段というものは、通常であれば長期に渡って支払う類のものであるから、ここで問題と
なるのは年収とのバランスであるという。
そこら辺の話については、前回の借金のところで詳しく書いたので省略するが、私がこの
業者との話の中でそれをもう一回聞かされる羽目になったことだけはここに記しておこう。
ともかく、現在の年収から想定される支払い可能な金額に見合った物件だけを、業者の人と
しては紹介したいということのようだった。
世の中にはお金をかければかけるほど、切りが無いくらいに良い物件というものが
存在するものであり、一度そうした物件を見てしまうと、それ以下の物件がどうしても
見劣りし、買い控える人が多いからであるらしい。
まあそこらへんは業者の人の商売の知恵というかなんというか、販売戦略とでもいうもの
なのではあろうかと思わないではないが、そうした裏側っぽい話をしてくれるこの業者の人に
対して、私が悪い印象を持たなかったことは確かである。
いやまあ、それすらも商売上の戦術といわれればそれまでではあるが。

結局、私の予算の範囲で実現可能なプランの幾つかを、図面でもって提案してもらうことに
なった。
そのどれもがだいたい3LDKで、駅から歩いて20〜30分くらいの場所にある新築である。
中古物件であれば、駅から歩いて5分ちょっとの4LDKというものも存在したのだが、
それに興味を持った私に対して、業者の人はかなりの勢いで反対した。
曰く、その物件は昭和50年代に建てられた物件であり、当時の建築基準法に基づいたもので
あるから、現在の建築基準からすると非常に脆く、設備としても見劣りがする。
またこう言ってはなんだが、税法上の優遇措置も新築の方が充実しているし、そもそも築年数が
30年近くの物件では、住宅ローンの借り入れ上限も制限されるはずである。
まあ、ともかく色々なことを考えると、新築の方がお勧めであるらしい。

こうした様々な話し合いは3時間以上に及んだわけであるが、結局のところ私たちは物件の
候補を2つにまで絞り込んだ。
後日、これらを実際に見せてもらい、気に入れば買うかも知れないということでその場は
お開きとしてもらった。
あと、参考の為にということで、例の中古の物件も見せて頂けることとなった。
結果的には、この見せて頂いたものの中の一つを買うことになるのだが、それまでには
もうしばらくの時間が掛かるのである。

(続く)

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓