雨谷の庵

[0330] 義理のコストダウン (2003/02/14)


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バンアレン帯は、今日も地球を取り巻いている。

さて、今回も私の結婚関連の話題でお茶を濁そうかと画策をしてはいたのであるが、どうも
いまだに色々と意見調整を行っている最中でもあり、一つの文章にまとめきれずにいる次第で
あるので、今日のところは別の話題でお茶を濁したいと思ったりもするわけである。
まあ、要するにまだ母が駄々をこねているというだけのことなのではあるが、これが
決着しないことには進む話も進まないので、続きについては少々お待ち頂ければ幸いである。
まあ、どっちにしてもお茶を濁すという点については変わりないのでさしたる問題でも
なかろうとは思ったりもする次第ではある。

なので、バレンタインデーの話をしよう。
一応、このネタについては何ヶ月も前から色々な選択フラグの組み合わせでもって書き起こしの
バリエーションを組み上げて検討を重ねていた次第ではある。
例えばこんな感じである。

 A. バレンタインデーを忘れていた→yes: Bへ、no: Cへ
 B. 他に話題がある→yes: そのままスルー、no: ひがみ雑文決定
 C. 彼女の人がチョコをくれた→yes: Dへ、no: 愚痴雑文決定
 D. そのチョコが義理チョコだった→yes: ネタ雑文決定、no: 惚気雑文決定

ということで、今回はネタ雑文である(血涙)。
ちなみに昨年のクリスマスの時に書いたようなものを、愚痴雑文という。是非忘れて欲しい。

さて、本題に入ろう。
今回私が彼女の人からもらったチョコというものは、彼女の人が何日も前から検討に検討を
重ねて購入し準備した、義理チョコである。
私は今年になって始めて、女性の人々が義理チョコを買い求めるというその過程の最初から
最後までを見学することになったわけであるが、あれは正直言えば私の想像を遥かに超えて
大変な作業であるなぁと感じ入った次第である。
まず、義理チョコであるがゆえの悩みというものがある。
本命チョコは、大概の女性にとってみれば1年につきたった1つのチョコであるだろう。
もしその数が非常にたくさんあるというのであれば、少々人付き合いというものを考え直して
みても良いのではないかと要らぬ世話じみたことを愚考しないでもないが、ともあれ大多数の
人にとって本命チョコというものの数は非常に少ないのが一般的なのではないだろうか。
ところが義理チョコはそうはいかない。
仕事をしていれば職場の人間の数だけ用意しなければならず、家族が多ければそれなりに
チョコの数も増え、さらに学校などに通っていようものなら周囲の男子生徒諸君の熱い眼差しに
気圧されてしまうことは必定であろう。
要するに義理チョコは義理であるがために、非常に数多く用意せねばならんものであるのだ。
今これをお読みの女性陣からしてみれば、何を今更そんな当たり前のことを長々と書いて
いるのかとお思いのことだろうとは思うが、しかしこの30年に渡ってチョコとは無縁の日々を
送り過ごしてきた私のようなダメ人間にとってみれば、彼女の人が今年義理のためだけに
用意していたそのチョコの数々は、今までに出会ったチョコの中で最も圧倒的な物量を
誇っていたと懐述してしまいそうな程のものであったことを是非ともご理解頂きたいのである。
今日この時点でバンアレン帯を呪わしく見上げているであろう男性諸君にも、私は次のように
主張してみたいと思う次第である。
チョコは希少物質ではない。その存在分布に異様な偏りがあるだけである、と。

ともかく義理チョコは大量である。
よって、義理チョコを購入することを検討する際にもっとも懸念しなければならないのはその
価格に他ならないのである。
もちろん、人々が驚くほどに裕福で満ち足りた財力を誇っているのであれば、その義理チョコの
全てをゴディヴァで埋め尽くすことも可能ではあるだろう。
ちなみにゴディヴァというのは私が美味しいと思っているチョコのブランドの一つであり、その
価格は一粒で200円を超すという恐るべきものであったりする。覚えておくと良いだろう。
義理チョコの全てが皆ゴディヴァというのは、それはそれで私的には非常にパラダイスな
世界観を構築しつつあると思わずにはいられない有様の一つではあるが、しかしそれはやはり
所詮夢物語の存在に過ぎないと言わざるを得ない。我々はそこまで裕福な国民ではないのだ。
結果的に、女性陣はその義理のコストダウンに血道を上げることとなる。
今回私が彼女の人の後について観察を重ねたところ、大和撫子たちが義理一人分として妥当と
考えている相場は200〜500円ではないかという結論に達するに至ったことを、ここに報告したい。
もちろん義理は義理なりに見栄えというか世間体というかそういうものも加味されてくるわけで、
コストダウンを図りつつしかし顧客満足度を最大化するような努力もそこには求められて
いる様子であった。単に安ければ良いという訳ではもちろん無いのだ。
比較的見栄えの良い義理チョコを500円以下で演出できれば勝ち、それ以上の価格になったら負け。
ちなみに「200円以下で見栄えは悪い」という、私的には非常に至極妥当な選択肢については、
義理というものの副作用により彼女達の心の中から最初から排除されているようであった。

結局、彼女の人が義理の為に選択した手法は以下のようなものである。

・ヘンテコな食材満載の店に入る。
・そしてヘンテコなチョコ(一応ベルギー製、一箱15ヶ入り、200円)を購入。
・文房具屋に入る。
・お洒落な模様に彩られた小さな紙袋(一袋10円)を購入。
・犬猫のシール(一枚10円)を購入。
・チョコの箱をお洒落袋に詰め、犬猫シールを貼って出来あがり。

以上のような作業は1週間程前からちまちまと行われ、そしてバレンタインデー当日の朝、
彼女の人は袋詰の義理をみちみちと詰めた紙袋をぶら下げて、てぽてぽと出勤したそうである。
今回のコストダウンのポイントはやはり、彼女の人自らの手で行われたラッピングであろう。
その点がコストダウンに大きく貢献していると言わざるを得ない。
ヘンテコとはいえベルギーのチョコを比較的安価に購入できたことも見逃せない。
常日頃から駄菓子売り場を入念にチェックし続けてきた彼女の人の努力が、ここに来て花開いたと
言っても過言では無いだろう。
世の女性の全てがこうした努力をしている訳では無いだろうがしかし、彼女の人と同じように、
チョコ売り場や包装紙売り場に群がっていた女性が数多くいたことだけは確かな事実である。
義理は義理だけに義理に過ぎないわけであるが、義理は義理なりに義理でもあるのだろう。

そして今、私の手元には彼女の人の義理の余りである一箱があるという訳だ。
この一箱には彼女の人の涙ぐましいまでの義理が込められている。
ごちそうさまでした。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓