雨谷の庵

[0328] 7つの敵 (2003/02/01)


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もうすぐ課金が始まって、無料では無くなってしまいそうなヘルブレスに、話を戻そう。
ていうか、課金が始まる前にそれ関係のネタはとっとと消化してしまおうとか、そういう
思惑では無いことをここでまずはお断りしておきたい。
誰にも信じては頂けないような気がひしひしとしないでもないところが、現実というものの
緻密さと過酷さを物語っているようで微笑ましい。

それはともかく。
今回私が主張したいのは「ヘルブレスには7つの敵がいる」ということである。
以下で、それらを個別に解説しよう。

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[敵その1:カエル(Giant Frog)]

カエルは恐ろしい。
ヘルブレスに数あるモンスターの中で、このカエルこそが最も恐ろしく、また最も長い期間、
プレイヤーを苦しめるものではないかと私は考えている。
もちろんカエルよりも、数値的に強いモンスターはいくらでもいる。
例えばデーモンの強さはまさに悪魔的であるし、ヘルクラウなどに至っては街中の戦士全員の
総力を結集してようやく対等という有様である。
しかし、そういった上級モンスターの出現場所は限定されている。
プレイヤーがそうしたモンスターに出会う機会は少なく、自ら会いに出向く場合には、
それなりの覚悟があってしかるべきなのだ。
しかしカエルは違う。
奴はゲコゲコと呑気な鳴き声を響かせながら、いきなり我々の背後に出現する。
カエルは小さく攻撃し難い上に、遠距離からの攻撃の命中率は致命的なほどである。
高レベルとなっても魔法使いがこれを避けるのは至難の技であり、それゆえにカエルによって
命を落とす魔法使いは後を断たない。
たとえ戦士であっても、集団で襲い来るカエルには為す術も無い。
恐るべしカエル。
ヘルブレスでは、カエルを単独で撃退出来るようになって初めて、一人前のプレイヤーと
認められるのである。

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[敵その2:敵国人(Aresden)]

敵国人は恐ろしい。
ヘルブレスは対人戦を重視したゲームであり、その相手となるべき敵国人とは常に戦闘状態に
あるといっても過言では無い。
敵国人は、常にあなたの命を狙っているのだ。
敵国人の強さは様々で、中にはカエルよりも脆弱な肉体しか持たない者もいるだろう。
だがしかし、そのどれもがあなたを死に至らしめるためだけに行動し思考し、反応するのである。
ある者はあなたの不意を付き麻痺させ凍結させ体力を奪うだろう。
ある者はあなたの背後から毒を巻きモンスターを召喚し付狙うだろう。
凶悪な武器の数々を駆使し、徒党を組み、連携する彼らの全てが、あなたを殺すことのみを欲した
結果に過ぎないとしたら、それが恐怖の対象でなくてなんなのであろうか。
もしもあなたが彼らに対抗すべく、防具に身を固めたとしても、彼らはそれを破壊する手段を
持っている。
もしもあなたが彼らに対抗すべく、強力な呪文を操ったとしても、彼らはそれを無効化する手段を
持っている。
全ての対抗手段を封じられたあなたに残された道は2つしか無い。
撤退か、死である。

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[敵その3:ハカー(Hacker)]

ハカーは恐ろしい。
ハカーはもちろん、敵国人よりも恐ろしい。
敵国人はゲームのルールに則って行動する者達であり、その全ては予想可能なものに過ぎない。
少なくとも、プレイヤー自身の修練は確実に、敵国人への対処を向上させるものである。
しかしハカーには、そうした修練の結果あなたが積み立てているであろう全ての経験が
通用しないのだ。
ハカーは、システムを自分の都合の良いように書き換えることによって、あなたが今までに
見た事も無いような高級装備に身を固め、あなたが今まで手にしたことも無いような大金を
湯水のように使うのだ。
中にはプレイヤー同士でのアイテム交換の際に詐欺を働く者や、透明魔法を無効化する者、
システム的には有り得ない速度で走り回る者などもいる。
ハカーの中でも最悪の者は、他のプレイヤーのアカウントやパスワードを何らかの方法で入手し、
そのキャラクターを乗っ取ってしまうことすらある。
彼らに対抗する手段は少ない。
元々、彼らの行為はシステムのルールから外れているのだ。
ルールに従い、地道に楽しんでいるであろうあなたにとって、彼らはその存在自体が相容れない
もの以外の何者でもない。
従って、あなたもまたゲームのシステムには無い、特別の手段を取る必要があるのだ。
ゲームの管理者に、証拠となる画面画像を添付したメールを送ろう。
そして後は、管理者がそのハカーをゲームから排除してくれることを祈るほか無い。

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[敵その4:同国人(Elvine)]

同国人は恐ろしい。
同国人はもちろん、敵国人よりもハカーよりも恐ろしい。
ハカーはルールに従わないが故に脅威であるが、超システム的手段によって排除可能でもある。
しかし同国人はルールに従っているが故に排除できない。
敵国人はあなたを殺そうとするが故に脅威であるが、あなたもまた彼らを殺すことが可能である。
しかし同国人は味方であるが故に殺すことができない。
もしもあなたが同国人から嫌がらせや不利益を受けたとしても、あなたは彼らを排除する手段を
ほとんど持たないのだ。
もちろん、ヘルブレスでは同国人を殺すことも可能である。
しかしその手段の主なものを行使した場合、あなたはシステムから犯罪者と見なされ、
殺された側よりもより厳しいペナルティを課されてしまうのである。
故に、同国人による同国人への嫌がらせは後を断たない。
他人の取得物を横取りしようとする者、他人の獲物を横取りしようとする者、他人の戦闘を
邪魔することによって危機に陥れる者。
中には道具屋や武器屋の入り口を封鎖して人々に通行税を要求する者や、嘘の情報を街中に
流してまわり、人々の慌てふためく様を嘲笑う者などもいる始末である。
味方こそが最後の敵。
それは現実世界と何ら変わり無い。

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[敵その5:ラグ(LAG)]

ラグは恐ろしい。
ラグは世界のありとあらゆる場所に、常に存在する恐怖である。
その原因はインターネット回線の不調、ゲームサーバの負荷増大、クライアントパソコンの
処理速度低下などの様々なものに求めることが可能であるが、いずれにせよあなたにとって
ラグのもたらすものはただ一つ、この上なく不快なゲーム環境である。
つい先程までは安全にモンスターと戦っていたかと思えば、ラグの為に一気に不利な状況に
追い込まれる。それは誰しもが経験することだろう。
一瞬の判断ミスが死を招くような、敵国人との戦闘においてもしラグに見舞われて
しまったならば、あなたは戦死という汚名に涙を濡らすことになるだろう。
苦労して倒したモンスターが落としたアイテムを、ラグゆえに取りのがすことなど
日常茶飯事と言い切ってしまいたいぐらいである。
しかしラグの最も恐ろしいところは、そうしたゲーム内の様々な不利益ではなく、むしろ
プレイヤーの心に与え続けるストレスにある。
激しくラグの発生する日には、あなたは発狂してしまうかも知れないのだ。
そしてこれを解消する手段は、無い。

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[敵その6:電話(Telephone)]

電話は恐ろしい。
電話はもちろん、ラグなどよりも数倍恐ろしいと言っても過言ではない。
なにしろラグはあくまでもゲーム内の現象に過ぎず、我慢しさえすればプレイ自体は続行可能で
あるからだ。
しかし電話はそうはいかない。

 ぷるるるる、ぷるるるる……ガチャ。
 「はい、もしもし。徳田です」
 「もいもい〜。私ですにょ〜」
 「えーと、あー。うん。何?」
 「今何してるにょー?」
 「え?あ、ああっと……うわぁぁぁぁっ!」
 「にょっ!どうしたのでするか?」
 「……い、いや何でもないです。で、なんだっけ?」
 「む。どうやらあちきはお邪魔らしい」
 「いやいや、そんなことは無いですよ……ちっ。くそがっ!」
 「くそ?あちきはくそなのれすか……?」
 「いや、それはこちらの話で…えーと」
 「もういいにょ。あちきは要らない子にょ〜…」
 ガチャン。ツーツーツー…。

もしも敵国人に襲われている最中に、愛する人から電話が掛かってきたとしたら、あなたの
脳裏を人生の分岐点のようなものが駆け抜けていくだろう。
私がこの後、ゲームを中断して彼女の人に電話を掛け直したのは言うまでも無い。
ちなみに今では彼女の人もヘルブレスに人生を捧げており、電話は掛かって来なくなったことを
ここにご報告しておこう。
最近では私が掛けた電話に、彼女の人が上の空で受け答えし、上の空のまま切られてしまう
始末ですらある。
私の方こそが要らない子だったのだ。

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[敵その7:家族(Family)]

何よりも恐ろしいのは、家族である。
家族はゲームに理解がなく、そして何より常に傍であなたを監視し続けているのである。
家族はあなたを様々な言葉で罵倒し、ありとあらゆる手段でもってゲームを妨害するだろう。
「いつもゲームばかりして」「いい年してゲームなんて恥ずかしい」「早く寝なさい」
「いつまでゲームやってるの」「ゲーム脳になるぞ」
あなたも、こういった言葉で家族から罵倒され続けていることだろう。
幸いにして私は一人暮しであるから、この最大の敵の脅威は無い。
あなたがもし家族の脅威を完全に排除したいならば、一人暮しを始めるとよいだろう。
もしも家族に一人暮しを反対されるようであれば、それなりの理由を用意すれば良い。
遠くの大学に合格してみるとか、遠くの勤務地に左遷されるであるとか、方法は色々あるだろう。

 ぷるるるる、ぷるるるる……ガチャ。
 「はい、もしもし。徳田です」
 「むきーっ、もきーっ!」
 「な、なにを怒っているのですかいきなり」
 「うちのパパァンがね、酷いんだよ」
 「なんで?」
 「ゲームばっかりせずに、早く寝ろって怒りゅにょだっ!」
 「ええと、今はもう深夜2時回ってるし、まあ、ご家族としては心配でしょうな」
 「いいやん。あちきはもう大人だし、明日は土曜で仕事ないんだし」
 「ええ、まあ」
 「それなのにパパァンは怒りゅのだ。むうむうむうっ」
 「仕方ないんじゃない?家族なんだし」
 「だったら、あちきは家出すりゅっ!」
 「は?い、家出!?」
 「徳田さんとケコーンすればいいのだっ!そしたら家を出てヘルブレ三昧にゅっ!じゃね!」
 ガチャン。ツーツーツー…。

ええと。
ということで、結婚することになりました。
以後ここは「徳田が結婚までの道のりを嬉々として語るスレ」となりますあしからず。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓