雨谷の庵

[0321] 私は裸☆漢で宴会場 (2002/12/10)
※裸☆漢オフレポ


[Home]
今回は各種事情により裸☆漢オフラインミーティングのレポートです。

人類が「裸☆漢」という単語を目にして通常的な思考でもってその内容を推察するならば、
それは恐らく「裸の逞しげな男達が互いにウインクを飛ばしあい、その悩殺ポージングを
競うという世にも恐ろしげなホモ集団」といったものになるのではないかと、常々ささやかな
恐れおののきを心の奥底の辺りでぶるぶるがくがくとしていたりいなかったりとまあ
要するに困ったことなのではあるが、何しろ私はその「裸☆漢」の一員であったりするので
あるから世の中の仕組みというか社会的な役割分担というか人間の妄想力というか、
そうしたものは実に珍妙奇妙なことになっていたりもするのかも知れないなぁとつくづく
感心せずにはいられないとかそういうことになりそうではある。
ちなみに「裸☆漢」と書いて「ら・まん」と読む。

 徳田「ええと、あの、宴会の予約をお願いしたいのですが」
 店員「はい。お名前をお願いします」
 徳田「裸☆漢です」
 店員「は?」
 徳田「ええと、裸という漢字と、星のマーク、そして……」
 店員「ちょ、ちょっとお待ち下さい。(てんちょー、てんちょー、ちょっとー!)」
 店長「はいもしもし、ええと、ご予約の件ですね?」

恐るべき事に、裸☆漢の威力は店長まで呼び出してしまう程なのであった。
取りあえず、少々の問題はあったものの私は裸☆漢で宴会場の予約を取りつけることに成功した。
何ゆえにこのようなことを私がやっていたかというと、実は裸☆漢のオフラインミーティングを
開催するために他ならない。
オフラインミーティング、略してオフ会。
裸☆漢は、私が最近一日の実に10%程度を割いて日々打ち込んでいるというオンラインゲーム、
ヘルブレスの中のギルドの名前であり、当然その活動はオンラインなわけであり、要するにその
ギルドメンバー達で一度ちょっくら飲み会でもやんべというのが今回の趣旨であり、何故かその
宴会の幹事を私がやることになったのであり、でも実は幹事には私が自ら進んで立候補したので
あり、何故立候補したのかは気の迷い以外の何物でも無いとは思うのであるがまあそれは
置いておいて、ともかくオフ会を催すことになったのである。
ちなみにゲームの中の裸☆漢は日本人ギルドとしては恐らく最大最弱であり、初心者から
マニアまで取り揃えたバラエティギルドとして日々妙な活動に心を砕いているというか、
まあ、そんな感じの集りである。

それはともかくオフ会当日である。
天候は生憎の雨模様、晴れの国からやってきた生まれながらの晴れ男である私が幹事をやって
いるにも関わらずのこの体たらくは、もしかすると私の被っているサンタ帽のせいだったのかも
知れなかった。
時刻は夕刻前の3時過ぎ、私は幹事であるがゆえに目印になるよう、東京は有楽町のマリオンの、
からくり時計の近辺で、赤と白に彩られたサンタ帽を被ってぼけらと突っ立っていたのである。
道行く人々の視線が妙にクリスマス気分であったような気がするのは、私のこの赤白のおめでたさ
故であるとは思いたくもないが、それでも別にこの年で恥ずかしがる方もどうかと思ったりも
するわけではあるし、ていうか初顔合わせのメンバーも来るわけであるので、私は断固として
サンタ帽を被り続ける所存であったわけである。

そんな私の心意気に心底から感嘆の意を覚えたのか、一人の爽やかな好青年が私に向かって
恐る恐る声を掛けてきた。
「あの、徳田さんですか?」
偶然にもそれはbecksキャラを操る、歳三ギルド員その人であった。
ゲーム内のbecksキャラといえば、パソコン環境の貧弱さから突撃してはすぐに劇☆死する、
突撃特攻戦士であるが、リアル歳三ギルド員は小泉孝太郎似の爽やかさんであった。
その後、しばらくすると私の視界の隅にmisonoキャラを操るkasumiギルド員の姿を発見した。
メーテルを彷彿とさせるような格好をした彼女は何故か我々二人から距離を置くかのように
こちらを伺っていたので、私はすぐさまに彼女を追撃することにした。
「こ、こないでー!」と叫び、何故か逃げるkasumiギルド員。どうやら私の被っているサンタ帽が
お気に召さなかったらしい。ゲーム内のmisonoキャラといえば、敵の攻撃が当たるか当たらないかの
ぎりぎりの位置から味方への援護魔法を打ち込むサポート型魔法使いであるが、リアルkasumi
ギルド員はサンタ帽に恐れおののくお洒落さんであった。

取りあえず我々3人が揃ったところで、寒いので近くの喫茶店に潜入することにした。
そこで歓談すること小一時間、ギルドの宴会の時間が迫ったところで別メンバーからの
連絡が入り、我々は合流を図るべく再び有楽町マリオンに向かうことになった。
マリオンで合流した別メンバーは3人であった。
「歳三、今日は学生服じゃないのか」
ひょろりとした風貌にどこかしら知的な雰囲気を漂わせているのはLiqueurキャラを操る、
アイス牛男爵ギルド員。ゲーム内のLiqueurキャラといえば、卑怯臭い位置どりとインチキ臭い
操作の数々で悪行の限りを尽くし周囲を恐怖に陥れる暗黒魔法使いであるが、
リアルアイス牛男爵ギルド員はそのゲームを語らせたら小一時間は議論が続く実に薀蓄好きの
好青年であった。
その横で「ちゅちゅはだめだめー」と妙な言語を操っているのはpinkキャラを操るpinkギルド員。
ゲーム内のpinkキャラといえば安全地帯でも危険地帯でもお構いなしに延々とチャットを駆使し、
他ギルドの高レベルキャラから数々の贈り物を貰うというセクシィ系魔法戦士であるが、リアルpink
ギルド員はまさしくそのまんまの素敵なお嬢さんであった。
「東京はやっぱり暑いですねー」とか言いながら、半袖姿で寒風の中をさすらっていたのは
poxキャラを操るあびギルド員。ゲーム内のpoxキャラといえば、暗闇から敵国人の背後を襲い、
その暗殺をもって日々の糧とする暗殺魔法戦士であるが、リアルあびギルド員は北海道育ちの
にこやかな妖精さんといった感じの女性であった。

合流した6人はそのまま宴会場へと移動した。
その入り口では、2人の仲間たちが我々を待ち構えていた。
眼鏡で鋭い視線を隠しつつも、どこかしら間抜けな風貌の青年は、hitparkキャラを操る垣ノ木
ギルド員。ゲーム内のhitparkキャラといえば、無骨に突撃、無骨に撤退、そして無骨にぶひぶひ
挨拶するというお笑い系重戦士であるが、リアル垣ノ木ギルド員は最近始めたラグナロクを
我々に勧めて回るという単なるラグナ勧誘員であった。
それに同行するようにして登場したのはYamamaya-キャラを操る兎野ギルドマスター。そう、
彼こそが我々の愛すべきギルド「裸☆漢」を設立した張本人である。ゲーム内のYamamaya-キャラと
言えば回線落ちでいつも仲間とはぐれては迷子になるという、所在不明の謎のギルマスであるが、
リアル兎野ギルドマスターはぽっちゃり癒し系のお人好しっぽい笑顔が素敵なおっさんであった。

まだメンバーは揃いきってはいなかったが、時間なので以上の8人で取りあえず宴会を開始した。
メンバーの自己紹介やこれからのギルドの抱負など、鍋を囲んでわいわいと様々な話し合いが
行われたが、ここでは細かいことは省略する。ちなみに私は酔っ払っていてあまり内容を
覚えていないので、どちらにしても省略せざるを得ないことはご了承頂けることだろう。
宴もたけなわの頃、二人の女性が登場した。
一人は、miraキャラを操る鏡miraギルド員その人である。ゲーム内のmiraキャラといえば一人で
もくもくとモンスターと戦い続ける、孤高の魔法戦士であるが、リアル鏡miraギルド員は主婦業の
合間にゲームに打ち込む、物腰柔らかな貴婦人であった。
もう一人はfluluneキャラを操るくらりギルド員である。ゲーム内のfluluneキャラといえば、
蛙に追いまわされて必死で逃げ惑うお嬢様戦士であるが、リアルくらりギルド員はラグナロクという
別ゲーム内でのバーチャルラブコメ体験を切々と語る、夢見るお嬢さんであった。

時刻になったので我々は宴会の第一部を終了し、第二部へ移動することとなった。
問題は幹事である私が少々酔っ払っていることと、二次会の場所の心当たりが全く無いこと
だったが、まあそれはこの際いいだろう。ごめんなさい。
ともかく適当な居酒屋にぞろぞろと座り込んで、二次会の開始である。
二次会とは言えその内容は一次会と微塵も変わることは無かったが、ただ卓の隅の方ではkasumi
ギルド員を挟んで垣ノ木・くらり両ラグナ勧誘員による「ラグナBOX」が形成されていたようだ。
そんな最中、2名のギルド員が居酒屋の扉をくぐって我々に合流することとなった。
一人はninaキャラを操るviviギルド員である。ゲーム内のninaキャラといえば常に戦士達を
援護しつつ、いざとなるとメテオなどの高レベル攻撃魔法を繰り出す超攻撃型魔法使いであるが、
リアルviviギルド員はヘルブレスのやり過ぎで体調を崩し気味の、廃人女王であった。
そのviviギルド員に引き連れられて登場したのはjigenキャラを操る次元ギルド員であった。
ゲーム内のjigenキャラといえば無口でいぶし銀の騎士だが、リアル次元ギルド員は体躯逞しい
ワイルド系の青年実業家であった。酒飲み友達募集中とのことである。

ともかくこうして、氷雨の降りしきる冬の最中の銀座にて、ギルド裸☆漢のオフライン
ミーティングは執り行われた次第である。
今回のメンバー以外にもまだ多数のギルド員が存在するが、彼らはオンラインゲームだけに
遠方に在住であったり、もしくは年末ということもあって予定が合わなかったりして今回は
不参加という方も多かったことをここに付記しておこう。
まあ、全員がまともに集ってしまうと20名を超えた大掛かりな宴会になってしまうので、
それはそれでちょっと大変なことになってしまいそうではあるが。
それにしても今回思い知ったのは裸☆漢のメンバーというのには女性がかなり多いので
あるなぁということであろうか。
常々他のギルドの人々から「裸☆漢にはおなごが多くて羨ますぃ!」と言われ続けていたので
あるが、今回参加者の男女比はきっちりと半々、やはりこれは多いと思うべきだろう。
ネットゲームと言えば以前はマニアックなおっさんが金にあかせて楽しむ道楽という印象を
私は持っていたりもしたのだが、ラグナロクやFF11などの状況を見ても、そうしたイメージは
前時代的な偏見と化してきつつあるようだ。
もしかすると今後はWebの掲示板やチャットでのコミュニティというものも、ネットゲームでの
それに移行するのかも知れないなどと妙な可能性や期待を抱いてみたりもしたが、それはまだまだ
先の未来のことのようにも思えなくは無い。

そんなことをつらつらと考えつつ帰宅した私は、オフ会の感慨の余韻に浸りながらいつものように
ヘルブレスの画面を立ち上げた。
「あ、amadoさんだ」
すかさずチャットで交わされるコンバンワの挨拶の数々。
先ほどまで一緒に飲んでいたメンバーのほとんどに、ゲームの中で再会してしまうというのは
ちょっとどうかと思ったりもした。
ネットゲーム廃人たちの夜は、むしろこれからなのである。

雨谷の庵は今日も雨。
< Back |List| Next >
管理者:徳田雨窓