雨谷の庵

[0312] 透明人間に変身する方法 (2002/11/14)


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今日も消えまくってます。

透明人間という言葉を何処の誰が考えたのかは浅学にして知りませんが、それにしても
自分自身の存在が周囲の人から全く認識されなくなるというある種の特異状況は、
人間の想像力を空想力を妄想力をかき立てて止まないものなのかも知れません。
そういえば昔私が子供だった頃、透明人間と言えば顔を包帯でぐるぐる巻きに覆い、
サングラスと紳士帽、ロングコートにスラックス、靴下に革靴といういでたちだったようにも
思うのですが、あの透明人間的なスタイルというものは一体誰によって創造され、
何時頃から認知されたものなのでしょうね。
一応ネットで調べてみたのですが、H・G・ウエルズが1897年に小説「透明人間」を
発表したという以外のものはあまり見かけませんでした。
せいぜい映画の話が引っかかる程度で、もしかするとウエルズが小説を書いた頃よりも以前には
透明人間という概念自体がそれほど一般的ではなかったのかも知れません。
もちろん、今でも一般的な概念なのかと聞かれると余り自信はありませんが。
そもそも空想の産物だし。

実際のところ、人間が透明な存在になるための技術については色々なアプローチが様々に
議論されたりされなかったりしているわけですが、ほとんどのものは当面は実現不可能と
いうことになっているようです。
生物学的に考えれば直接的に人間の身体細胞の透明度を上げることは不可能っぽいですし、
何らかの装置を身体に装着し光学的に見えなくしようという方法についても、影の問題や
何やらで実用にはほど遠いように思えます。
他にも心理的に見えないように思わせる、社会的にいないのと同じになる、政治的に見ては
いけないものとしてしまうなどの手法も考察されたりしていますが、それはそれで色々な
弱点がありすぎて、私などが妄想の中で繰り広げているような透明人間っぷりとはちょっと
趣が異なるのではないかと思わないではないです。

ところで話題はゲームの話になるのですが、その架空世界では透明人間という状態は
当たり前のように存在していたりします。
アクションゲームやシューティングゲームでは敵に捕捉されない手段として、
戦略シミュレーションゲームでは敵の待ち伏せなどの状態として、ホラーゲームでは捉え難い
恐怖の演出として、麻雀ゲームなどのボード系ではいかさまの手口として、それぞれ透明な
状態というものに十分な存在価値があるからでしょう。
そもそもゲームは基本的に何でも有りなわけですから、小難しい理屈や頭の痛くなるような
現実問題からの束縛を受けることなく、透明人間はその存在感を十分に発揮することが
できるという事なのかも知れません。透明のくせに。

最近私がやり続けているネットゲームでも、透明人間というのは非常に重宝されています。
最近私がやり続けているネットゲームといえばもちろんヘルブレスですが、これには以前にも
書いたように透明魔法(Invisibility:インビジビリティ)というものが存在します。
これはモンスターから見えなくなるだけでなく、敵国のキャラクターや味方のキャラクターからも
自分の姿が見えなくなるという魔法で、まさにウエルズが描いた透明人間そのままの状況に
自分をおくことが出来るものなのです。
大抵は危険な場所を移動する際に透明になったり、ピンチの時の逃走手段として消えてみたり、
敵を有利な状態で襲撃するために透明になったりという感じに使われるわけですが、中には
敵やモンスターをわざわざ消して他プレイヤーへの嫌がらせに使ったり、自分が密かに好意を
抱いているキャラクターの後をこっそりつけていくために消えてみたりと、人としてちょっと
どうなんだろうというような使い方をする人もいるようです。

ちなみに透明魔法は4サークルという魔法レベルに所属し、効果時間は約1分間です。
1分間というのは短く思うかもしれませんが、透明状態のあまりの便利さのためか、特に
不自由を感じたことはありません。
もちろんゲームにはこの透明状態に対する対抗手段も用意されていて、同じ4サークルの魔法に
透明看破魔法(Detect Invisibility:ディテクトインビジビリティ)があったりします。
透明化して逃げる敵や、透明化した敵による奇襲を防ぐのに用いられる訳ですが、やはり
どちらかというと受動的な手段だけに、透明魔法の便利さの方が勝っているようにも思います。
そういう事情もあってか、中にはゲームの仕組みを解析してモジュールに手を加え、
透明化しているキャラクターでも表示されるように改造してプレイしている人(こういう不正
行為を行っている人をヘルブレスではインビジハッカーと呼んでいます)もいるようです。
そういう人に襲われると、逃げ切るのに大変苦労します。怖い怖い。

ところで、そんなゲームをやりこんでいるせいでしょうか、先日ネットでたまたま目に
した記事に私は大爆笑してしまいました。
この記事です。

(以下CNNより引用)
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|「透明人間」と信じ銀行強盗、即逮捕 詐欺師追う
|2002.11.08
|Web posted at: 20:36 JST

| - REUTERS

| テヘラン(ロイター) 中東イランのテヘラン銀行で、「透明人間」になれると
|信じ込まされた男が強盗に入り、すぐさま逮捕される事件があった。
|透明人間になるまじないを受けたと述べており、地元警察は詐欺事件として
|その「魔術師」の行方を追っている。

| 地元紙が伝えたもので、逮捕された男は、銀行にいた顧客の手から紙幣を
|盗み始めたが、すぐに気付かれ、取り押さえられた。
|詐欺師に500万リアル(約10万円)を払い、腕に呪文(じゅもん)を掛け、
|透明人間に変身する方法を教えてもらったと述べている。

| 男は法廷で、「過ちを犯した。だまされたことがいま分かった」と後悔していたという。
|男の年齢、職業などは伝えられていない。
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透明人間になれると信じる方も信じる方だし、そんな詐欺を思いつく方もかなりなものですが、
何よりもそんな詐欺師を「魔術師」と呼称している地元警察の方のセンスに笑いが止まりません。
それにしてもイラン、こんな人ばかりなのでしょうか?
そういえばアラビアンナイトのシンドバッドの冒険の中で、シンドバッドが透明になって
サイクロプスを出し抜くという場面があったような気もしますが、案外透明人間の起源は
イスラム文化なのかも知れません。
それはともかく。
私は一瞬この記事、ヘルブレスでの出来事なのかと勘違いしそうになりました。
ということで、この笑いのネタを仲間内で共有しようと思い、何時も一緒にヘルブレスで
遊んでいる人達に教えてあげました。
以下、それにたいする各人のコメントです。

○kasumi:
 o(≧▽≦)Oインビジキタァ--(゜▽゜)-(▽゜ )-(゜  )-(  )-(  ゜)-( ゜▽)-(゜▽゜)--!!

○歳三:
 どうせなら『銀行員がディテクト使うかも』ぐらいの頭を働かせてほしいものです。

○vivi:
 インビジあせると掛け損ねますしね。第4サークルの成功率が低かったのでは?

○牛男爵アイス:
 いや、インビジの効果時間が切れてたんでしょうソレ。

○あび:
 警官はインビジハカーです。

……。
ええと、なんだか会話がすっかりヘルブレスになってしまっているのは私の気のせいですか?
ていうか、誰かこのヘルブレス廃人どもをなんとかして現実復帰させてあげて下さい。
もう手遅れかもしれませんが。私も含めて。ははは。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓