雨谷の庵

[0294] 殺伐としたヘルブレス (2002/08/26)


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たまにはゲームの話なんぞもしてみよう。

ヘルブレスについて語ろう。
ヘルブレスというのはオンラインRPGの一種で、数千人のプレイヤーが同じフィールドで
それぞれのキャラクターを操り、思い思いに世界を巡り歩くという感じのゲームである。
オンラインRPGというと私はこうしたタイプのものしかやったことがないので、他の形態の
ゲームとの比較対照は単純にはできないのであるが、こういったものと似た雰囲気のものを
遭えて従来の家庭用ゲームの中から挙げるとするならばガンパレードマーチであろうか。
まあ、こう言ってみた所でガンパレードマーチをご存知ない諸氏にとっては真に意味不明で
あろうと思われもするわけで、そういった話はここまでにしたい。
とにかく、まあ、その、なんというか、要するに、ルールの範囲内で自由気ままに遊べばよいとか
そういう感じのゲームであると思って頂ければ良い。
四六時中魚釣りばかりをするのも可、仲間同士でチャットに興じるのも可。
中にはひたすら死んだふりの練習をする者も居たりする訳で、傍目には何がそんなに面白いのか
全く理解に苦しむような光景を目にすることもしばしばだが、そういったものも含めてゲームの
世界の雰囲気は今日も淡々と構築され続けていると言えるわけで、まあ、そっとしておいて
あげて欲しいものである。
ちなみに死んだふりの練習は物凄く操作が面倒臭いので、やっている最中に話し掛けられても
困るので勘弁して下さい。もう腕が攣りそうです。

それはともかく。
オンラインRPGといえば以前にガディウスというものを昨年末ここで紹介したことがあった。
あと、その他に私がやったことのあるオンラインRPGにはラグナロクがある。
これらとヘルブレスを比べてみて、私はあることに気がついた。聞いてくれ。

 「モンスターの強さとプレイヤーの結束の強さは比例する」

どうだろうか。
オンラインRPGをプレイしたことのある方なら、思い当たる節はないだろうか。
私的に見て、各ゲームのモンスターの強さの比較は以下のようになっている。

 ラグナロク<<ヘルブレス<<ガディウス

はっきり言ってしまえば、ラグナロクのモンスターは全く脅威でない。
何しろこちらが攻撃しなければ攻撃し返してこないのだ。
なので、レベルが上がらないうちでもマップ上を自由に行き来できるし、レベル上げの際には
戦いたいモンスターとだけ、それも1体だけを相手に戦うことが出来る。
それに比べるとガディウスのモンスターの凶悪さには驚くべきものがある。
ガディウスのモンスターにはクリティカルヒットというものがあり、これを食らうとまず
間違いなく戦線離脱を余儀なくされる。
もしくは即死である。
また毒や病気といった特殊攻撃も凶悪で、本来ならばLv20程度で楽勝のはずのモンスターも
その特殊攻撃ゆえに強敵となり、高レベルになっても逃げ回らざるを得なかったりする。
ヘルブレスの戦闘はガディウスと同じ形式を採用しているのだが、モンスターの凶悪さという
点ではかなり抑え気味になっているような気がする。
少なくともレベルに相応したモンスターを相手にしている限り、キャラクターが死んで
しまうような目には遭わないですむからだ。

一方、それぞれのゲームでの、プレイヤー同士の結束度という点で見ると、以下のようになる。

 ラグナロク<ヘルブレス<<<ガディウス

はっきり言ってしまえば、ラグナロクにプレイヤーの結束などありはしない。
集団で強いモンスターを狩るよりも、単独でちまちまレベル上げをする方が明らかに有利だし、
しかも単独で行動したときの危険というものは皆無なのである。
せいぜいがオフラインでの知り合いや、ネット仲間とチャットに興じる程度のつながりしか
そこには存在しない。
それに比べるとガディウスでのプレイヤーの結束は非常に強固なものであった。
プレイヤーは全く見知らぬ同士でもお互いをフォローするのが礼儀として定着していたし、
それよりも何よりも他人に嫌われるということ自体が死につながりかねない状況に
他ならないので、自然とマナーの悪いプレイヤーはいなくなっていったように思う。
ヘルブレスでの結束度はどちらかというとラグナロクに近い。
レベルに相応したモンスターを狩る分にはやはり単独で、というのが基本になっており、
徒党を組んで戦っているのは顔見知り同士の連携プレーであることが多い。
ヘルブレスでは、ガディウスのような自然発生的な集団はあまり見かけないように思う。

結局のところ、プレイヤーの結束というのはゲーム内の過酷さに比例するものであると、
言い切ってしまって良いのではないかと思うようになった。
良く良く考えればこれは当然の結論なわけで、人間というものは目的を達成するために、
実に機敏に環境適応するものなのであるなぁと感心せざるを得ない。
ちなみに、ガディウスにもヘルブレスにもPK(Player Kill:プレイヤー殺し)のルールが
有り、他の国に所属するプレイヤーを襲って殺してしまうということもできるようになっている。
しかしガディウスでは前述した通りの、あまりの環境の苛酷さ故に、敵国同士のプレイヤーとも
協力し合うという場面が多かったように思う。
要するにPKルールを実践するプレイスタイルよりも、それを遭えて行わない紳士的な行動の
方が、よりゲーム的に有利であったといえるのかも知れない。
ラグナロクにはそもそもPKルールが無い(PKは出来ない)ので比較は出来ないが、
ヘルブレスの方はというと、ガディウスと同じようなPKルールが存在する。
ヘルブレスは前述したようにガディウスに比べるとモンスターが弱いせいか、このPKの実践が
結構盛んである。
PKを行うプレイヤーは、実に多彩な攻撃手段を講じて他プレイヤーを襲う。
透明魔法で密かに近づいて来る者、冷凍魔法で他プレイヤーの逃走を阻む者、モンスターに
攻撃強化魔法を掛けて他プレイヤーを殺させる者。
こちらもただ黙って殺されるつもりは無いのであるが、何しろ殺る気満々で敵国領内に乗り込んで
来るようなプレイヤーであるから、当然レベルも高く、生半可なことでは太刀打ちできない。
せいぜいがスタミナの続く限り、敵を追い掛け回す程度である。

結果として、ヘルブレスではモンスターよりも何よりも、敵国のキャラクターを警戒しなければ
ならなくなる。
この点を考慮すれば、実はガディウスよりもヘルブレスの方が非常に過酷なゲーム世界を
提供していると言えるのであるが、しかしその過酷さはプレイヤー同士の結束にはあまり
貢献していないように思う。
何故なら敵国キャラクターの攻撃に集団で対処したところでどうにもならないし、というか
だいたいの攻撃は不意打ちであっというまに決着がつくので反撃の暇は無いし、味方同士で
結束してもあまりメリットが無いからである。
むしろ、敵国キャラクターを見たら仲間を打ち捨ててでも遠くに逃げ去るという戦術を
採用していた方が、生き残る確率は高い。
恐らくヘルブレスで最も結束の固いプレイヤーは、敵国キャラクターを殺すために徒党を
組んでいる連中だろう。彼らの連携プレーは実に見事で、見ていて気持ち良いくらいである。
こう考えてみると、ヘルブレス独特の殺伐とした雰囲気は、味方同士の結束の無さと
敵国の徒党の堅い結束とに裏付けられた、必然的なものなのかも知れない。

私は、そんな殺伐としたヘルブレスが大好きです。
今日も殺されに逝ってきます。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓