雨谷の庵

[0293] 意見のころころ変わる奴 (2002/08/21)


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でも実は30前のただのおっさん。

どうもこんにちは。垣ノ木、14歳です。
若くてギャるルーんな中学生のお友達募集中です。
まあ、大抵の中学生は若いと相場は決まっていますが一応念のため若い方に限らせて頂くと
いうことでどうかよろしくです。
あ、もちろん女の子限定でお願いします。僕、ショタの趣味無いんで。
それはともかくとして、今日は皆様に僕の兄の話を聞いて頂きたくて、こうして慣れない
筆を取っている次第です。
まあ、聞いてください。奴は酷い野郎です。

昔から、あいつは変な奴でした。
小学生の時の通信簿にはいつも「奇行が目立つ」とか書かれてましたし、実際、家の中での
奴の奇行っぷりには家族一同相当頭を悩ませたものです。
例えば奴はあちこちで「カラオケが好き」とか言っているみたいですが、とんでもない。
あれは酷いものでしたよ。ええ。そりゃあもう。
一緒に実家に住んでいた頃、それはもう10年以上も前の話ですが、奴は毎日、お風呂場で
妙な金切り声を張り上げて叫び狂っていました。
家中に響き渡って五月蝿いわ、ご近所にも迷惑だわで、もう最低です。ええ。
その妙な金切り声が、奴の歌声だと知ったのはつい最近ですとも。
それにしてもなんで奴はああ、アニソンばかり、それも田村だの米倉だの林原といった、
女性ボーカルの歌ばかりを歌っているのでしょうな?
ていうか奴のあれは歌なんていうもんじゃないっすよ?
家ではあの金切り声を「鶏が絞め殺されている時の断末魔」と呼んでいたくらいですから。
いや、これ、ホントに。まじっすから。

それでも最近は随分と大人しくなった方なんです。
特に彼女さんと付き合い始めてからはめっきり角が取れたというか、丸くなったというか、
彼女さんには感謝以外の言葉はありませんですな。
奴、この前までは同じパンツを何日も履きっぱなしだったのに、彼女さんに注意されてから
こっち、毎日のようにパンツを履き替えているらしいし。
昔は自分のパンツがなくなったら、僕のパンツをこっそり盗んで履くような奴だったのに。
パンツくらい自分の小遣いで買えYO!とか思うんですが、どうも奴はそこら辺の経済観念と
いうかなんというか、とにかく貧乏性で小銭を惜しむケチな奴でした。
奴の数少ない友人の一人の桧山さんなんて、奴が毎日パンツを履き替えるようになったと
聞いて、彼女さんに感激のメールを送っちゃったそうだし。
「そのままの調子で、是非あいつを真人間にしてやってくださいっ!」
まあ、それは僕も同感。っていうか、パンツは普通、毎日履き替えるだろ?常識やんか。なあ?
でも奴本人は自分のこと、至って真人間だと思い込んでるからなぁ。
始末悪いなぁ。

それにしても奴は、ポリシー無さ過ぎです。
昔から意見のころころ変わる奴だなぁとは思っていましたが、どうも最近はその傾向が顕著な
ような気がしてならないっす。
そう言えば、この前一緒に飲みに行ったときのことですよ。
何の拍子だったかは覚えて無いんですが、何故かねずみーランドの話題になったんですよ。
奴は言いましたともさ。
「ねずみーランドなんて、全然興味ねぇし」
「センスの無いし、ダサいし。何が楽しくてあんなの作ったんだろうね?」
「そもそもなんでねずみなんだ?バッカじゃねぇの?くだらねぇ」
まあそのときは酔ってたし、単に適当にクダ巻いてただけかも知れないですが。
で、その1週間後だったと思うっす。奴は言いやがりましたよ。
「いやぁ、ねずみーランド。面白かったよ〜」
どうやら行ってきたみたいです。ねずみーランド。彼女さんと二人で。
そしてこの意見の豹変ぶり。
バカはお前じゃないのかと、かなりの勢いで問い詰めましたとも。ええ。

そういえば家の家族はみんな揃って電話嫌いで、僕もそうだけど奴もやっぱり電話が
嫌いだったっす。
ていうか特に奴の電話嫌いは家族の中でも飛び抜けていて、あまりに嫌いなので奴は自宅の
電話番号すら絶対に覚えようとしなかったですな。
いまだに覚えて無いんじゃないだろうか?そこんとこどうよ?どうでもいいけど。
最近は何処でもかしこでも携帯電話を見かけるようになったこのご時勢なわけですが、
案の定奴は携帯電話を持とうともしやがりません。
僕も持っているし母ですら持っているというのに。
ていうか、そもそも最近は家族一人一人が一台づつ携帯して、互いの連絡に使ったりするのが
日常的な風景とかいうものじゃあなかろうかとも思うわけです。
それがどうだ。
奴は下らない屁理屈を弄して、携帯電話というものがいかに不必要極まりないものであるかを
力説しやがるわけですよ。
「そもそも電話というのは他人を呼びつける失礼なものだ」
「ただでさえ不躾な装置を、あまつさえ携帯しようなどと、正気の沙汰ではない」
「だいたい、あんな小さな機械に色々な機能を詰め込み過ぎじゃないか。オーバースペックだ」
「ちまちましたボタンでちまちまと操作するなんざ、性に合わないね」
「それに電波だよ電波。脳味噌電子レンジでチン状態だと思わないか?」
まあ、僕ももともと電話嫌いなわけですし、必要なければ携帯したくも無いわけで、
奴の言うことも分からないわけではないんですが。
それでも、やっぱり便利だし。飲みに行くときとかの連絡とか、便利だし。
そういうことで以前から僕は奴に携帯電話を買うよう、しつこく勧めてみたりもした訳ですよ。
ええ、全然聞いてくれませんでしたけどね。奴は。強情っぱりめ。
結局あれだろ?面倒臭いだけなんだろ?ああん?
分かってるって。けっ。

ところがですよ。
奴め、例によって彼女さんに言われたらほいほいと買いやがりましたよ。携帯電話を。
不躾な装置じゃなかったんかい?オーベースペックはどうなったんだ?電波は大丈夫かよ?
「やっぱりあれだよ。21世紀だし、携帯電話の一つくらい、持ってないとだめじゃん?」
「それにしても便利だよね。そもそも小さくて持ち運びに便利なのも最高〜」
小さ過ぎるとか言ってたのはどこのどいつなんだか。はぁ。まあ、良いんだけど。
ともかく、面倒臭がりの奴がようやく携帯電話を持ったことだし、僕も自分の携帯電話に奴の
番号を登録しようとか思ったわけですよ。

 僕「で?番号は?登録するから教えてよ」
 奴「え?駄目だよ教えられないよ」
 僕「俺っちのも教えるから。その携帯も、番号登録ぐらい出来るんだろ?」
 奴「登録はできるけど、教えるのはやだよ」

何故か妙に拒み続ける奴から、強引に携帯電話を奪ってみて驚きましたとも。ええ。
奴の携帯電話のアドレス帳、一つっきりしか番号が登録されてなかったのです。
驚きで動きの止まった僕の手から携帯電話を取り戻して、奴は得意満面に言いやがりましたよ。

 奴「これは愛のホットラインなんだから」

なあ、お前バカだろ?
惚気もたいがいにしとけや、徳田っち。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓