雨谷の庵

[0280] 頭の上にコカコーラ (2002/06/11)


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人類みなコーラ。

ペプシマンというキャラクターが昔CMで世間を賑わせていた時期があったが、あれは今でも
使われていたりするんだろうか。
とまあそんなどうでも良いことはこの際おいておくのだが、実は最近、会社の同僚の間で
「コカコーラ男」という言葉が時折囁かれているという噂を耳にした。
コカコーラ男である。ペプシマンのライバルか何かであろうか。
不審に思った私はしばらくの間、密かにさり気なく情報収集を行ってみた次第である。

○証言その1
「コカコーラ男は、いつもコカコーラばかり飲んでいるんだよ」

○証言その2
「なんかね〜、前もね〜コカコーラの缶をね〜、握り締めてね〜、うろうろしてたよね〜」

○証言その3
「いつも、そうだなぁ、午後の3時くらいかなぁ。彼はコカコーラの自販機の前に居るね」

ふむふむ。
どうやら、コカコーラ男というのはCMのキャラクターとかそういう類のものな訳ではなく、
単にコカコーラ好きな男性社員であるということのようである。
しかもコカコーラ男は、私のごく身近にいる人物であるらしい。
これまでの調査結果で得た知識を元に、私は更にコカコーラ男の謎に挑むことにした。

○証言その4
「彼は、コカコーラが好きなんだろうな。何しろ毎日2缶づつ欠かさず飲んでいるからね」

○証言その5
「でもね、コカコーラが売り切れているときはしょんぼりしながらお茶を買ってたよ?」

ふむふむ。
どうやら件のコカコーラ男、何が何でもコカコーラで無ければならぬという、コカコーラ原理
主義者ではないようだ。
ウチの会社の出入りの業者がコカコーラしか扱っていないから彼はコカコーラを飲むのだろう。
もしウチの休憩所の自販機でペプシコーラしか売っていなかったならば、恐らく彼は
ペプシコーラ男と呼ばれる運命だったに違いあるまい。
それにしてもウチの会社の名物男の一つなのであろうこのコカコーラ男、どうやら本当に
毎日毎日コカコーラを飲み続けているらしい。
どういうことだコカコーラ男。
そんなにコカコーラが好きなのかコカコーラ男。
コカコーラ中毒にでもなってしまっているのかコカコーラ男。
もしかして恐怖、コカコーラ星人かコカコーラ男。だめじゃん。
それとも何か。
コカコーラを飲むともしかして健康に良いとかそういうことか。
コカコーラを飲むとコレステロールが分解されたり、アルカリがマイナスイオンで
活性酸素なのか。みのもんた推奨か。
環境ホルモンもこれでばっちりとかそういうことになっていたりするのか。
恐るべしコカコーラ。恐るべしコカコーラ男。
我々人類はコカコーラ男に進化する、その途上に位置すべき存在に過ぎないのかも知れない。

それはともかく。
どうせなら私もそのコカコーラ男と遭遇してみたいものである。
奇遇にも私もまた、コカコーラを毎日のように飲んでいる人間である。
社内でも評判になってしまうくらいにコカコーラが好きなコカコーラ男とは恐らく、
気が合うのではないかと考えたりもしないではない。
もしかすると、これを機会にコカコーラ好きの同志として、社内に一大勢力を構築することも
可能なのでは無いだろうか。
コカコーラを愛し、コカコーラと共に生きる。
コカコーラ好きのコカコーラ好きによるコカコーラ好きのためのコカコーラ。
いったい何を言いたいのか自分でもさっぱり分からなくなってきてしまっているような気が
しないでもないが、それはいつも通りに気のせいということで軽く流しておくことにしようと
思ったりもする。そう、気にしてはいけない。
ともかくそうして社内のあらゆる部署を制圧した我々コカコーラ教団は我が社の全ての休憩所の
全ての自販機の全ての飲料を全てにおいてコカコーラにするのである。
今はまだ人類という中途半端な代物に甘んじている我が社の優秀なのかアホなのか今一つ
分からない社員達も、3ヶ月もすれば皆々に渡ってコカコーラ男へと進化するであろう。
右手にコーラ、左手に剣。従わない者に容赦はしない。
そして全社はコカコーラにて統治されるのである。

そうなると、私はかのコカコーラ男の腹心として新たなるコカコーラ世界に君臨しなければ
ならないかも知れない。
とするならば、私はコカコーラ男にそれに足るだけの人物であることを証明しなければならなく
なるかも知れないではないか。これは大変だ。
しかし、心配することはない。
こんなこともあろうかと、私は私のコカコーラっぷりに磨きをかけるべく、日々努力を重ね、
鍛錬を積んでいるのである。
この鍛錬は実に単純かつ効果的であるから、私がコカコーラ男と共に世界をコカコーラに
してしまう前に、読者諸賢はこれを是非とも実践しておくことをお勧めしておこう。

 1.コカコーラを買う。
 2.コカコーラの缶を両手に持ち、それを頭上高くに持ち上げる。
 3.持ち上がったコカコーラをゆっくりと頭頂部に降ろす。
 4.そのまま、コカコーラから手を放す。

これだけである。
この鍛錬の結果として、貴方の頭の上には等しくコカコーラが載っていることであろう。
これこそがコカコーラ世界の住人への第一歩であると私は主張して止まない。
この鍛錬を終えた後の貴方を見た者は、口を揃えて貴方のことをコカコーラ男の手の者だと
認めるに違いないのである。疑いを挟む余地すら無い。
ちなみに私は上記の鍛錬に加え「5.そのまま歩き回る」「6.さらに階段を上り下りする」
といったような、更にハイレベルなコカコーラっぷりを日々実践している次第であり、
読者諸賢もまた一日も早く私と同様なコカコーラを身に着けることを祈願して止まない。
貴方が件の鍛錬の成果を発揮した時、コカコーラ男は貴方をコカコーラ世界の幹部として
歓迎することになるだろう。

おっと。こうしてはいられない。
そうと決まったからには、一刻も早くコカコーラ男に会わねばならない。
おお、ちょうど時間は午後の3時ではないか。
今まさに、休憩所にはコカコーラ男が降臨しているに違いない。
ちょうど私の手持ちのコカコーラも切れてしまったことだし、ついでに補充できて一石二鳥だ。
そうして席を立ち、コカコーラの缶を頭の上に載せて歩き始めた私の背後で、私の同僚達が
ひそひそと何やら会話を交わしているようであったが、あいにくその言葉は私の耳に
届いてきては居ないのであった。

○証言その6
「コカコーラ男って、頭の上にコカコーラ載っけたまま階段を上り下りするのよね」

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓