雨谷の庵

[0278] 穴開いてんじゃんっ (2002/06/05)


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少林サッカーの一部ネタバレあり。注意されたし。

少林サッカーという映画を見て来た次第である。
指輪物語とかを見た時とかに予告編で気になってはいたのであるが、どうやら見に行って
正解だったようである。
少林拳の使い手がサッカーをするというその企画の発想自体からしてB級臭さ満載であるが、
その内容にしても演出にしても、狙い過ぎているところから臭過ぎる台詞まで、どれもこれも
B級のB級たる伝統に則った、素晴らしいB級っぷりで感服する他なかった。
ていうか、オープニングの映像からして突っ走りまくっていて、見始めから腹を抱えて笑って
しまい、息苦しさで腹筋が壊れるかと思ったりもしたが、まあ、どうやら無事のようである。
香港映画お得意のワイヤーアクションと、見た目に安っぽいコンピュータグラフィックで
彩られた映像も良い味で楽しく拝見した。
私達の隣に座っていた小学生らしき客の「そんなシュート有り得ねぇしっ!」という、
タイミングの良いツッコミもあいまって、私は始終笑いっぱなしだったことをここで
報告しておこう。
サッカーファンと少林拳ファンは見に行かなくても良いかも知れないが、御家族連れでの
ちょっとした娯楽としては最適のような気がするので、お勧めしておこう。
ていうかこの文章、お勧めしているのか回りくどく貶しているのかが見た目には分かり難いかも
知れないが、私は心底お勧めしているのでそこのところは予め語了解頂きたい。
ともあれB級映画好きは必見。
特に、香港B級アクションのファンは何度見ても飽きないのではないだろうか。
ちなみに知人の谷川某はかなりのB級映画マニアだが、彼女がそういう映画を気嫌いして
いるとかで、未だに見に行くことが出来ないでいるらしい。御愁傷様という奴である。

ところで、その少林サッカーを見ていて気になったことが一つある。
まず、主人公がヒロインと出会うシーン。
主人公は饅頭屋で働いているヒロインに、饅頭の代金の代わりとして靴を差し出すのであるが、
その靴は穴だらけなのである。
次に、主人公が悪役の男と出会うシーン。
悪役の男が主人公に靴を脱がされ、その靴下が衆目に晒されてしまうのだが、その靴下の
指先には大きな穴が開いているのである。
これらのいずれのシーンにおいても、映画館の中には笑いの声が渦巻いていた。
隣に座っていた小学生も「穴開いてんじゃんっ!」と激しくツッコンで笑っていた。
つまり、穴だらけの靴も穴の開いた靴下も、それは笑いのネタになり得るものであるという
ことに、世間的にはなっているようなのである。
これには少々驚いた。

顧みるに、私の人生には多くの穴があったことをここで告白しておこう。
先日来ここで書き綴っている様に、肌着には穴が開いていた訳であるしこの前はとうとう
スーツにも穴が開くという事態を経験した。
靴下に穴が開いていたことも既に告白済みであるし、過去には一時期、パンツにも穴が開いて
いたことがあった。
しかしまだここには書いた事も無い、数々の物品についての穴を、私は経験した事がある。

○靴の穴

 今でもそうだが、私の靴には様々な穴が開く事で有名である。学生の頃に履いていた
 スニーカーの踵は取れかけていたのでガムテープで止めていたし、会社勤めを始めたばかりの
 頃の革靴のつま先部分は靴底の縫い目が解けてパカパカと開いていた。思えば小さい頃は
 ブレーキの替わりに靴底での摩擦で自転車を減速させていたから何時も靴底には穴が開いて
 いた。ちなみにカジュアルな場面で今主力として履いているスニーカーには細かな穴が
 幾つか開いているだけで、そこまで酷くは無い。なお、穴の開いている靴下と穴の開いている
 靴とを同時に併用した場合、足元すっきりの非常に風通しの良い状態となり足がムレなくて
 結構快適だったりする。ただし、雨が降らなければ、の話だが。

○ズボンの穴

 この前のスーツの時もそうだったが、私のズボンには穴が開き易いのかも知れない。大学生の
 頃に愛用していたジーパンはことごとく膝やお尻に穴が開いていたし、中学、高校の頃の
 制服のズボンにも、何故か穴が開いていた。今でも、冬に着ている寝間着のズボンにはお尻の
 部分に穴が開いていたりする。ちなみにその寝間着のズボンは腰ゴムも緩んでいて非常に
 着心地が悪く困っていたりもする。なお、穴の開いているパンツと穴の開いているズボンを
 同時に併用すると、肛門丸出しの変態野郎になってしまうので、気をつける必要がある。

○服の穴

 ここまで来ると当然だが、服にもやはり穴は開くものである。特に袖の肘の部分が要注意で
 あり、ここの穴が拡大すると、長袖なんだか半袖なんだか訳の分からない事になるので気を
 付けなければならない。あとは、袖の取れかけた服というのも困りもので、袖を通したつもり
 でも別の穴に腕を通していたりなどして、着こなしには非常に気を使うことをここで申し
 沿えておこう。なお、穴の開いた肌着と穴の開いた服とを同時に併用すると、乳首丸出しの
 セクシー紳士になってしまうので、気をつける必要がある。

○手袋の穴

 そもそも手袋というものは防寒具な訳で、防寒というからには寒さを防がなければ
 ならない訳で、だったら穴なんぞ開いていてはイカンだろとも思わないでも無いが、何故にか
 私の所有していた過去の手袋達には穴が開きまくっていたようにも記憶している。他にも、
 マフラーに穴が開いていた事もあったし、セーターにも穴が開いていたこともあった。
 これら防寒具としてはちょっと申し訳ないような数々を身にまとっていたためか、私は
 小さい頃から冬の寒空の元を外出するのが嫌いで、それが高じて出無精になってしまったの
 かも知れない。いや、これは単なる言い訳だが。

とまあ、今思い起こしても非常にバラエティ溢れる穴っぷりな人生である。
そう言えば、競馬の予想でも私は仲間内で「穴馬券師」と呼ばれている。
会社の上司はよく私の仕事っぷりを評して「目が節穴」と言うし、会社の同僚達はよく私の
サボリっぷりを評して「アナーキー野郎」と呼んだりもしているようである。
どうやら私の人生には常に穴がつきまとっているのかも知れない。
まさに人生穴だらけ。
冒頭の少林サッカーの例をもって考えるならば、私のこの穴人生は笑いに満ち満ちてしまって
いるのかも知れない。
笑う門には福来るとも言うが、それを信じるならば穴は皆、幸福に通じているということにでも
なるのであろうか。
少林サッカーの主人公がヒロインに渡した穴だらけの靴、確かにそれは彼等に幸福を
もたらすことになったようであるが、ひるがえって穴っぷり満載の私の人生が幸福なものと
なっているのかどうかについては、読者諸賢の判断に委ねたいと思う。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓