雨谷の庵

[0265] 三者三様の食事スタイル (2002/04/19)


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結構美味しいんですってば。

谷川某のネタに関係したりもするので、ついでに書いておこう。
前回も書いたように、同居を始めた当初は私が主に食事を担当していた。
そうすると必然的に、谷川某の食事の好みというものについてだんだんと詳しくなって
来るとかそういうことになる。
私が谷川某の彼女の人であるという訳ではもちろん無いし、また谷川某の母の人という訳でも
無いことは明白であるが、ともかくそういった人々と同程度とはいかないまでも、成り行き上
谷川某の食事の好みに詳しくなってしまったとかそういうことなのである。
ただ実のところを言うと、私の非常に欠落し易い事で一部有名な記憶力は、彼の「好き」な
食べ物に関することについてあまり把握しきっているというわけではもちろんない。
せいぜいのところ、彼が無類のうどん信者であるということを知っている程度である。
むしろ、彼の「嫌い」な食べ物が何であるかについての記憶のみが残っているようである。
これはもちろん、私が意地悪な性格で彼の嫌いな食べ物を毎日のように食らわせてやろうと
日々努力している、とかそういう事ではなく、単にせっかく作った物を彼が食べなければ
それはそれで悲しいという理由で、事前に色々と聞き出していたからに他ならない。
まあ、そういうことで取りあえず彼の嫌いな食べ物を以下に書き出しておこう。
谷川某に何か食べ物を差し入れたいなどという奇特な方がもしおられるならば、参考にすると
良いかも知れない。

・納豆
・ミカンやリンゴなどの果物の入ったサラダ
・豆ご飯、栗ご飯などの混ぜ飯。
・春菊、セロリなどの匂いの強い菜類
・赤貝などの寿司ネタに良く使われる貝類

こんな感じだっただろうか。ブロッコリーも嫌いだったような気もしないではないが、
どうであったかは忘れてしまった。
この中で変わっているのは2番目の果物入りのサラダであろうか。
本人曰く、果物は果物で大好きだし、サラダはサラダで大好きなのであるが、それらを
わざわざ混ぜ混ぜした果物入りサラダだけは許せないとか、そういうことであるらしい。
果物は果物として食べるのが正しいあり方であり、サラダはサラダとして味わうのが
人としての当然の成り立ちであると、彼は強く主張する者であったのだ。
ちなみに私はどっちでも良いじゃんなどと軽々しく思っていたりする。

もう一人の同居人である浜中某にもまた、好き嫌いというものがある。
ただし谷川某に比べると彼の好き嫌いは温厚で、まあ普通に食生活を送る分には支障がない。
ちなみに浜中某の嫌いな物というのはヨーグルトである。
浜中某に何か食べ物を差し入れたいなどという奇特な方がもしおられるならば、参考にして
おくと良いかも知れない。
この組合せを悪用するなら、ミカンとリンゴ入りのヨーグルトサラダとかいうものを作って
ウチの食卓に出した場合、それを食べるのは私一人とかそういうことになる訳である。

ちなみに私には、嫌いな食べ物というものが一切無い。
単に食い意地が張っているだけ、というのはかつて私の母が口にした言葉である。

それはともかく。
何やかにやと何ヶ月も同じ食卓を囲んでいると、それぞれにはそれぞれの食事のスタイルが
あるということが分かってきた。

 谷川:おかず命。おかずが無い食事は間食扱い。
 浜中:ご飯が全て。ご飯さえあれば後は何も要らない。
 徳田:味噌汁マンセー。ご飯やおかずは無くても可。

見て頂いてお分かり頂ける事だろうとは思うのだが、おかず、ご飯、味噌汁と三者ともに
それぞれ別のものを食事の中心に置いているようなのである。
浜中某はご飯に常に気を配っており、ご飯が尽きるとすぐさまに米を研ぎ始める。
私は味噌汁がないと物足りないので、味噌汁がなくなると次の食事の時には味噌汁を作る。
そして谷川某は、面倒な時には何気にご飯と味噌汁だけで食事を終わらせようとする私達二人に
待ったをかけ、毎度毎度、そそくさと野菜炒めや煮物を作るのである。
こうした三者三様の食事スタイルが互いを補うようにして、ウチの食事は常にご飯と味噌汁と
おかずの、三拍子揃ったバランスの良いものになっていたのかも知れない。

しかしそんなバランス感覚抜群の食卓も、今は谷川某の欠員により若干生彩を欠いていると
言わざるを得ないのかも知れない。
私が味噌汁を作り忘れてしまった時などは、一人でご飯だけをひたすらにむいむいと
食べ続ける浜中某を見かける事もしばしばである。
ていうか、卵焼きくらい作ってはどうか。浜中某。

ところで前回も書いたように谷川某は努力の人である。
そんな彼であるから、嫌いな食べ物に対する姿勢も前向きであったりする次第である。
先程のリストで上げた各品目に対しても、彼はその苦手意識を克服すべく果敢に
立ち向かうのであった。
ただ、2番目の果物入りサラダについては彼独自の価値観から来る理性的な気嫌いであるので、
克服しようとは微塵も思っていなかったようではあるが。
ともあれ彼の努力はいつしか実を結び、嫌い品目の常に筆頭に挙げられていた納豆を
食べる事が出来るようになっていた。
そのお陰もあったのだろう、昨年末くらい(正確な日付は知らない)には彼の人生における
最大の懸案であったらしい女性問題もあっさり払拭。
素適な彼女と知り合い、そして先日の結婚宣言に至る訳である。
……って、これは全然関係無いか。まあ、いいんだけど。けっ。
それはともかく。
私の過去の経験の中に照らしても、納豆嫌いを克服してしまったニンゲンというものは、
彼以外にはいないようにも思う。今後もいないかも知れない。
ただ、最初は何かと策を講じて彼を騙くらかし、無理無理に納豆を食べさせるのが
私の密かな楽しみの一つであったのであるが、最近の彼はむしろ納豆を喜んで食べるように
なってしまっているので、少しばかりツマラナイと言えばツマラナイ。
納豆入り味噌汁を大豆入り味噌汁と偽って飲まし、納豆スパゲティを大豆スパゲティと
偽って食わし、納豆入りお好み焼きを大豆入りお好み焼きと偽って食わし。
って、改めて書いて見るとこんなので騙される訳がないような気もしないではない。
もしかして知っててわざと騙された振りをしてくれていたのだろうか谷川某。
さすがだぞ谷川某。努力の人だぞ谷川某。彼女可愛いぞ谷川某。けっ。

それでも、野菜炒めに時々納豆を入れていた事だけは内緒にしておこうと思う。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓