雨谷の庵

[0260] スレッドフローティング型 (2002/04/04)


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会社で2ch禁止令が出たので暇つぶしに造ったというのは表向きの理由ということで。

いまさらであるが、掲示板について考えてみようと思う。
掲示板といってももちろん現実世界に物質的な根拠でもって存在している類の板の事ではなく、
コンピュータネットワークに接続されたサーバが提供している機能の一つとして存在し、
掲示板という名前でもって世間的に認知されているものであるところの掲示板の事である。
もともとの起源だとかそもそもの使い方だとかといった考古学的アプローチに基づく様々な
事柄については残念ながら浅学にして知らないのであるが、恐らくインターネットが国内に
普及するよりも前、ネットといえばパソコン通信のことを指していた頃からこうした形態での
コンピュータ及びそのネットワークの利用というものは、綿々脈々と存在していたのでは
ないかと思っていたりする。
こうした(コンピュータに限らず)ネットワークであるが故に可能となる類のサービスとしては
他にもメールや情報置き場といったものもあるが、これらを分類する場合には情報の発信側と
送信側との人数というか形態というか、そういうものに基づけばはっきりしてくるのだろう。

○送信:受信=1:1

 言わずと知れたメールである。従来の郵便や電話もこれに類する事になりそうだ。
 最近ようやく本格化し始めたP2Pによるファイル交換もこれに入れても良いのかも知れない。
 私は使ったことが無いのだが、インスタント・メッセージング(IM)もこれに
 類するのだろうか。

○送信:受信=1:多

 情報置き場である。Webサイト、FTPサービス、メールマガジンなどはこれになるだろう。
 最近ちょくちょく見かけるようになったWebラジオもこちらかも知れない。
 従来ならテレビや新聞、ラジオがこれに類するだろうか。まあ、要するにマスメディアか。

○送信:受信=多:多

 掲示板、チャット、メーリングリストがこれになるだろうか。
 これは従来には無いような形態かも知れない。

○送信:受信=多:1

 こういうのがあるのかどうかはちょっと微妙だが、アクセス解析などはこれに
 類するサービスと考えても良いのかも知れない。
 ともかく、大勢の人から送られる情報を独りだけしか見ることが無いサービスというのは
 現象としては表面化し難いような気もするので、実はもっと色々あるのかも知れない。
 従来なら……覗き行為がこれに当るのだろうか。

多:多の形態のサービスの中でもチャットは即時性が要求されるため、同期型のサービスと
言えるだろう。
それに比べて掲示板とメーリングリストは好きな時に閲覧し、好きな時に投稿すれば良いので
非同期型のサービスとしても問題無さそうだ。
こう考えると掲示板とメーリングリストとはかなり類似したサービスのようにも見える。
もちろん、両者はコンピュータ内部での実現方法に違いがあるので技術的な面からすると
全くの別物なのではあるが。
ただ元々多:多を意識して設計されたであろう掲示板サービスに比べて、そもそもが
1:1のメール機能を多:多の用途に応用しているメーリングリストは、ネットワーク全体に
対する負荷が比較的大きいようにも思うので、現在メーリングリストとして提供されている
サービスのほとんどは将来的には掲示板に集約されていくべきなのかも知れない。

さて、今度は掲示板自体の分類に目を向けてみよう。
私が知っている範囲では、掲示板における情報の掲載形態というものには以下のような
ものがあるように思っている。

○平板型

 最も原初的な形体。書き込みの順(もしくは逆順)に沿って、順番に書き込み内容が
 表示されるもの。一覧性に優れ、発言の前後関係の把握もし易いが、複数の話題を
 並行して取り扱うことには不向き。

○スレッド型

 平板型の発展形。各書き込みについて、それの反応(レス)を追加することができるもの。
 大元の書き込みとレスで形成されるひとまとまり(スレッド)自体は平板型。
 外見的には平板型の掲示板が複数存在しているような感じになる。一覧性は若干
 平板型には劣るものの、発言の前後関係の把握はスレッドカテゴリが適切に管理されて
 いれば特に問題無い。何より、複数の話題を並行させるのに向いている。

○ツリー型

 スレッド型の進化形。レスに対するレスも追加でき、大元の書き込みを根っことしたツリーを
 形成するような形式のもの。ある意味、ツリー型は掲示板としては進化の袋小路と言える。
 表示方法を工夫しなければ一覧性が悪く、枝分かれた後の発言の前後関係の把握は非常に
 困難。ただし、複数の話題を細かく分岐させて管理するので、一つのテーマについて
 事細かに議論するのには向いている。

○フローティング型

 フローティング型はメタ的な方式といえる。基本的にはレス型/ツリー型についての、
 表示の工夫から生まれたものだと思うが、多くの注目すべき特性を生み出しているので
 特に取り上げる。最新の書き込みの度にスレッド/ツリーが、表示のトップに来るように
 なっているだけだが、この表示のトップに上げる/上げないということを書き込み時に
 選択できる(いわゆるsage機能)場合、使い勝手が大きく変化する。
 ちなみに大抵の場合、フローティングの単位はスレッド/ツリーのいずれかで、両者が
 混在できるようなタイプにはお目にかかったことが無い。(技術的には可能)

更に、掲示板については匿名性の観点からの分類も可能だ。

○書き手匿名/読み手匿名(完全匿名制)

 某有名巨大掲示板の基本姿勢。技術的にはもっとも単純なので、大部分の掲示板は
 これに類すると考えて良い。匿名性が高いレベルで維持されている場合には
 情報品質が悪くなるものの、多様性は非常に高くなる。

○書き手固定/読み手匿名

 書き込みできる人が限られているもの。機能としてこれを実装しているものはあまり
 見掛けないが、匿名型にも関わらず書き手が自身のハンドル名を固定させている場合には
 この形体に近い状態になることもある。書き手側の質をどう見るかによって読み手が
 情報品質を見定めることができることが利点。

○書き手匿名/読み手固定

 こういう形態が在り得るのかどうかは分からないが、技術的には可能。利点や欠点は不明。

○書き手固定/読み手固定(会員制)

 ログインしなければ見る事も書く事もできない掲示板。情報品質については非常に判断
 し易くなるが、多様性はかなり犠牲になる。仲間内での連絡用や雑談などには向いている。

○折衷制

 これは書き手/読み手についてある程度の匿名性を提供しつつ、固定のハンドル名での
 書き込みも可能としているようなものである。某巨大掲示板もこうした方向に機能を
 追加しているようでもあるし、今後はこういう形態のものが増えていくのだろう。

現時点がネットの普及のどの地点にあるのかはまだ分からないが、取りあえず今のところ
良く見かける掲示板というものは、(A)完全匿名スレッドフローティング型か、(B)書き手固定の
平板型(もしくはスレッド型)かのいずれかだろう。
(A)は現在のところ某巨大掲示板がその社会的な役割を担っていると思うので、改めて別途に
そういった形態のものを立てる必要性は特に感じ無い。
それにそもそも個人レベルではそういったものを運営する事は無理らしいということが
次第に明らかになりつつあるのではないかとも思う。
個人のWebサイトなどに設置されているのは主に(B)だが、現状、仕組み的に完全に実装されて
いるわけでは無いので、個々の運営者の裁量如何では荒しなどの行為を受けて、あっという間に
機能不全に陥ることもちらほらと見かけるようだ。

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ということで、私も掲示板を設置してみました。
しばらく試験的に運用していましたが、どうやらニーズもあるようなので当分稼動させて
おこうかと思います。
今まではサーバ側の容量の問題や、私自身が面倒臭いということもあって設置して
いませんでしたが、ちょっと宗旨変えをすることにしました。
今はまだ常連さんしか書き込んでいないような気もしますが、多分気のせいでしょう。
初めましての方もどうぞお気軽に書き込んで頂ければと思います。
ただ今のところ、携帯電話からの書き込みに対応していないのが若干心残りで申し訳無いとは
思っていたりもしますが、そのうち対応できればいいなぁとも思っていたりもします。
それにしても設置してみて思ったことですが、掲示板を日記代わりにちょくちょく更新すると
いうのも良いかも知れません。
折衷制スレッドフローティング型なのでそういう使い方にも適していそうです。
そうすると、そのうちココのメインコンテンツは雑文ではなく掲示板ということに。
・・・。
そうならないように、頑張ります。
いや、頑張らないけど。
どっちだよ。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓