雨谷の庵

[0255] アニメにかかるお金の話 (2002/03/19)


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アニメ雑談。

宮崎君家の駿君はベルリンとかいうどっか遠い国で金熊賞とかいう賞を貰ったらしいです。
その受賞についての記者会見の席で駿君「日本のアニメは駄目だ」とか言い放ったみたいです。
そうか。日本のアニメは駄目だったのか。
僕はアニメージュに載っていたその記者会見での駿君の言葉を読みながらうんうんと
うなずくのでした。
そうです。駿君に言われるまでもなく、日本のアニメは駄目だったのです。
今日はそのことについて、特に1月〜3月のアニメの状況を眺めながら
お話しておこうと思います。

さてまずは前置きとして、アニメにかかるお金の話をしましょう。
アニメは実は金食い虫です。
例えば毎週のように放映されている30分のアニメ番組、これを制作するのにかかるお金は
だいたい2000万円です。
もちろんこの金額はアニメの質によって変わってきますが、30分のアニメの動画枚数は
だいたい2000枚から、多いものでも3000枚くらいですから、動画1枚につき1万円と
覚えておくと良いかも知れません。
ちなみにこういった動画枚数が実際にどれくらいなのかを知るには、かつてガイナックスが
制作した「彼氏彼女の事情」というアニメの第13話を見ると良いでしょう。
そこでは、1話〜12話までの動画枚数の比較がされています。
ちなみに動きの良かった回が3000枚を越えていたり、静止画で誤魔化していた回が600枚くらい
だったりするのは庵野君の御愛嬌なのであまり苛めないであげてください。
最近では動画を台湾や韓国の制作会社に外注してコストを下げるということもされていますが、
それでも2割くらいしか値段が下がらないのがアニメの特長でしょうか。
シナリオであるとか声や音楽であるとか、動画の前の段階のレイアウト、原画などといった
作業はまだまだ国内で行なっている場合が多いからです。
まあとにかく要するに、30分のアニメ1本を作るのにだいたい2000万円くらいかかると
思って頂ければここでは良いでしょう。
上記の計算からすると、半年間続く作品(全26話)は総計で約5億、1年間続く
作品(全48話〜52話)はだいたい10億円の手間暇がかかっているということになります。
私のように週にだいたい5時間くらいアニメを見る人というのは、年間にして実に100億円もの
娯楽を無料で視聴している計算になってしまうわけです。
これに比べると漫画は非常に安価な娯楽ということになります。
ちなみにゲームだとPCでのギャルゲーが30分のアニメ1本とだいたい同程度、ご家庭用の
ゲームだと小規模なものは3ヶ月分のアニメと同程度、大作だとアニメ1年分を10作品分くらい
といった感じになります。映画とゲームの大作は同じくらいですね。

そういうこともあって、アニメを制作する上でお金の問題は切っても切れない関係にあると
言っても過言ではないでしょう。
ということでアニメの制作には、制作費を出しているスポンサーの意向が結構強く絡んでくると
いうことになりそうです。
この1月〜3月は不況の影響もあってか、そうした傾向が顕著だったように私は思っています。
まず「コメットさん」というアニメが昨年12月末で打ち切られました。
どういう理由だったのかは不明ですが、お話の展開やその中途半端さ加減からして打ち切りだと
いうのはまあ間違いないでしょう。放映期間も9ヶ月と半端でしたし。
その後番として始まったのが所謂オタク向けのアニメ「ギャラクシーエンジェル」ですが、
これは始めから「コメットさん」の穴埋め、次の「ぴたテン」への繋ぎとして企画されたもので
あるらしく、最初からまあそのやる気なさげでした。
まあ、もともと「ギャラクシーエンジェル」はOVAでもやる気なさげなアニメだったので
問題無いといえば問題無いわけですが。
それにしても真面目なお子様向けアニメだった「コメットさん」の次が「ぴたテン」というのは
なんとも駄目な現象と言わざるを得ないような気がします。
「ぴたテン」は「デジキャラット」や「雪使いシュガー」のキャラクターデザインで知られる、
コゲどんぼ氏の漫画を原作にしたアニメですが、漫画自体がお子様向けというよりはむしろ
オタク向けなわけで、このアニメ枠についてその視聴ターゲットに関するなんらかの方向転換が
為されたのは間違いないと思わざるを得ない訳です。

また、打ち切りといえば「FF:U」も恐らく打ち切りなのでしょう。
これは昨年6月から放映されたアニメで、ゲーム「ファイナルファンタジー」の世界観などを
基にしたオリジナルのアニメでした。
クオリティ自体はそもそも原画を国外に外注していたり、フルCGでの場面を多用していたりと
ちょっとどうかと思われる面が多々ありましたが、内容的にはお子様向けも意識した手堅い
造りで、個人的には楽しみにしていました。
それが3月末で突如終了。4人居たボスキャラの内、まだ2人しか活躍しておらず、しかも
その2人目も先週突然死んじゃいました。なんだよそれ。
この「FF:U」の後番は「東京アンダーグラウンド」。
コミックガンガンの漫画らしいのですが、なんとも801の匂いがしています。
スポンサーが「最遊記」のような人気を当てこんでいるんじゃないかというのは私の邪推です。

打ち切りとは逆の例もあります。
昨年4月から放映されていたベイブレードですが、これは1月から「ベイブレード2002」と
して突如新シリーズが始まりました。
もともと「ベイブレード」は原画はおろかキャラクターデザインから何から国外外注で、
とても見れたものではなかったのですが、玩具のベイブレードが売れて人気となり、
急遽続行が決まったような感じに見えます。
だいたい、キャラクターはそのままなのにデザインが日本のアニメ向きな絵に変わっていたりと
微妙にお金を注ぎ込んだ節があり、そんなことなら最初からちゃんと金出せよタ○ラとか
思ったりもしないではありません。

それとこれは深夜アニメの話になりますが、昨年末まで放映されていた「ヘルシング」の
後番が「Kanon」でした。
この「Kanon」の放映形態がかなり歪なもので、放送開始がそもそも1/30と中途半端だったり、
1週間休みをおいたかと思えば今週は2話一気に放映だったりと、どうも様子が変です。
もしかするとこれも、実は「ヘルシング」が打ち切りでその穴埋めとして放映が決定された
ものなのかも知れません。
そう言えば元々はOVAとして発売するはずだったという話も聞きますし、深夜帯とはいえ
TVでの放映というのは制作側にとっては急な話だったのかも知れません。
ちなみにこの「Kanon」も3月で放映終了、後番は「藍より青し」です。

ともあれここまで書いたように、アニメの放映にはスポンサーの思惑がちらついています。
そもそも日曜日の朝の定番とも言える仮面ライダーシリーズ、戦隊シリーズ、および
おじゃ魔女ドレミにしても玩具メーカーの都合で1月〜2月に新番組に切り替わる訳ですし、
結局アニメ番組というのは企業がお子様や大きなお友達に向けて宣伝を行う際の
客寄せに過ぎないように思わないでもありません。
特に今季から始まった仮面ライダー龍騎は、元々は宇宙刑事もののような企画として
制作が始まったものを、前作の仮面ライダーアギトの人気を当て込んだスポンサーが強引に
仮面ライダーものに変更させたという噂もあったりなかったりでもう何と言って良いのか
頭を抱えそうな勢いです。
スポンサーの立場からすれば、お金を出している以上それは自分自身の利益になることを
期待してのことでしょうし、そうすると視聴率なり資金の回収なりといったことを最優先に
考えるのであろうことは頭では理解出来ます。
そうすると人気の無い番組は打ち切り、人気が出れば延長し、またお金の回収がし易いように
大きなお友達にターゲットを絞ってみたりといったことも当然のように思えてきます。
実際の話、人気やスポンサーのことを考えずに作品を世に出そうとした場合、まず問題に
なるのはお金のことになります。
口先で青少年を悪い情報から保護しようなどといった綺麗事をまくし立てる人々は、
こうしたアニメなどの制作に対してお金を払おうとはしません。
せいぜい、アニメが如何に悪影響な情報であるかを言い立てるだけで、彼等の言う良いアニメを
作る為にかかるであろうお金は決して出さない訳です。
自分達が教育上好ましいと考えるコンテンツが欲しいのであれば、それに見合った額の
お金を出すべきでしょう。
身銭を切りもせずに無いものねだりをしたところで、その言説に説得力などあろうはずもないと
思うのは、私だけなんでしょうか。

金食い虫のアニメも、その制作現場の給料は極端に安く抑えられています。
動画を描く人の給料は月にだいたい4万円〜5万円。
とても自立して生活できる額ではないそうです。
冒頭で取り上げた駿君のインタビューでも「今のアニメ作品はコピーのコピー」といった
言葉があったりもします。
全部が全部そうだとは私も思いませんが「ラーゼフォン」などを見ていると少しだけ
駿君の言わんとするところも理解出来なくもないと思わないでもないです。
コピーのような模倣的な作品を作るのは制作者かも知れませんが、そういうものしか
造られない背景には、スポンサーの利益追及の姿勢があるのだろうし、更には我々視聴者が
アニメ作品に対して支払うべき対価について無頓着であることも起因していると考える
べきなのかも知れません。

あ〜。
ついつい長々と熱弁を振るってしまいましたが、結局私が何を言いたいかというと。

・カスミン最高
・ロックマンEXのメールちゃん萌え萌え
・花ちゃんなぜに大きくなっちまったんだぁっ

以上、まとめということで。<もう、台無し。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓