雨谷の庵

[0218] 基本的には「死ぬな」 (2001/11/27)


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アジルかアジムに出会ったらよろしく。

昔、最初にコンピュータゲームをやり始めた頃、最初にはまったのは
ドラゴンクエストだったと思う多分。
嘘。スーパーマリオだったかな。
RPGとかいう分類のゲームに限定すると、最初にはまったのは
ドラゴンクエストだったような気がする多分。
嘘。ハイドライドスペシャルってのがあったか。ちっ。
まあ、いいや。
ともかく今日はそんな類のゲームの話をしようと思うので、それ系の話を知らない人は、
この後の文章を読んでも意味わかんないと思う次第である。予めご了承頂きたく。

さて。
スーパーマリオとかで散々アクションゲーム向きでないことを思い知らされた私が、
まったりのんびりと遊ぶことができたのはRPGやアドベンチャーゲーム、
シミュレーションといったものだった訳である。
とにかく当時はかなりはまっていたような気がする。
例えばドラゴンクエスト3の話だと、私はちょうど中学三年生の冬だったと思うが、
勉強そっちのけでゲームばかりしていたのは両親には内緒の話の一つである。
ちなみにドラゴンクエスト3では仲間3人の職業を自由に選ぶことができるのだが、
酔狂な私は3人とも遊び人でプレイしている。
今から考えるとあれは若気の至りとかそういう奴だったのかも知れない。
お陰で賢者の石の御利益が最後まで分からなくて悩んだりもしたが、今では
良い思い出とかそういうものだと信じてみたい。
当時からマゾだったとか、そういうのではないと思うのだが、自信はあまり無い。
それはともかく。
そんなRPGをやりながら常々思い続けてきたことだが、あれをみんなで一緒に
遊ぶことができるようになれば色々と面白いだろうなぁと、自分自身でも色々と
架空のシステムを考案しては、その世界での冒険の妄想を繰り広げていたものである。
まあ、今思えば単なる妄想に過ぎ無かった訳ではあるが。
だいたい当時は今のような安価なネットサービスなんて無かったし。
それは夢とも呼べないような、遥か彼方のお話であった。

というわけで、ネットゲームをやってみようと思い立った次第である。
よくよく考えてみると4月から当家ではADSLなるものを導入している訳であるし、
つまりそれは所謂ところのブロードバンドな訳で、従って非常に回線楽々の
年がら年中24時間繋ぎ放題なのである。
どうして今までネットゲームをしようと思わなかったのか非常に不思議なくらいである。
まあ、単に暇がなかったとかお酒飲み過ぎてたとか馬鹿だからだとか
そういうことなのだとは思うが、新物好き珍物好みの私としてはちょっと珍しい
ことだったかも知れない。
で。
色々と検討してみた結果、某レトロゲーマーな雑文書きが先月くらいにはまっていた
ガディウスなるネットゲームにチャレンジしてみることにした。
理由は特に無いのだが、無料で参加できることと、もう一つの候補だったラグナロクが
現在準備中だったということが理由としては大きいかも知れない。
早速利用者登録をし実行ファイルをダウンロード、インストールの後にプレイ開始である。
・・・・。
ま、マゾゲーっ!
いやはやこれは噂に違わぬ、物凄いマゾゲーである。
レベルは上がらないし操作性は悪いしやたらと死にまくるしで、ストレス溜まりまくり。
それでもここ1週間ほどで15時間ほども遊んでしまった私は、やはりマゾなのかも
知れないのであろうか。違うとは思うが。恐らく。多分。きっと。
それはともかく。
取りあえず、このガディウスの特長(というのかどうかは知らないが)を挙げておこう。

 a. モンスターがやたら強い(Lv6でもスライム1匹に殺されることがある)
 b. 死んだ場合、装備品を全てその場に落とす
 c. さらに死んだ場合、経験値が下がる
 d. 他のプレイヤーキャラクターを殺すことができる(ただしペナルティは有る)

特にこのゲームを特徴付けているのはb.ではないかと思う次第である。
装備品を落とすと、お金持ちのキャラクターでない限り、かなり困ることになる。
従って、このゲームではなるべく装備品を落とさずに長時間を切り抜けることが
重要な攻略ポイントとなる。
つまり基本的には「死ぬな」ということである。
しかし問題はここからなのである。
死んだ時に落とした装備は、他のプレイヤーキャラクターが拾うことができる。
要するに拾った装備品を売り払って稼ぐような、追いはぎのようなことができるわけである。
この追いはぎ行為はLootという固有名詞で呼ばれており、ゲーム中では
非常に嫌われていたりする。Loot現場を目撃された場合、最悪即殺されかねない。
逆に、この落とした装備(俗称、遺品)を拾い、元の持ち主に返す行為はマナーとして
定着しているらしく、私も何度かそのお世話になったことがある。
結局、こういったルールの中でプレイヤーが採る行動様式は以下の3通りくらいに
集約することになる。

 A: Looterとして他人の装備を狙う
 B: 何人かと仲間を組んで、互いに遺品を確保しあう
 C: 何も装備せずに素っ裸で行動する

A:はかなり嫌われているので、他のプレイヤーからマークされる危険が高く、よっぽどの
覚悟が無いとその行動様式を貫くのは難しい。ただし、物凄く強ければ別。
C:は魔法使いなどの遠距離攻撃系のキャラクターなら可能だが、それでも限界があるし
そもそも戦士や僧侶はそういう訳にもいかないので、やはり続けるのは難しい。
結果的に、何人かで一緒に行動し、遺品はマナーとして本人に返すという行動様式を
採用する人が多くなるという仕掛けである。
またa.の条件も単独行動を抑制する方向に働くので、強いモンスターがうようよいる
マップではより一層、プレイヤーキャラクターは集団行動を採るようになるのである。
個人の利益の優先度を若干犠牲にすることで、全体としては最大限の利益を
確保しようという、ゲーム理論的な現象がここで起こっていると言えるかも知れない。

しかし、話をややこしくするのはd.の条件である。
物凄く強いキャラクターは、レベルの低いキャラクターをほとんど瞬殺することができる。
なので、そういったキャラクターに限り、A:の行動様式を採ることが可能なのである。
他のプレイヤーキャラクターを殺すとペナルティがあるとは言うものの、
他国のキャラクターについてはその制限が無いので、他国領内に侵入しては虐殺を
繰返すというプレイヤーも中にはいるらしい。私は見たことが無いが。
また、強いモンスターをわざと誘導し、弱いキャラクターにぶつけてその装備を
かっさらうという知能犯的なLooterもいるようだ。
そうしたプレイヤーは大抵、裸一貫でモンスターの群れの中をうろうろしているので、
結果的にはC:の戦略を採っていることになる。
そして、そういった諸々の悪質プレイを恐れる余りだろうか、結局C:の戦略を
通しているプレイヤーも中にはいたりするのが、このゲームの面白いところだろうか。
まあ、他にも泥棒という手段もあるのでそれだけでは装備を守ることはできないが。

こうして改めて眺めてみると、どうやら私が小さい頃に夢見た多人数同時プレイゲームと
いうのは決して面白いだけのものではなく、かなり過酷な人間関係を演出せざるを得ない
混沌とした悪夢のような場所だったというのが真実のようである。
人間の敵は結局人間なのだという、その言葉の重みが感じられるゲームだと、
言ってもいいのかも知れない。
でもそんな状況が楽しくてしょうがないのは、やっぱり私がマゾだから?
誰か違うと言ってください。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓