雨谷の庵

[0214] 財政の半分以上は輸入品 (2001/11/21)


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提言するのだ。

日本経済は金利0%であるにも関わらずデフレの進行し、金融緩和も構造改革も
全く効果を上げないという、4000年以上続いてきた人類史上においてさえ未曾有と
言わざるを得ない危機的状況に陥っている。
だからという訳ではないが、私の家計について一つの驚くべき事実が明らかになったので、
この場を借りて皆様にご報告申し上げようと思った次第である。
驚くなかれ。
10月における我が家の食費は、合計でなんと18000円だったのである。
これはとんでもなく低い水準と言わざるを得ない。
ちなみに我が家の家族構成は御存知かとは思うが以下の通りである。

 徳田雨窓(本人)、谷川秀麻呂(他人)、浜中けんぢ(他人)

大の男が3人そろっていながら、一ヶ月間の食費が18000円というのはどういう了見か。
一人頭に換算すると6000円。
一ヶ月を約30日とすると、1日当り200円しか食べていないことになる。
もし3食をきっちりと消費して居るのであれば、1食当り66円程度でまかなっている
計算になってしまう。
なんだよ66円って。チロルチョコ3つだけなのか。
それとも、日本経済のこの世界的歴史的未曾有危機的状況下において、
そのデフレ傾向が我が家の家計に与える影響がここにきて顕著になったとでも
いうのであろうか。
ならば私は敢えて称えよう。デフレマンセーと。

しかし、事態はそのような楽観的観測でもって裏付けられるはずもない。
何故なら、家計の検証に用いているレシートの表記、これを見る限りでは一品一品個々の
価格というものについては、日本経済の歴史的未曾有危機的状況下における影響は
及んでいないように思われるからである。
ならば原因は他に求めなければならない。
真実はいつも二つくらい。
我々が今まで想像もし得なかったようなあっと吃驚お玉さん的な新事実が、この一連の
出来事の根幹に流れているとすれば、それを是非とも探求しなければなるまい。
ひいてはそれが、今現在の日本経済における世界的歴史的未曾有危機的国際状況を
打破するための糸口を提示するかも知れないではないか。

まず我々調査班3名は、物的証拠であるレシートをもってその詳細を検証することにした。
ニンジン3本100円、キュウリ4本100円、納豆4パック100円・・・。
次々と読み上げられる食料品の品目を眺めているうちに、我々は驚くべき事象に
気付き始めていた。
肉類および魚類が一切購入されていない。
かといって卵と納豆、豆腐といった他の蛋白源の量が極端に増大している様子でもない。
これは、一体どういうことなのであろうか。
これだ。これが原因に違いない。
我々は過去の記憶を辿り、その原因について議論を交わした。
確かに肉類や魚類といった食材は野菜などと比較して、価格が高いことで有名である。
よって食材購入担当である徳田調査員がかなりケチであることとあいまって、我が家では
滅多にこれらを購入することがなかったというのも事実である。
しかし、一切それらを購入しないというのはどう考えても異常に過ぎる。
狂牛病の影響だろうか。いや、牛肉はもともと一切買っていないから関係無い。
サンマが豊漁だったからだろうか。いや、それならば逆に目の色変えて買っているはずだ。
と、ここで谷川調査員がある事実に気がついた。
「そういえば、先月はウチの実家から大量に魚が送られて来ましたよね」
そうだそうだそれだよそれ。
つまり、10月はその送ってもらった魚だけで蛋白質は十分だったとか、そういうことに
違いないのだ。
この事実に気がついた我々は、更にその方向での裏づけを進めることができた。
以下、10月中に我が家の家計に影響をもたらした外部的要因を列挙しよう。

・魚一箱(谷川調査員の実家から)
・ジャガイモと玉葱一箱(谷川調査員の実家から)
・米10kg(浜中調査員の実家から)
・醤油1リットル(浜中調査員の実家から)
・梅干100個(浜中調査員の実家から)
・ミカン一箱(浜中調査員の実家から)
・ミカン一箱(兎野某から)
・ちくわ一箱(兎野某から)
・柿一箱(兎野某から)
・かに(桧山某の新婚旅行先から)

うむ。恐らく総額にして25000円程度にはなるだろう。
我が家の財政の半分以上は輸入品によって成り立っていたわけだ。
ちなみに、徳田調査員の実家からは何も送ってきていない。
一族皆ケチか徳田家。
それはともかく。
この金額を先ほどの家計と合算した43000円が、正味の食費ということになるだろう。
実際にはジャガイモも魚もミカンも米も醤油もまだ余っていて、11月になっても
使っているから本当の金額はこれよりももう少しだけ少なくはなるが、今は
おおまかな目安ということでいいだろう。
さて上記金額で計算し直すと、一人頭約14500円、一日約490円、一食約165円と
いうことになりそうだ。
・・・なんだかまだちょっと少ないであるな。
ちなみに我々は別段小食というわけではない。
朝は寝坊して時々食べないこともあるが、だいたい毎日毎食、たらふく食べている。
なので、この165円という数字は実感からするとちょっと安い。
それに、この食費には私のお酒代も含まれている。
発泡酒500mlで195円。
私は1回当り1.5リットルくらいを飲むので、一日の食費は軽くオーバーする。
週に1、2度は飲んでいるような(気がする)ので、これの影響は無視出来ないだろう。
真実は時に3つ以上。
まだ何か、見落としがあるのだろうか。
「そう言えば・・・」
ふと何を思ったのか、レシートを睨んでいた浜中調査員が口を開いた。
「うどんって、どれくらいの値段なんだろうな?」
うどん・・・うどんかっ!

そうである。うどんである。
9月頃から我が家で手打ちうどんを作り始めて以来、週末の我々はうどんしか
食べていない。
夜型人間の我々は、土日になると昼と晩の2食しか食べないので計4食。
つまり月に約32食分、我が家の食事はうどんのみで構成されているということになる。
では計算して見よう。
一回の手打ちに使用する小麦粉は500g。
あとは塩が少々と大量の水。
塩は量が少な過ぎるのでほとんどタダ同然。
水はそもそもの値段が安過ぎる(二ヶ月で3000円程度。ただし大部分はお風呂)ので、
これも金額的には無視できる範囲と言えるだろう。
となると小麦粉の値段が即ちうどんの値段ということになりそうだ。
小麦粉は1kg約150円。
32食分に必要とされる小麦粉16kgの値段は2400円でしかない。
これを除くと、平日の食費は約40000円となる。
平日を22日間とすると、一人頭約13500円、一日約615円、一食約205円。
これはだいたい我々の実感とほぼ一致する値である。
謎は全て解けた。

ちなみに500gの小麦粉からは約1.5kgのうどんが出来る。
うどん一玉を200gとすると、7玉半。3人で食べれば2玉半づつ。
我々が毎回、かなりたらふく食べていることはご想像頂けることだろう。
しかしうどん一玉当りの実費は10円程度なのか。
安過ぎるぞうどん。っていうか、外食のうどんがぼったくり過ぎなのか。
聞く所によるとうどんのメッカ香川では、うどん一玉の相場は100円らしい。
ていうか、100円以上の値段だとお客が来ないとかいうから驚きだ。
それでも実費が10円なのだから利益率90%。
香川にはうどんで一儲けしてできたという俗称「うどん御殿」があちらこちらに
あるというのも、うなずけない話では全くない。

恐るべきうどん。恐るべきうどん効果。
現在の日本経済の世界的歴史的未曾有危機的国際破滅状況を打開する鍵は、
うどんにあるのかも知れない。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓