雨谷の庵

[0207] スイッチのところの貼り紙 (2001/11/06)


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某科学とかとネタかぶりしてたらゴメンナサイ。

何気に会社の便所の入り口のあたりに奇妙なものを見つけてしまった。
「業務中は電気を切らないで下さい」
このような文言でもって、蛍光灯の電源スイッチの脇にて警告しているという次第である。
何故だ何だどういうことだ。
電気の節約という言葉が世間に広く存在していることからも分かる通り、我々人類が地球に
降り注ぐ太陽光線もしくは地球内部の地熱から間接的に得ているエネルギーには
限度というものがある。
もちろん太陽光線は吃驚するくらい大量のエネルギーを惜しみなく我々に降り注いで
くれているのであるが、我々愚かな人類には未だそれを直接的なエネルギー源として
生活向上のための糧とすることは出来ない。
太古の植物が太陽から得たエネルギーを石油石炭を燃焼させるという形態で
利用(火力)したり、太陽によって暖められた海や陸などに起因する天候現象である
雨風の力(水力、風力)を利用してみたりとどちらかというと回りくどいやり方でもって
己の生活を利する力を実現させているというのが現状である。
近年は太陽光発電なる手法の研究も進み、より直接的にエネルギーを得ることも
できるようにはなったが、しかしながらまだまだ未熟な感触が残ることは否めない。
そのような現状を冷静な志でつぶさに熟慮したならば、限りあるエネルギーもしくは
その一形態であり現在結構主流であるところの電気とかいうものを事細かに
節約するというのはヒトとして人類として地球人として当然至極と言わざるを得ないとか
そういうことになるだろう。

ところがどうだ。
「業務中は電気を切らないで下さい」
これは一体どういうことなのか。
つまり我々人類に対し、電気を無駄に消費せよとの勅命であろうか。
限りある大切な資源をもっともっと贅沢にぱっぱと使っちまえゴルァとかそういうことなのか。
いやいや、ちょっと待つがいいさ徳田。
ここで我々人類はもっと賢くなるべきなのかも知れないではないか。
もちろん、蛍光灯を使用する時間を短くすれば電気を節約することができる。
しかしながら電気のスイッチをパチパチと入れたり切ったり入れたり切ったりすると、
そこに接続されている電気機器に対し、ちょっとばかりの負担を掛けていることもまた
これはこれで人類的には考慮しなければならない事の一つなのではないだろうか。
この場合はつまり蛍光灯が不味いことになるのではなかろうかと
右往左往してみなければならない。
ということで、少しだけ真面目に考えてみよう。

まず、蛍光灯の寿命というものを考えてみる。
取りあえずこれは5000時間ということにしておこう。
何故に5000なのかという点については諸説大沸騰とかきっとそうに違いないのであるが、
ここではまあなんとなく5000ということで納得して頂ければ幸いである。
さて。
この5000時間、日数にすればだいたい200日ちょっとといった感じであり、24時間の
フル稼動でもってこの蛍光灯を酷使すればそれくらいで命尽き果てるものと考えてもらいたい。
ところで、点けっぱなしならば5000もの寿命を謳歌するはずの蛍光灯は、1回のスイッチの
入り切りでもってその寿命を1時間ほど削るとここで仮定したい。
要するにスイッチを使わなければ使わないほど蛍光灯の点灯時間は長くなる、という訳だ。
だったら話は簡単で、スイッチなど1度も切らなければ良いではないか。
などと短絡的なことを結論として振り回してはイケナイ。それでは愚民というものである。
例えば、順当に考えて蛍光灯というものは暗闇でもって使用するものである。
1日のうちの平均すれば約半分は昼間という明るさで照らされているのであり、その間は
蛍光灯などという間抜けな代物を使わずとも我々人類は幸せのうちに生きていけるのである。
ということで1日の半分は点けっぱなし、残りの半分は消しておくことにした場合、
スイッチの入り切りも含めた1日当りの寿命消費は13時間ということになる。
とすればその場合、蛍光灯は約385日間使用できることになるのだ。
つまりスイッチの使用により蛍光灯自体の寿命は短くなるのだが、使用日数の方は逆に
延びるという場合も当然あるとかそういうことになる。
5000時間という寿命上限まで使ったならば、200日使うのも385日使うのも消費電力はだいたい
同じであるから、同じ蛍光灯をより長い期間に渡って使用する方がより賢い人類として
地球に君臨していることになるはずであろう。
では、適正なスイッチ回数というのは存在するのだろうか。ちょっと数式を作ってみよう。

 蛍光灯の寿命:M 時間
 スイッチによる磨耗係数: A 時間/回
 1回当りの平均点灯持続時間:t 時間
 1日当りの平均点灯回数:n 回

とした場合、使用日数:y を求める式は

 y = M / (n * (t + A))

となり、その分母について興味のある範囲は

 0
となる。今はM == 5000、A == 1 として計算しているので、t == 1 とした場合、
取りうるn それぞれについてy を計算すると以下のようになる。

n == 1:2500
n == 2:1250
n == 3:833
n == 4:625
n == 5:500
n == 6:417
n == 7:357
n == 8:312
n == 9:277
n == 10:250
n == 11:227
n == 12:208

このかなりいい加減な計算から分かるのは、1日に7回以上スイッチを入り切り
するくらいなら半日点けっぱなしにした方が良く、更に13回以上スイッチを
入り切りするのならもう1日中点けとけとかそういうことであろうか。
結局使用時間中は点けっぱなしにしておき、長時間不要になるようであれば消すというのが
最も効率的な使用スタイルだということになりそうである。
まあ、この場合A の取り方が1時間というのはちょっと長いので、実際には
もう少しこまめに消灯しても大丈夫だろうとは思うが。

ちなみに会社の便所の場合、業務時間中の消灯平均時間は1時間を下回っているだろうし、
こまめに消すよりは半日点けっぱなしにしておくという運用が妥当なところとなるだろう。
スイッチのところの貼り紙による警告は至極的を得た助言に他ならなかった訳だ。
もちろん、何時から何時までは便所オッケーとか時間を決めて使用するような運用に
切り替えれば更に効率良く便所の蛍光灯を使うことも出来るが、そんなことをすれば
業務に支障が出るだろうことは明白で、他の部分で非効率な結果となるから注意が必要だ。
また、個人の下宿の便所などであれば1回の点灯持続時間はだいたい10分程度であろうし、
1日にそう何度も使うとは思えない訳であるから、半日点けっぱなしよりはこまめに消す
方が宜しいことは賢明なる読者諸賢であれば自明であろう。

結論。
用途に合わせて、適切な運用を心がけるべし。
ああ、なんだかとてもエコロジーな話題で心温まるようではないか。
・・・・。
とかなんとか業務時間中に無駄な思考回路でもって会社のパソコンで無駄無駄な文章を
こうして書き綴っている私の行為そのものは、全くもって世界人類皆兄弟的発想からして
忌むべき存在であり、輝ける人類史上に歪な汚点となって世の中を堕落させているのでは
なかろうかと、ほんのちょっぴりだけは心配してみたりもする。
いや、本当は全然気にしてないけど。わっほぉ〜っ。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓