雨谷の庵

[0195] B語系原住民の文化 (2001/10/13)
※なりきり日記企画


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○○年○月○日 イマココニアルキキ

イバクターミュ閣下には益々ご健壮のことと思います。
○○年○月○日というパンストルゲアにとって記念すべき4列挙日に、
掲題のような不吉な報告をしなければならない事をお許し下さい。
ご承知の通り、昨年○月×日より私は閣下の命によりA37-DDケ43宙域の
原住民についての調査を行なってきましたが、その過程で驚くべき結果を
得たため本日その詳細を報告するとともに、同宙域について閣下の注意を
喚起したく思います。

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[調査目的]

A37-DDケ43宙域原住民の生活・習慣を調査し、学問的に
体系化・分類することにより、本星の科学的発展に寄与すること。

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[調査概要]

A37-DDケ43宙域原住民の情報を収集するにあたっては、同住民が日常的に
使用していると推測される電子ネットワークを利用した。
上記手法を採用するにあたっては、以下のような点を考慮した。

・同住民の有する情報源としては最も発達しており、
 短時間に大量の情報を入手できること。
・他の情報源(紙、音声、踊り等)の解読は手間の割に得られるものが少ないこと。
・本星の電子システムとの互換性をとることが容易であったこと。

なお、A37-DDケ43宙域原住民の政治形態は本星での第5期に相当し、
未だ言語において統一されていないため、今回調査では当初、その中の一部の
言語についてのみを対象とした。
対象言語の選定にあたっては以下のような点を基準とした。

・電子ネットワークから大量に情報を得ることが可能であること。
・得られる情報が、原住民の生活・習慣などを広範にカバーしていること。
・日々新たな情報を得る事が容易であること。

我々は100を超えるサンプルから最終候補として2つを選択し、
調査を開始することとした。
調査対象として選択された言語は以下の2つである。

・三角状大陸AおよびL型群島で主に使用されている言語(以下、A語)
・I状列島で主に使用されている言語(以下、B語)

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[調査進捗概要]

○△年※月
・事前調査のため、フィールドワークを実施
・調査方針の決定(電子ネットワークの利用を採用)

○△年×月
・電子ネットワークの技術解析
・情報の自動収集システムを設置
・調査対象の洗い出し及び絞り込み作業

○△年□月
・対象として2言語(A語、B語)を選定
・システムを改訂し、原住民の生活・習慣に関する情報のみを収集

○○年*月
・得られた情報の解析作業およびその自動化
・情報の整理体系に関する議論実施

○△年△月
・B語による情報から推測した原住民の生活実態についてレポートを作成
・レポートについて、その妥当性を検証

○○年○月
・本報告の取りまとめ及び、本星への警告を決定

(進捗詳細については添付した各研究員の作業日記を参照のこと)

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[懸念される現象]

○△年△月*日付けでホムテプタ研究員から提出されたB語系原住民に
関するレポートでは、彼らの行動には奇妙な不一致があることが
指摘されていた。
以下はその抜粋である。詳細については添付のレポートを参照されたい。

(事例1)
| ぽっかりと空いたものを埋めようと家の中をうろつく。台所へ行くと、
| まな板の上に猫が乗っていた。そのまま食う。それでも埋らない。

上記の情報からは、B語系原住民には猫と呼ばれる小動物についての
食習慣があることが推測できる。
しかし、事前のフィールドワークではB語系住民には記載の小動物を食べる習慣は
発見されておらず、事前調査の不備ではないかとの指摘から、我々は
追加調査として現地にスタッフを派遣した。
しかし驚いたことに、上記文章を記述した原住民の脳波測定を行ったところ、
その人物は今までに一度もそのような行為を行ったことが無いという結果となった。
その時点で我々が下した結論は、その人物が極度の精神異常だったというものだった。

(事例76)
| 彼に雑文祭企画を語らせたら一晩中はおろか一日中でも語り尽くせないとか
| もっぱらの噂の、あのおーた氏がまだ、茶川さんのこの企画にいまだに不参加なのである。
| さきほども氏のページを覗いてみた。今日コレで三度目だ。更新されていない。

調査の正確性を測定するために、我々は無作為に抽出した情報について逐次
裏付け捜査を行っている。
上記情報はその中の一つなのであるが、その裏付け調査に出向いたスタッフからの
報告によると、上記文中の「おーた」なる人物の物質的存在証拠は全く
発見されなかったとのことだった。
この件については、

・「おーた」は精神存在である。上記文章を記述した原住民の多重人格の一つではないか。
・「おーた」は本星における古代神に相当するものではないか。
・「おーた」は物理的に存在を抹消されたのではないか。

などの仮説が提示されたが、結論を出すには至っていない。

(事例541)
| 父ちゃんと母ちゃんは、連休に合わせて計画された、町内会の旅行とやらに
| 行っちゃったのです。おおかた今頃、露天風呂にでも浸かりながら、たまに子供の世話を
| 義母さんに任せてこうやって羽を伸ばすのもいいわねえ、なんて言っているに
| 違いないんだから。

露天風呂に関する調査を行っているグループが上記文章を手がかりに聞き取りを
行ったところ、上記文中の父ちゃんと母ちゃんなる人物は旅行には参加しておらず、
近所の茂みで生殖活動を行っていたことが判明している。

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[危惧すべき事態]

ここにおいて、我々は以下のような危惧を抱くに至った。

・B語系原住民の情報には不正確な表現が非常に多く、科学的検証に必要なだけの
 信頼性を得られないのではないか。
・B語系原住民は本来、情報に虚偽を記載することが多い種族なのではないか。
・B語系原住民は我々の調査に気づいており、我々に対して情報戦を
 行っているのではないか。

これらの懸念を検証すべく我々がさらに調査を進めた結果、B語系原住民は
虚偽の情報を流すばかりでなく、その虚偽の情報を元にさらに架空の情報を
組み上げるという行為を行っている可能性があることが判明した。
しかも彼らは虚偽の情報に対してその不正確さを糾弾するよりはむしろ、そうした
虚偽を自己のコミュニケーションの緩衝材として利用しているらしいことも
次第に明らかになりつつある。
このように、情報についてその不正確さを弄ぶような文化は、我々の知る限りでは
A37-DDケ43宙域のB語系原住民以外には無い。
本星においてもそれは例外ではなく、我々にとってそのコミュニケーション形態は
驚くべき混乱と、信じ難いまでに多様な表現力をもたらすものである。

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よって、ここに我々調査団はA37-DDケ43宙域のB語系原住民の文化について
本星へ報告するとともに、今後とも注意深く取り扱うべき対象として認識すべき
であると警告します。
また、このB語系原住民の文化は非常に強力な伝染性を有していることを指摘します。
一度でもこの心地よいコミュニケーションに慣れてしまった場合、二度と本星の
素朴な文化には復帰できないものと思われます。
事実、私はすでに原住民の一人を装って毎日虚偽に満ちた情報を電子ネットワーク上に
公開し続けることに喜びを感じ始めています。
もう、本星に帰還することはないでしょう。
閣下には何度となくお世話になりながらもこのような形でお別れの挨拶をせねば
ならなくなったことをお許しください。
最後になりましたが、この宙域に私を派遣してくださいました閣下に対し、
最大限の感謝の意を表してこの報告書を締めくくりたいと思います。

有難うございました。いつまでもお元気で。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓