雨谷の庵

[0161] 突然昔の先輩から電話 (2001/06/12)


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思いつきだよ人生は。

 ある日、突然昔の先輩から電話が掛かってきたとしよう。
 貴方だったらどうするだろうか。

というような質問にはあまり意味が無さそうなことは明白で、ともかくその
先輩の詳細だとか電話の内容だとかそのを聞いてみなければ判断のしようの
ないことは、だいたいの貴方であるならばお分かり頂けると思う。
では、情報を追加しよう。

 ある日、突然昔の先輩から電話が掛かってきたとしよう。
 先輩というのは学生時代のバイトの先輩で、かなりいい加減で酒好きの
 駄目人間という印象を貴方はお持ちだとする。
 学生時分には結構親しかったが、ここ3年ほど音信もなく、今度の電話も
 かなりのお久しぶりな状態だ。
 電話の内容といえばこれまたなんだかよく分からないが、東京に
 引っ越して職探しをしてはどうかという話である。
 貴方だったらどうするだろうか。

たぶん「どうか」と言われても困るのではないかと思うだろう。
実は上記の情報には貴方の状況というものが欠けているのであって、
この問いかけの情報だけでは判断できないとかそういうコトなのだ。
一般的な事象に関する問い合わせならば、一般論を適宜でっち上げてしまえば
それでよいのであるが(おいおい)、引っ越しだとか職探しとかいったような、
個人的状況によって判断が分かれるものだとそういう手も使えない。
例えば、貴方が既に結婚して子供もおり、しかも幸せ一杯の親バカだったりなどすると、
こんな話は聞いているだけでも時間の無駄とかそういうコトなわけである。
ということで、さらに貴方の状況に関する情報を追加することにする。

 ある日、突然昔の先輩から電話が掛かってきたとしよう。
 先輩というのは学生時代のバイトの先輩で、かなりいい加減で酒好きの
 駄目人間という印象を貴方はお持ちだとする。
 学生時分には結構親しかったが、ここ3年ほど音信もなく、今度の電話も
 かなりのお久しぶりな状態だ。
 電話の内容といえばこれまたなんだかよく分からないが、東京に
 引っ越して職探しをしてはどうかという話である。
 実は貴方は就職浪人中、実家で毎日やっかい者扱いを受けている三十路前の独身者。
 公務員試験を3回ほど受けてはみたがいずれも不合格、家業を継ぐわけにも
 いかず、先行き不安な日々を送っていたりもする。
 貴方だったらどうするだろうか。

さあどうだ。
貴方だったらどうするだろうか。
答え易いように、以下に選択肢を付けておこう。

 A. 即決。すぐに引っ越して職探しをする。
 B. 詳細を聞いて、少し考えてみる。
 C. 即却下。そんな怪しげな話にのるわけにはいかない。

普通、ここではC.を選ぶのではないかと、私なら思う。
もし貴方の先行きが、このままでは全く見通しすら立たないような状況だとしても、
多分B.を選ぶのがせいぜいで、A.を選択する人は居ないのではないかと思う。
まあ、ここはB.を選んだとしよう。
ということで、更に情報を追加することにする。

 詳しい話を聞くと、どうも先輩は東京に就職したらしく、近々引っ越そうと
 画策しているらしい。
 通勤時間は1時間以内におさめたいが、都心は家賃が高い。
 そこで思いついたのが独身者2人で一緒に住むという計画だ。
 先輩自身も何気に独身ということもあり、昔の知り合いで独身で無職で実家で
 厄介者になっていそうなヤツを選んでは打診しているのだという。

さてどうだろう。
なんだか電話をかけてきた理由がそこはかとなく貴方にとって失礼極まりないような
気もしないではないが、そこはまあ単なる事実として現実を受け入れて欲しい。
で。
ここに来て、貴方には選択肢が2つしか無くなることになる。

 A. 即決。すぐに引っ越して職探しをする。
 C. 即却下。そんな怪しげな話にのるわけにはいかない。

普通ならC.を選択するのではないかと思う次第である。
何しろ男二人で一つ屋根の下で暮らさないかという提案である。
同じ釜の飯を食った仲と言えば聞こえが良いのかも知れないが、事と次第によっては
同じカマを掘り合う仲と、他人からあらぬ疑念を持たれてしまうかも知れない。
もちろん、ここでは貴方は性的に全くの正常で、同性愛の人々ではないことにしよう。
どうだろうか。
果たして貴方はA.を選んだりするだろうか。

ここに、一人のキャラクターを紹介しておこう。
谷川秀麻呂(仮名)29歳(推定)男(断定)、独身かつ無職。
香川に生まれ、香川に育ち、うどんをこよなく愛するナイスガイである。
ナイスゲイではないので注意するように。
彼の元に件の電話が掛かってきたのが某月3日。
彼が上京を決断したのが翌日。
そして引越し決行はその1週間後の某月10日。
結局、電話のあったその日から1週間後、彼は東京に住んでいた。
物凄い決断力と、並々ならぬ実行力。
恐るべし谷川某。
もしかして恐怖、でたとこ勝負星人か。谷川某。
聞けば、彼がこのことを相談した時、両親は諸手で賛成したという。
変な両親だな谷川某。
もしかして恐怖、放任主義星人か。谷川夫妻。

それよりもなによりもその先輩、頭イカレてるんじゃないか。
普通、そんなことしね〜だろ。
ってゆ〜か、3年も音信途絶えていた後輩、東京に呼びつけるって何様?
もしかして恐怖、人生いい加減星人か。先輩。

・・・すみません、私がその先輩です。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓