雨谷の庵

[0144] 総勝負パンツ状態 (2001/03/28)


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それは面倒臭いからです。

何ヶ月か前にも話題として取り上げたような気もするが、今日はパンツの
話をしよう。
何故ならば最近、ちょっと妙な噂を小耳に挟んだからである。
その流言の内容とはこうである。
「お風呂に入ったらパンツは履き替えないとね」
そ、そうなのか?
私がこの言葉を聞いた時のうろたえようを、恐らく貴方は想像できないに
違いない。
なにしろアレだ。私はお風呂に入ってもパンツは履き替えない生物だからである。
ということでこのつまらない噂を参考に色々と考察を行なった結果、私は
ある一つの結論に達した次第である。
世の中にはお風呂に入った後パンツを履きかえる人と履き替えない人の
2通りの人間しかいない。
そして履き替える人と穿き替えない人との比率は、私の経験からすると
恐らく1:9くらいではないかと思うのである。

「ちょっと待ちなさい」
私が物静かに件の検証作業に没頭しているさなか、ずかずかと異論を
挟み始めたのは谷川某(仮名)28才(推定)独身男であった。
ちなみに今回のお題の超クダラナイ世迷言の主は何を隠そう、彼である。
いや、別に何も隠してはいないが。
それはともかく。
以下は件の谷川某の言葉である。

「お風呂に入ったら当然、パンツは履き替えるだろう。俺の人生の中で、
 履き替えないなんていうふざけたことを言ったのはお前が始めてだ」

ええ!そうだったのかぁ!
まさに驚愕の事実とはこのことである。
しかしである。
私が今までパンツを履き替えない派の生物が主流と思っていたのと同様に、
この谷川某もまた何かしら人生における重大な勘違いを犯していないとも
限らないとかそういう事も考慮して然るべきであろう。
何しろ、本件に関して現在のところ、信用に足るデータはたったの2件に
過ぎないのである。
未だ、私的宇宙の内的構造として、履き替え派と履き替えない派の勢力は
拮抗の真っ只中なのである。
ここであっさりと自らをマイノリティに認定してしまうのは人間としての
何か大切な心意気をないがしろにしているに違い無いとかそういうことである。
ということで、私は谷川某に対して上述したような反論を試みたのである。

「そうかい徳田。そこまで言うのなら、サンプルデータを増やそうじゃないか」

谷川某は新たな提案を持ち出した。
統計的資料に基づく議論の常として、検証対象の精緻化を計ろうという
至極もっともな主張である。
ということで、我々は傍らで眠そうにビールを飲んでいる火也某(仮名)
29才(推定)独身男に、件の命題についての回答を求めた次第である。
火也某、おもむろに答へて曰く。

「そりゃもちろん履き替えるだろ」

がたがたという結構派手めな音を立てて、私の内的宇宙が再構築されたことは
言うまでも無い。
議論が一気に終息に向かうものと思われた矢先、新たな議事は火也某の口から
発せられることとなった。

「で、徳田は何故パンツを履き替えないのだ?」

火也某の論旨はこうである。
お風呂に入るということは身を清めるという行為に他ならない。
ところで当然ながらお風呂に入る前のパンツは清いという実存から最も
遠方に定義付けられてもおかしくない物体の一つと言っても過言ではない。
然るにそのいかにも清げでなさそうなお風呂に入る前パンツを、身を清めた
直後に履いてしまうというのは本末転倒的行為なのではないかと言うのだ。
つまり人として人間として人類としてイキモノとして、お風呂上りには
新たなパンツを所望するのが当然至極の摂理であると、火也某は
主張して止まないのである。
なるほど。一理ある。

ということで私は件の二人から、何故私がお風呂上りに古き良きパンツを
履いてしまうのかというその理由を問い正されてしまうという人として
ちょっといきなりな状況に陥ってしまったとかそういう事である。
さて。
なぜ私はお風呂上りでもパンツを新しく履き替えないのであろうか。
自問自答してみよう。
まず大いに考慮すべきなのは、私のパンツ保有枚数であろう。
これは3枚である。
まさに総勝負パンツ状態。いつも勝負掛けてます。
ちなみに内1枚は今回ご登場頂いている火也某から貰ったものである。
有難う火也某。貴方のお陰で我が家のパンツ保有総数は1.5倍にも
アップしました。
何か違うような気もしないではないが、気にしてはいけない。
で。
この3枚という数が微妙なのではないかという論理を展開してみよう。
1週間は7日間で構成されている日時に関する生活基準単位である。
7日目に神様が天地創造をサボったのが由来だとか聞いたことがあるような
気もしないではないが、それはまあ今回の話とは無関係なので割愛する。
で。
私は世間一般で云う所のかなり普通の会社員に他ならない。
平凡な人生を以って座右の銘にしている程である。
最近この主張に対して異論を唱える輩が増えているが、それはもちろん
却下である。
それはともかく私のような独身の会社員は毎日洗濯をしたりはしない。
だいたい朝は8時くらいに自宅を出、夜の9時くらいに帰宅するのである。
洗濯の暇なしであることは明白な事実である。
当然の帰結として私は週に1度しか洗濯をしないという生活習慣を
今までの人生のなかで築き上げてきたわけである。
で。
3という数字は何しろ7の約半分である。
つまり私の洗濯に関する生活習慣を前提とした場合、私の保有するパンツ全てを
動員したとしても新鮮なパンツに履き替えることは無理な相談なのである。
ということで、私はパンツを履き替えないのだよ諸君。

「でも徳田。お前確か、2日に1度しかお風呂に入らないんじゃなかったっけ?」

まあ、そうとも言う。気にするな。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓