雨谷の庵

[0114] 秋の夜長に (2000/10/23)
※第五回雑文祭


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秋の夜は長いメールを読んでみたりするのにもちょっとばかりは適しているかもしれない。

さて、唐突であるが私は無類のメール好きで、メールが無ければ一日たりとも生きては
いかれないくらいに好きだと言っても過言では無い。
というのは勿論嘘であるが、一日に読んでいるメールの数は大体100通を超えていることが
多いというのは誇張でも怒張でも口八丁でもなくて単なる事実とかいう奴である。
これに加えて毎日お気に入りの雑文サイトをチェックしてはゲラゲラと下卑た笑いを
職場の片隅とかでご披露つかまつってしまったりもするので、一日に読んでいる文章の量は、
通常の人類どもに比すればなかなか多い部類に入るのではないかと勝手に思い込んでみたり
する訳である。
これに加えて毎日お気に入りのWeb掲示板を...以下同文。

さて、そんな私が一体どんなメールをそんなに沢山読んでいるのかと甚だな興味を持たれた
方も居られることと心配になるとかならないとかまあ、そんな人はほぼ間違い無く居ないと
いうことはこの際はっきりと私の口から断言しなければそれだけはどうしても言えなかったとか
そういうオチになりかねないという事態も想定するに吝かではないが、とりあえずここで
少しだけ紹介しようというのが、今回の話のネタである。
ありがちだな徳田。ほっといてください。

さて、いつも馬鹿な話ばかりをしていると本当に馬鹿だと思われるかもしれないと危惧する
ところもあるので、タマにはまじめな話も織り込みながらイキたい。タマにはイキたい。違。
それはともかく。
君等はXMLというものを知っているか。
XMLというのは拡張可能なマーク付け言語(eXtesible Markup Language)のことだったりする。
類似の技術としてはSGMLやHTMLとかいうものがある。が、私は浅学なのでそんなことは
良く分からない。
とにかく知っていることは、XMLとかいうものは文書の論理構造に基づくタグを
利用者がテキトーに定義してもいいんじゃオリャとかそういうことだけである。
なんだそれは徳田。目をつぶれ歯を食いしばれビシバシ。
...などと、軍国主義の人に体罰テキメンの有様にされてしまいそうであるが、私は
今のところそれだけの知識で全然困っていないので、たぶんこれで十分なのである。
本当にそうなのかとお疑いの貴方。
貴方は細かいことを気にし過ぎているのに違いないのである。気にしてはいけない。
ちなみに私は当然気にしない。そういう生き物だと思って頂きたい是非。

取りあえずこの私の明快なるご説明によって諸兄にもXMLなんたるかが良く
把握できたものとして話を進めてしまうのである。
XMLが文書構造を取り扱う技術であるという点が笑いのツボであるから、
そこだけは押えておいて頂きたい。

さてこのXML、昨今のいわゆるIT革命ブームなるものの中で、様々な場面で
引き合いに出されることがある。

曰く、電子商取引の切り札である。
曰く、将来のWebを背負って立つ逸材である。
曰く、DBに代わる新たなデータ保存方式である。
曰く、見る見るうちにお金が貯まるである。
曰く、何時の間にかモテモテである。
曰く、あんなに意地悪だった姑が突然優しくなるである。
曰く、知らないうちに英語が話せるようになるである。
曰く、今日から貴方もエルカンターレである。

まさにお茶の間騒然、お申し込みは今すぐ!とでも言わねばならぬところであろう。
だからであろうか、聞くところによると日本を清く正しく平和に治める重大な任務を
負っているところの政府諸君もまた、このXMLには事の他興味津々であるのだという。
何しろIT革命がXMLで景気回復なのだ。
何だか良く分からないがとにかく推進したりせねばならないのだ。
その幹事長も感じちゃうのであろう今の世のIT騒乱はとにかく大変なものであるらしく、
森某総理とかも何を勘違いしたのかはさっぱり分かったものでもないが盛んにITITと
ことある毎に口に上せてしちまったりする次第であることはすでに賢明なる皆様、いやいや
こんな下らないサイトにやってくるような読者諸兄が賢明なはずは無いので愚昧なるとでも
言わねば神様が可哀想とかそういうことなので言い改めると愚昧なる皆様としては
周知の事実とかそうであるに違いないのであります。おお、ジーザス。
ということで、大蔵省であるとか総務庁であるとか建設省であるとか、そういう連中も
こぞってITで革命しようと躍起になっているのである。らしい。多分。きっと。

で、ここでようやく私の読んでいるメールの話になるのであるが、不肖このワタクシめ、
XMLユーザーのメーリングリストなるものを読んだりもしている次第である。
なにしろITの革命がXMLでたちまちなのである。
ここは一つ、メーリングリストぐらいは読んでおかねばならぬとかそういう事である。
それはさておき。
ところで急な話であるが、ここで村田某という方が居たとしよう。
居たとしようも何も、実際に居るのであるから仕方ないとかまあそういう事だと思って
頂きたい是非なのである。
実はこの村田某というお方、件のXMLの標準化に深く携わっているとかいないとかいう
もっぱらの噂だったりいやいやそれはそれこそは間違いの無い事実なんだよとか、
浅学かついい加減な脳味噌のこの私でさえそういう話を聞いた事があったりする訳である。
その村田某が、私的愛読のXMLユーザーのメーリングリストに悲痛なメッセージを
投稿したのはつい最近のことである。
とりあえず、許可も無くいきなりここで引用してしまうのである。

-------------------------------------------------------------------------------
>大蔵省の予算の公開されている部分はxmlデータとして作成されており、
>web上からも閲覧することができます。
>http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/syukei.htm
>から入れます。

このXMLソースを見てみました。絶句...

--------------------------------------------------------
<?xml version="1.0"encoding="Shift_JIS"?>
<?xml-stylesheet type="text/xsl"href="../xsl/data.xsl"?>
<頁>
<タイトル>甲号 歳入歳出予算補正 歳入   5</タイトル>
<表題 行数="28" 列数="2" X座標="8" Y座標="10" 幅="534" 高さ="506"
字名="MS 明朝"字寸="10.0"字形="0">
<列情報 番号="1"幅="365"縦位置="M" 横位置="M"罫線右="0"罫線下="0"
字名="MS 明朝"字寸="10.0"字形="0">
</列情報>
-------------------------------------------------------------------------------

繰返しになるが、XMLは文書構造を取り扱う技術である。
ところがどうだ。政府の大蔵省は見事なまでに表示に関する様々な事々を定義するために
XMLの機能を利用しておるではないか。
それは人としてちょっとどうかと思う次第である。
勘違いが甚だしいというのはこういうことを言うに違いないと断じてみたくもなろうと
いうものである。
それにしても可哀想なのは村田某である。
一生懸命にXMLの為に御尽力されているにもかかわらず、その努力を全く斟酌しないかの
ような利用を政府が行ってしまっているこの様子に、絶句してしまうのも致し方ない
ことであるなぁと、なんとなく察せられるではないか。
村田某の、切れた堪忍袋の緒が蘇生する暇もないほどだったであろうことは
想像にかたくない。
心から哀悼の念を惜しまない所存である。
言っとくが日本語違うぞ徳田。

それにしてもである。
日本というのはつくづく良い国であると、こんな時に実感してしまうのは私だけであろうか。
政府系のネタに困らないというか、次から次へと笑いのタネを提供してくれるというか、
まるでどこかのお笑い芸人集団か何かのようにコテコテの技を惜しげも無く披露してくれる
ところなど、まさに国民の為に奉仕する者の鑑であると思ったりもする次第である。
それでこそ、我々納税者も税金の払いがいがあろうというものだ。
村田某には非常に申し訳無いが、日本の政府にはこの調子でじゃんじゃん頑張って欲しい
ものである。
ついでなので、世界の笑い者として確たる地位を築き上げてしまったりすることも、
この際はっきりと目指しておくべきではないだろうか。
恐怖、お笑い帝国日本。
その名がトコシエに響き渡る未来は、もう目前である。

ガンバレ、ニッポン。

雨谷の庵の夜はまだ続く。
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管理者:徳田雨窓