雨谷の庵

[0095] 謎だらけか直線 (2000/07/07)


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チカチカしてしまうのである。

直線というものについて、思い巡らさずにはいられないことがあるであろう。
何しろ真っ直ぐなのである直線は。
真っ直ぐでない直線などというものが存在したとするならば、それはすでに
直線たり得ないわけであるからそんなものは存在しないのである。
何だか良く分からない話であるが、要するに直線は真っ直ぐでないといけないとか
そういう事である。
いきなり論理が破綻しまくっているかのようにも見えなくもないが、まあ気にしてはいけない。

さて。
もしあなたの世界に直線が現れたとすれば、それは一体どういった感じになるのであろうか。
何しろ直線である。現れてしまうのである。
いきなり直線が現れてしまったことにしても良いのであるが、それでは少しばかり実感が
沸き難いのではないかと思ったりもするので、もう少し詳しく状況を整理してみよう。
例えばである。
あなたが真っ直ぐに東を向いて立ったとする。
そのあなたの視界の若干北寄り、左斜め前方に件の直線が存在する状況を想像して頂きたい。
世界の大きさを大体10とするならば、その直線はほぼ左端から2くらいの
位置にあるのである。
その直線は世界の上端から下端までを真っ直ぐに走り、あなたの視界の五分の一の位置に
厳として存在しちゃったりしているという訳だ。

更に。
その直線には色も付いているとしよう。
周囲が暗い時、要は夜とかそういうことを思い浮かべて頂けば良いのであるが、
そういった時にはなんとなく赤みを帯びた紫色をしている。
逆に明るい時には水色っぽい青色に変化したりするのである。
ちなみに上の行の変化はヘンカではなくヘンゲと読んで欲しいものであることを
ここに宣言しておこう。
更に加えて言うならば、この直線は目を閉じれば消えてしまうものなのである。
だから私の目の錯覚だとか頭の可笑しさが原因の現象だとかでは勿論あり得ないので
注意頂きたい。

と。
ここまでの内容を読んだ方ならそろそろお気づきの方も居られるのではないかと
思うのであるが、この直線と言うものは何も架空の存在だったりはしないわけである。
何しろ存在しちゃっているのだ。
目に見えるのである。
しかも私だけではなく、誰の目にも見えてしまっているのである。
ちなみに触ることは出来ないような気がする。
臭いも無いな。多分。
蛇足だが、私は鼻が馬鹿野郎な人なので、臭いにはかなり鈍感なのである。
舐めたことはまだ無いが、味も無いんだろうと思う。
ついでに書くならば、特に目立った音を立てている様子でも無い。
物静かな奴である直線。寡黙の人か直線。
まあ、直線の野郎が鳴き声とかを発していたら、それはそれで嫌過ぎる光景ではあるが。
「クケェ」とか「ぐぼぁあ!」とか叫んでもイヤだな。
恐怖、鳴き声付き直線星人。居ないってば。

それはともかく。
そんなこんなでこの直線、世界の五分の一のあたりをただひたすらに区切り
続けているのである。
何を欲してそこまで世界を分断しつづけるのかは私には分からない。
どういう理由で五分の一でなければならなかったのかも私には知り得ない。
だいたい、何故今我々人類の目前に出現したのかという根本的な疑問にすら、直線は回答を
返してはくれないのである。
謎の直線。謎だらけか直線。
直線の存在意義は冒頭に述べた通り、ただひたすらに真っ直ぐであるということのその一点に
尽きちゃってしまったりするのであるが、かの直線がここに存在することの意義については
まだ誰も納得のいく説明を施せないでいるのが実情とかいう奴であろう。

であるからして、この直線を目にした人々はすべからく私に質問を投げかけてくる
ことになるのである。

「ねえねえ。この線、何?」

それは私が聞きたいことの根本なるものである。
要するに知らないということだ。

「徳田君。変わったアクセサリーだね」

違います部長。
何が悲しくて直線の奴なんかを飾ったりするもんですか。

「これ、なんかの役に立つの?」

役に立つかどうかの基準についてまず論議すべき点のあるご質問でありますが、現在のところ
如何なる基準においても役立たずの烙印を押さざるを得ない状況であります。
てゆ〜か、何か役に立てるような方法がありましたら、是非ご一報を徳田まで。

「やっぱ液晶だからかなぁ」

そうなんですよ。液晶なんですよ。だからなんですよ。くそう。
これだから液晶ディスプレイって奴ぁ信用できねぇっちゅうことっすよ。

もうお分かりのこととは思うが、私のパソコンの液晶ディスプレイには縦線が走って
おりますです。はい。
うっとおしいったらありゃしない。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓