雨谷の庵

[0087] ワールドワイドな旅人 (2000/06/06)


[Home]
そう言えば母への手紙とかいうのも昔あったな。

手紙といえば、つい最近までは郵便にて送り送られるものであった。
しかし今はどうだ。
電子メールとかいうハイテクな手段が幅を利かせているようである。
郵便と違い、電子メールは電子だったりするのだ。
「デンコ」などではもちろんないから注意が必要だ。
「デンコちゃん」などと口走ろうものならたちどころにして異端の烙印を
押されかねない。
「デンコちゃん可愛い〜〜」などと叫ぼうものなら貴方は既に死んでいるとか
そういうことに違いない。
注意が必要だ。
そう、「デンシ」である。間違えてはいけない。

手紙といえば、昔は旅人に託して送り送られるものであった。
しかし今はどうだ。
イソターネットとかいうハイカラな小人さんが幅を利かせているようである。
旅人と違い、イソターネットはワールドワイドだったりするのだ。
もちろん昔にもワールドワイドな旅人は存在した。
長靴を履いた猫やホラ吹き男爵とかそういう連中だ。
しかしイソターネットなる小人はそういったぐうたらな奴等とはことなり、
なんと24時間営業なのだ。
365日年中無休という噂もある。
そこらのコンビニも真っ青だ。
何しろワールドワイドな年中無休の24時間営業である。
敵うはずもない。
一説によるとイソターネット小人とサンタクロースにはかなりの因果関係が
認められるとかいうらしい。
親戚とか知人とか同類とかそういうことかも知れない。
注意が必要だ。

さて、この件の電子メールとかいうものであるが、大変便利である。
何しろ電子な上にワールドワイド、年中無休の24時間がイソターネット小人さん
なのである。
良くは理解しがたいが、便利であるに違いない。
いやぁ、便利だよ電子メール。はっはっは。
とかなんとか街角で爽やかに笑ってみるというのもあながち悪い話ではなかろう。
是非、お試し頂きたいものである。
話が逸れた。
この大変に便利な電子メール、言うまでも無いことであるが便利さゆえの
欠点というものも当然ながら持ち合わせていると私は考えてみたりするわけである。
例えば、私はこのようなメールを受け取ったことがある。

 To: 徳田
 From: 部長
 Subject: Re:議事録
 ck

これはどういうことであろうか。
「ck」である。
英語で用いられているところのアルフアベツト、その第三番目の文字であるところのc、
及びその第十一番目の文字であるところのk。
これらの2文字でのみ、件の電子メールは構成されているのである。
部長。貴方はこの2文字でもって何を表現されておられるのでありますか。
部長。私にはこの深遠なる文章は理解の範囲を超えていると思う次第であります。

そうなのである。
電子メールは便利であるが故に、短くなりやすいのではないかと私は愚考するわけである。
例えば、郵便と比べて見ようではないか。
何しろ郵便は年中無休の24時間ではないのである。
公共サービス故であろうか、ほとんど公務員であるところの郵便野郎は、あろうことか
休日には休んでしまうのである。
夜はもちろん寝てしまうのだ。
すなわち、郵便はいつでも送れるわけではないのだ。
ということは必然的に、人々は送れるときに一気に大量に止め処も無く送ろうとする
とかそういうことであると私は主張するわけである。
ところが振り返って電子メールはどうだ。
いつでも送れてしまうではないか。
内容を間違えてもへっちゃらである。
何しろもう一度送り直せば良いのだ。
短くて相手にとって意味不明でも気にしないのである。
何しろもう一度送り直せば良いのだ。
故に、電子メールの文章は不必要なまでに短くなってしまうのではないかと思うわけである。

そうなのである。
電子メールは便利であるが故に、短くなりやすいのではないかと私は愚考するわけである。
例えば、旅人と比べて見ようではないか。
何しろ旅人はワールドワイドではないのである。
公共サービス故であろうか、ほとんど浮浪者同然であるところの旅人野郎は、あろうことか
何処にでも居る訳ではないのである。
夜はもちろん寝てしまうのだ。
すなわち、旅人にはどこででも手紙を託せるというわけではないのだ。
ということは必然的に、人々は託せるときに一気に大量にドバドバと託そうとするとか
そういうことであると私は主張するわけである。
ところが振り返って電子メールはどうだ。
何処ででも託せてしまうではないか。
内容を間違えてもへっちゃらである。
何しろもう一度託し直せば良いのだ。
短くて相手にとって意味不明でも気にしないのである。
何しろもう一度託し直せば良いのだ。
故に、電子メールの文章は不必要なまでに短くなってしまうのではないかと思うわけである。

今日も、私はその不必要に短いメールを受け取ってしまったことをここに告白しよう。

 To: 徳田
 From: 南手
 Subject: Re^2:安田記念
 しゃれになんねぇぇ〜〜〜〜!!!

以前にもここ雨谷の庵に登場したことのある南手某からの文面である。
それにしても「しゃれにならない」だけでは何が何だかさっぱり分からぬではないか馬鹿者。
と、ここまで考えたところで、私は先週末に受け取った彼からのメールを思い出した。

 To: 徳田
 From: 南手
 Subject: 安田記念
 今回はこれで勝負!
 ブラックホーク × ディクタット
 ブラックホーク × フェアリーキングプローン

そうか。謎は全て解けた。(前話を参照のこと)
私が爆笑したことは言うまでもない。
ところで「ck」の謎はいつ解いて頂けるのでしょうか部長。
気になって夜も眠れません。

雨谷の庵は今日も雨。
< Back |List| Next >
管理者:徳田雨窓