雨谷の庵

[0063] パンダマンナに大使館 (2000/03/16)


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大使は大使で大変だったりするのである。

動物をこよなく愛する類の方々が居ると聞く。
ちにみに私もこよなく愛するにやぶさかでない。
「にゃんにゃんかわいひ〜〜」だの、
「ワンちゃん元気でしゅかぁ?」だの、
「バブバブでちゅねぇ〜〜」だの、
大人としてちょっとどうかと思われるような奇声を発することも
全然平気である。日常茶飯事かも知れぬ。
だいたい可愛いではないか。動物。
動くのだ。動く物なのだ動物。
動くことをもってその存在を主張する類のモノであるのだ動物。
素晴らしいではないか動物。
これで世界の平和も大丈夫だ動物。
なんか違う。

動物愛護の団体とかいうものがあると聞いたことがある。
動物をこよなく愛するが故に、動物に対する様々な活動を
行っている人々の集まりなのだそうである。
目的は、動物を守ることである。
守るのだ。動物を。
東でパンダが絶滅の危機に瀕すればそれを守り、西でアフリカゾウが
滅びかけていればそれを守るのだ。
クジラが少なくなりつつあると聞けば日本人を袋叩きにし、
イルカが大量に死んだとあれば日本人を袋叩きにするのだ。
もしかして悪か日本人。それはともかく。

テレビでニュースなどをつらつらと見ていると、件の動物愛護の
方々に関する報道を時々目にする。
大抵は滅びに瀕している動物を守るための活動を報じる内容の
モノであるが、時々妙な内容を目にすることがあるので油断ができない。
例えばこうだ。
「このたび、日本人としてはじめてパンダ大使に選出された・・・」
何だ何だなんなんだ。パンダ大使とは一体どういう了見か。
パンダと友好関係を維持するための任務を負っているのかパンダ大使。
パンダの国の首都パンダマンナに大使館が有ったりするのかパンダ大使。
だいたいパンダの国って何だ。そんなのあるのか。
それともあれかマグマ大使の親戚かパンダ大使。
必殺技はパンダスラッシュだったりするのか。

何かの冗談かと最初は思ったが、どうも本当にそういう人が存在するらしい。
何しろ国営放送のゲストとして本人が招かれていたのであるから間違い無い。
ご丁寧にも「パンダ大使」とかいうテロップが几帳面に表示されたりしていた。
なんか物凄く正気の沙汰ではないような気がするのは私だけかパンダ大使。
見たところ、パンダ大使とは中年と思しき物腰柔らかな女性であった。
元歌手とかいう台詞も聞こえたような気がする。
パンダ大使としての責任ある職務について、件の女性はトクトクと
語っているのである。熱意が感じられるぞパンダ大使。
やっぱり必殺技はパンダダイナミックか。

それにしても常々思うことなのであるが、何故動物愛護の方々はあのように
熱心なのであろうか。
一種の宗教家の方々と同じような目の輝きをそこに感じるのは私だけなのか。
動物愛護教団。むむ。本当に有りそうで嫌だ。なんか怖い。
何しろ、動物の愛護が神の教えなのだ。
神の教えとかいうものに従って動物を愛護するのだ。
人間よりも動物の方が偉いのだ。人間も動物だけど。
歴史を振り返れば徳川の御世、五代将軍家綱のような例も有る。
実在していないとも限らない動物愛護教団。恐るべし。

そういえば細菌とかはどうなるのだろうか。
守らなくていいのか動物愛護の団体諸氏。
アレは植物だから良いとか、そういう論理的な回答が用意されていたり
するのであろうか。
でも細菌て、植物なんだろうか本当に。
ウイルスとかいうもっと訳の分からないものも有るから別にどうでもいいとか、
そういうことか。
ということはである。細菌を愛護する団体も必要なのではないだろうか。
絶滅の危機に瀕している細菌を守るのだ。
東で結核が滅びようとしていたらそれを守り、西でペストが絶滅寸前であれば、
それを守るのだ。
しかしどうやって細菌どもを守るのかが、ちょっとばかり疑問であるな。
もしかすると耐性菌の増殖を助長するような...あわわ怖くなってきた。
考えるのは止めておこう。

とにかく細菌愛護団体を結成するからには、大使が必要であろう
パンダ大使などに負けるようでは細菌愛護の名が泣くというものである。
来れ精鋭。細菌愛護の使徒たちよ。

 コレラ大使:
  コレラの国の首都コレリードに大使館があるのだ。

 エボラ大使:
  何だか血みどろでイイ感じなのだ。

 エイズ大使:
  生殖行為にいそしみまくるのだ。もちろん生。

 メリッサ大使:
  アウトルックを殲滅するのだ。なんか違う。

いかんいかんいかん。何だか悪の秘密結社みたいではないか。
これでは世界の平和が危うい。とりあえず人間を守らねば。
人間愛護の団体が必要だ。なんか違う。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓