雨谷の庵

[0023] 電気ネズミに過ぎない (1999/11/17)


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何だか、アメリカではとんでもないことになっているらしい。

その現象に私が初めて気がついたのは、NHKのスペシャル番組、
「世紀を越えて」での1つの光景においてである。
その光景とは、何のことの無い、アメリカでの家庭風景である。
母親が料理を作っている横でその息子であるらしい3〜5歳くらいの
子供が遊んでいるという、ごくごく普通のワンシーンであった。

だが。しかぁし。
その子供の持っているあるモノが、私の興味を喚起したのであった。
ポケットモンスターのモンスターボール。
おいおい、アメリカの子供よ。何でそんなものを持っているのだ。

知らない方の為に解説しておこう。
ポケットモンスターというのは任天堂のゲームの名称である。
通称は「ポケモン」。
様々な特徴と特技を持つモンスターを収集し、互いに戦わせて
優劣を競うという、いわゆる育成型対戦ゲームである。
最初はゲームボーイ用のゲームとして発売されたものが大人気となり、
やがてアニメ化され、小さなお友達向けマンガ雑誌での連載が始まり、
果ては劇場版映画が公開されてしまうなど、一種の社会現象にまで
なったのである。ポケモンのくせに。

で。
問題のモンスターボールというのは、ゲーム中の主人公が、
集めたモンスターを携帯する為の架空の装置なのである。
それのおもちゃを持っていたのである。アメリカのお子様方が。
ということは、アメリカでもポケモンはその猛威を振るっている
ということであろうか。
テレビでの放映、劇場版の公開、マンガの出版といった、
一連のキャラクター商売が展開されているということであろうか。
全米のお子様方が、ピカチュウの電撃にやられてしまうと
いうことなのであろうか。
で、アニメ番組の冒頭では必ず、
「テレビアニメをご覧の際には室内を明るくし、できるだけ離れて
 ご鑑賞下さい」
とかなんとかいうなんとも興醒めなメッセージが表示されて
しまったりするのであろうか。

よくよく見ると、冒頭の番組の中の別のシーンには、テレビの中で
電撃を発しているピカチュウの姿があるではないか。
ああ、そうなのであるか。既に放映されているのであるな。ポケモン。
しかも全米で。お子様向けに。
おそるべしポケモン。その人気は今やワールドワイドなのであるな。

最近読んだ新聞では、アメリカでいよいよポケモンの劇場版映画、
「ミュウツーの逆襲」が公開されると書かれていた。
ミュウツーとはミュウ2の意味で、ミュウを人工的に強化した
ポケモンで・・・などとオタクなうんちくを傾けても意味が無い。
問題なのはそれが1000を軽く超える映画館で上映されるという、
記事中の記述である。
皆様は、「もののけ姫」を覚えておいでであろうか。
宮崎某とかいう有名アニメ監督が自信満々で世に送り出したアニメ
映画である。
そのもののけ姫がアメリカで公開された時、それを上映した映画館の
数は200ちょっとでしかなかったのである。
ブームだブームだとか世間が騒いでいたわりには、もののけ姫の
評価はポケモンの足元にすら及ばないのである。だいたい、桁が違う。
それを考えると、今いかにアメリカでポケモンがブームであるかが
想像できるというものである。

とにかく、アメリカがポケモンによってどうかしてしまったのは
間違いないらしい。つまりは大人気だ。ブームと言っても過言ではない。
これもひとえにピカチュウの可愛さ故であろう。
黄色に黒のストライプ。
どことなく関西系の弱小野球チームを連想させて止まないその姿形。
「ピカチュウなんてただのネズミだ。電気ネズミに過ぎない」
とか言っている奴は、人としてちょっとどうかと思わざるを得ない。

ああ、ピカチュウ。俺にも「ちゃー」言うてくれ。

雨谷の庵は今日も雨。
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管理者:徳田雨窓